変身HERO異世界へ征く!

加賀林檎

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ハンサーラ公国と亡国の思惑

リックとアンジュ2

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記念館に到着すると、リックは入場料を払う為に、料金所へと歩いて行く。

「大人2枚、お願いします。」

提示されてる金額を払う。

「おやおや、新婚さんかい?」

「そうなんですよ。折角だから、グレーダーを選んだんです。街は綺麗だし、治安も良いしね。」

「おや?治安?今は悪くなりつつあるよ。なんせ、この間の王国との戦いに、かなりの軍がやられたらしいから、今は国境対応の為に赴いたらしいよ。お客様は、この国の人だよね?」

「いや、違うんだよ。南の国のキャロハから来たんだ。」

「そうかい、そうかい。なら、我が国の事なんて知らないよね。」

一瞬、怪しんだ売り子だったが、リックの判断で、第三国の名称を出した。

キャロハ法国の名前を聞き、軽くではあったが、売り子の警戒心を溶く事に成功する。

キャロハ法国は、公国で同盟を結んでいる小国で、リックがこの任務に着任する前に潜伏してた国故に、国の状況を把握してたリックが無難な国名を挙げたのだった。

故に公国で、この国名を名乗ると、大概は怪しまれずに済む。

この売り子の怪しむ態度からすると、間違いなく研究施設の関連は深いと思われる。

俺なら無関係の者を配置し、怪しまれない様にするだろいし、それでバレたら、暗殺対象にする。と、リックは思った。

チケットを受け取り、記念館内に入ると、至って普通な感じの博物館であった。

亡国・王国の成り立ちから、分裂・派生した国々の独立。
そして、独立戦争の事を資料や展示品で説明していた。

アンジュの表面上は、にこやかにしているが、心の中は

『所詮、公国のプロパガンダね。公国に好都合な事しか展示してないわね。』

と、毒づいていた。
その心境は、リックも同様である。

そんな内心な2人ではあるが、注意深く視線を動かし、周囲の状況や建物自体に不自然な箇所が無いか観察をした。

無論、行動や言論に不自然さを感じさせない様にしながらである。

一通りの見物を終え、宿屋へと戻り、2人はゲームと称し記念館の考察を交わした。

『記念館内部には、これと言って変わったモノはなかったな。』

『そうね。もう少し下調べしてから、ミッションに入った方が良いかも。』

『情報が少ないと、命取りに成りかねないからな。明日も調べる事にしよう。』

そこで、2人の任務に関する話題は終わりにした。

どうやら、明日も調べる事が山積みな様だ。と、思いながら。
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