70 / 111
大乱と統一
研究所、強襲準備
しおりを挟む
サラ達は事前の作戦通りに、工作班と強襲班に別れ開始された。
「リーチェ、そっちはどう?」
サラは強襲班として、残っている為、工作班のリーチェに通信で状況を確認する。
「こちらは次々と、爆裂玉をセットしてるッス。順調ッスよ。」
爆裂玉とは、拳ぐらいの大きさの金属玉であり、中には霊法と術法が合わさった、爆裂と火炎の能力を持つ兵器である。
この兵器は、投擲型と、設置型があり、設置仕様に関しては、時限型と動体感知反応型と遠隔手動型がある。
今回、使用しているのは、誤作動させず、確実に破壊する為、遠隔手動型である。
「このまま、ドンドン設置して行くッス。副長達は待ってるッスよ。」
リーチェからの通信が終わり、サラ達、待機している強襲班に伝令が来る。
「申し上げます。アルフォンス様、フォルクハルト様、決起に成功。現在、城を攻略中。以上!」
「ご苦労。引き続き、結果を報告してくれ。」
「ハッ!!」
オスカーが代わりに返答すると、伝令は城の方向へと戻って行った。
「……まず第一段階は成功ね。」
「左様で御座りまするな。こちらも、何としてでも成功させ、レビウスの驚異を除去せねば。」
サラの呟きに、オスカーも同感しながら、自分達の任務の成功を祈っていた。
そこに、リックから通信が入る。
「こちらリック。実験体で自我がある者、数名発見。如何致しますか?」
リックは上申し確認をしてきた。
現場の判断では無く、作戦を統括するサラに委ねたのである。
リック達もオスカー達も、この決断にてサラの力量を試している様にも見えた。
サラは迷った。
囚われている人間を見捨てるべきか。
しかし、レビウスが覚醒し、他者への驚異にも成り得る。
それでも、サラは苦渋の決断をした。
「……リック。実験体は……全て……抹殺対象よ。」
「……了解。御英断、感服致しました。早速、作業を再開致します。では。」
通信が切れる。
サラは、ふぅ、と溜め息を吐くとオスカー達に詫びの言葉を述べる。
「……貴方達の国の民の命なのに、切り捨てる様な決断をして…………本当に……申し訳ないわ。」
すると、オスカーを筆頭に、騎士団の面々が頭を下げ、サラに謝る。
「我々こそ、我が国の事なのに、決断を貴女に委ねてしまった。不甲斐なき、我々にどうか、お許しを。」
一人ひとりの表情は、サラに対して本当に申し訳ないと、言葉より雄弁に語っていた。
サラは気を取り直し、騎士団に喝を入れる。
「この決断も、この苦しみも、この胸の痛みも、未来の為よ。ここが正念場、挫けたら失敗するわ。」
その言葉に「はい!」と、小声ではあるが、力強い返事が返って来た。
「こちら、アンジュ。爆裂玉を全て配置完了。指示を待つ。」
「こちら、サラ。工作班脱出後、起爆。速やかに退去されたし。起爆後、強襲班は突入する。」
「了。では、退去します。以上。」
さて、勝負はここからだ。とサラは気持ちを奮い立たせた。
「リーチェ、そっちはどう?」
サラは強襲班として、残っている為、工作班のリーチェに通信で状況を確認する。
「こちらは次々と、爆裂玉をセットしてるッス。順調ッスよ。」
爆裂玉とは、拳ぐらいの大きさの金属玉であり、中には霊法と術法が合わさった、爆裂と火炎の能力を持つ兵器である。
この兵器は、投擲型と、設置型があり、設置仕様に関しては、時限型と動体感知反応型と遠隔手動型がある。
今回、使用しているのは、誤作動させず、確実に破壊する為、遠隔手動型である。
「このまま、ドンドン設置して行くッス。副長達は待ってるッスよ。」
リーチェからの通信が終わり、サラ達、待機している強襲班に伝令が来る。
「申し上げます。アルフォンス様、フォルクハルト様、決起に成功。現在、城を攻略中。以上!」
「ご苦労。引き続き、結果を報告してくれ。」
「ハッ!!」
オスカーが代わりに返答すると、伝令は城の方向へと戻って行った。
「……まず第一段階は成功ね。」
「左様で御座りまするな。こちらも、何としてでも成功させ、レビウスの驚異を除去せねば。」
サラの呟きに、オスカーも同感しながら、自分達の任務の成功を祈っていた。
そこに、リックから通信が入る。
「こちらリック。実験体で自我がある者、数名発見。如何致しますか?」
リックは上申し確認をしてきた。
現場の判断では無く、作戦を統括するサラに委ねたのである。
リック達もオスカー達も、この決断にてサラの力量を試している様にも見えた。
サラは迷った。
囚われている人間を見捨てるべきか。
しかし、レビウスが覚醒し、他者への驚異にも成り得る。
それでも、サラは苦渋の決断をした。
「……リック。実験体は……全て……抹殺対象よ。」
「……了解。御英断、感服致しました。早速、作業を再開致します。では。」
通信が切れる。
サラは、ふぅ、と溜め息を吐くとオスカー達に詫びの言葉を述べる。
「……貴方達の国の民の命なのに、切り捨てる様な決断をして…………本当に……申し訳ないわ。」
すると、オスカーを筆頭に、騎士団の面々が頭を下げ、サラに謝る。
「我々こそ、我が国の事なのに、決断を貴女に委ねてしまった。不甲斐なき、我々にどうか、お許しを。」
一人ひとりの表情は、サラに対して本当に申し訳ないと、言葉より雄弁に語っていた。
サラは気を取り直し、騎士団に喝を入れる。
「この決断も、この苦しみも、この胸の痛みも、未来の為よ。ここが正念場、挫けたら失敗するわ。」
その言葉に「はい!」と、小声ではあるが、力強い返事が返って来た。
「こちら、アンジュ。爆裂玉を全て配置完了。指示を待つ。」
「こちら、サラ。工作班脱出後、起爆。速やかに退去されたし。起爆後、強襲班は突入する。」
「了。では、退去します。以上。」
さて、勝負はここからだ。とサラは気持ちを奮い立たせた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。
もる
ファンタジー
剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる