変身HERO異世界へ征く！

ハンサーラ公国と亡国の思惑

サラの元に訪れたメンバーと別作戦通達

サラ達が北方調査の準備が終了した時に、ドアにノックする音が響いた。

「失礼します。レンジャー、シルヴェスタン、本日、現時刻を持って着任しました。」

シルヴェスタンは背筋をピンと伸ばし、サラに対し最敬礼をした。

対策室において、『敬礼』は、

制帽や兜を着した状態での
『挙手敬礼』

脱帽等、頭部に何も被っていない状態での
貴人に対する『最敬礼』にあたる45℃のお辞儀と
同僚等に対する『会釈』にあたる10℃のお辞儀がある。

剣や刀を用いた場合は、
『捧刀』から『投刀』があり、
長物(槍・戟・弓)の場合には、
『捧銃』を用いる様に訓練された。

斧や短剣使いは、挙手敬礼か脱帽時の敬礼を用いる事となる。

対策室は、挙手か脱帽か刀剣による敬礼が多く用いられる様になっていた。

シルヴェスタンは、王室にあたるサラに対し最敬礼を行ったのである。

サラも答礼として、10℃の敬礼をし、サッと頭を上げる。
サラの頭が上がるのを察し、シルヴェスタンも頭を上げた。

「長旅、ご苦労様でした。」

サラが労ねぎらいの言葉を掛けると、

「いえ、大した事ではありません。それよりも、コレを……」

シルヴェスタンが懐ふところから一通の書状を取り出し、サラに渡す。

「本部より通達があり、それをメモし副長に渡せ、と室長が。」

内容は、公国内部の例の施設の件と、調査に2人のエージェントを送る、という内容だった。
どうやって知ったのかは、後に話す。と、追伸で書かれていた。

「早馬で急いで来るとの事ですから、後2～3日はかかるとは思います。此方こちらは此方で動く方が、時間のロスも少なく済むと存じ上げます。」

シルヴェスタンの提案に頷き、サラは予定通り、公国北部の調査に赴おもむく事を決定した。

一同が集まり、表向きは『魔物討伐』と称して、公国と亡国の境さかいの調査へと、その日のうちに出発した。