54 / 111
ハンサーラ公国と亡国の思惑
リックとアンジュ2
しおりを挟む
記念館に到着すると、リックは入場料を払う為に、料金所へと歩いて行く。
「大人2枚、お願いします。」
提示されてる金額を払う。
「おやおや、新婚さんかい?」
「そうなんですよ。折角だから、グレーダーを選んだんです。街は綺麗だし、治安も良いしね。」
「おや?治安?今は悪くなりつつあるよ。なんせ、この間の王国との戦いに、かなりの軍がやられたらしいから、今は国境対応の為に赴いたらしいよ。お客様は、この国の人だよね?」
「いや、違うんだよ。南の国のキャロハから来たんだ。」
「そうかい、そうかい。なら、我が国の事なんて知らないよね。」
一瞬、怪しんだ売り子だったが、リックの判断で、第三国の名称を出した。
キャロハ法国の名前を聞き、軽くではあったが、売り子の警戒心を溶く事に成功する。
キャロハ法国は、公国で同盟を結んでいる小国で、リックがこの任務に着任する前に潜伏してた国故に、国の状況を把握してたリックが無難な国名を挙げたのだった。
故に公国で、この国名を名乗ると、大概は怪しまれずに済む。
この売り子の怪しむ態度からすると、間違いなく研究施設の関連は深いと思われる。
俺なら無関係の者を配置し、怪しまれない様にするだろいし、それでバレたら、暗殺対象にする。と、リックは思った。
チケットを受け取り、記念館内に入ると、至って普通な感じの博物館であった。
亡国・王国の成り立ちから、分裂・派生した国々の独立。
そして、独立戦争の事を資料や展示品で説明していた。
アンジュの表面上は、にこやかにしているが、心の中は
『所詮、公国のプロパガンダね。公国に好都合な事しか展示してないわね。』
と、毒づいていた。
その心境は、リックも同様である。
そんな内心な2人ではあるが、注意深く視線を動かし、周囲の状況や建物自体に不自然な箇所が無いか観察をした。
無論、行動や言論に不自然さを感じさせない様にしながらである。
一通りの見物を終え、宿屋へと戻り、2人はゲームと称し記念館の考察を交わした。
『記念館内部には、これと言って変わったモノはなかったな。』
『そうね。もう少し下調べしてから、ミッションに入った方が良いかも。』
『情報が少ないと、命取りに成りかねないからな。明日も調べる事にしよう。』
そこで、2人の任務に関する話題は終わりにした。
どうやら、明日も調べる事が山積みな様だ。と、思いながら。
「大人2枚、お願いします。」
提示されてる金額を払う。
「おやおや、新婚さんかい?」
「そうなんですよ。折角だから、グレーダーを選んだんです。街は綺麗だし、治安も良いしね。」
「おや?治安?今は悪くなりつつあるよ。なんせ、この間の王国との戦いに、かなりの軍がやられたらしいから、今は国境対応の為に赴いたらしいよ。お客様は、この国の人だよね?」
「いや、違うんだよ。南の国のキャロハから来たんだ。」
「そうかい、そうかい。なら、我が国の事なんて知らないよね。」
一瞬、怪しんだ売り子だったが、リックの判断で、第三国の名称を出した。
キャロハ法国の名前を聞き、軽くではあったが、売り子の警戒心を溶く事に成功する。
キャロハ法国は、公国で同盟を結んでいる小国で、リックがこの任務に着任する前に潜伏してた国故に、国の状況を把握してたリックが無難な国名を挙げたのだった。
故に公国で、この国名を名乗ると、大概は怪しまれずに済む。
この売り子の怪しむ態度からすると、間違いなく研究施設の関連は深いと思われる。
俺なら無関係の者を配置し、怪しまれない様にするだろいし、それでバレたら、暗殺対象にする。と、リックは思った。
チケットを受け取り、記念館内に入ると、至って普通な感じの博物館であった。
亡国・王国の成り立ちから、分裂・派生した国々の独立。
そして、独立戦争の事を資料や展示品で説明していた。
アンジュの表面上は、にこやかにしているが、心の中は
『所詮、公国のプロパガンダね。公国に好都合な事しか展示してないわね。』
と、毒づいていた。
その心境は、リックも同様である。
そんな内心な2人ではあるが、注意深く視線を動かし、周囲の状況や建物自体に不自然な箇所が無いか観察をした。
無論、行動や言論に不自然さを感じさせない様にしながらである。
一通りの見物を終え、宿屋へと戻り、2人はゲームと称し記念館の考察を交わした。
『記念館内部には、これと言って変わったモノはなかったな。』
『そうね。もう少し下調べしてから、ミッションに入った方が良いかも。』
『情報が少ないと、命取りに成りかねないからな。明日も調べる事にしよう。』
そこで、2人の任務に関する話題は終わりにした。
どうやら、明日も調べる事が山積みな様だ。と、思いながら。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。
もる
ファンタジー
剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる