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19話
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うつ伏せになってひたすら文句を言い続けたのは本当に文句があったのと照れ隠しもある。照れ隠しと言うには表現がかわい過ぎるが、気恥ずかしさや居たたまれなさなどでわりと佐紅は押し潰されそうだった。
確かに真尋が下になるところなど想像もできないが、自分が下になるところも想像していなかった。それだというのに簡単に組み敷かれた。
自分一人でする時は真尋では滅多にしなかった。普通にそういった媒体をネタにしていた。滅多になかったが、たまに真尋で抜く時もいつも二人でしていたことを思い出して抜く位だった。
俺の中に……さっきまでまひろのが……。
残念ながら気持ちがいいとは程遠かったが、思い出すと痛みよりも妙な疼きが込み上げてくる。それがまた自分にとって居たたまれなかった。だが背後からぎゅっと真尋に抱きしめられると、むしろ落ち着いてきた。
受け入れたら死ぬほど後悔しかしないと、ずっと思ってきた。キスですら苦しかったのだ。しかしいざ受け入てもいつもと変わらない。
いや、違う。
「……とりあえずお前がムカつくけど……もう、いい……」
真尋の視線を近くに感じる。
「お前にはなにを言っても無駄だし、俺に気持ちいいくらい迷惑もかけてくる……」
「……ごめん」
「だったら俺もお前に迷惑をかけてやる」
「?」
受け入れてみれば、なんだかもういい、と諦めたというよりはむしろ腹をくくったような気持ちになった。今まであれ程悩み続けてきたというのに、こうなったらもう受け入れるしかないと覚悟を決めた。
「お前と付き合うっつってんだよ……仕方ないから認める」
言った途端、体を捻られた。体が悲鳴を上げたところでキスをされた。
「っいっ! お前……加減しろ……」
「ごめん。でも嬉しかったから」
「ったく」
「俺とさく、恋人ってこと」
口にされるとやはり落ち着かない。嫌だとか苦しいというよりはもぞもぞ、そわそわとする落ち着かなさだった。
「……」
「そうなんだよな? ……違うのか?」
「そうだよ! 言っとくけど俺、めちゃくちゃ独占欲強いからな?」
ああもう、と顔を逸らしながら肯定すると、キスされた時に捻られた体をさらに転がされ、仰向けにされた。
「おま……」
「もう一回……」
「は? え、なに言ってんだ?」
真尋のくせに冗談、と真尋の顔を見ると思い切りやる気に満ちている。
「っ無理! 無理! お前ふっざけんな……!」
「おっはよ! つか瀬名、どーしたんだよその頬」
翌日、登校してきた雄大が真尋を見て吹き出している。
「……さく――」
「まひろ……」
恐らく「さくに引っ叩かれた」とでも言おうとしていたのであろう真尋に、佐紅は低い声で呼びかける。すると真尋は少し困ったような顔をした後で「知らない」と言い直していた。意味がわからないといった顔で雄大が「は?」と真尋を見た後で佐紅を見てくる。そしてなにかを察知でもしたのか「あ、そいや一時間目俺当たるかも」などと言いながら自分の席へ向かって行った。
二度もされ、瀕死の佐紅にあろうことかまだ続けようとしてくる真尋を思い切りぶったのは確かに佐紅だ。真尋に対して暴力を振うことを普段はしないが、あの場合は仕方なかった。身を守るためとそしてある意味躾のためだ。
頬を打たれてポカンとしている真尋に、そして佐紅は説教をした。とりあえず限度を知れということを言い聞かせた後、いい機会だからと「なんでもかんでも口にするな」とも言った。
「なんでも……」
「お前は基本無口だけどな、ただ言う時はあまりに無防備になんでも言い過ぎなんだよ。相良に俺らが抜き合ってたことまで言いやがって」
「駄目なのか」
「当たり前だろ!」
「……でも何故」
「何故じゃねーよ……! 普通そーゆーことは人前で言わないんだよ……!」
「なにがよくてなにが駄目なのか難しい」
「人の悪口は駄目だってわかるよな?」
「そんなの言っても仕方ないだろ」
「同じく言っても仕方ないけども昨日自分がなにを食べたかとかは言ってもなにも悪くないのもわかるよな」
「うん」
「その違い、わかるだろ」
「うん」
「じゃあ同じように察しろよ。俺が嫌がるだろうことを言うな」
「……わかった」
「本当にわかった?」
「……わからない時は考えてみる。考えてもわからない時は黙る。あとさくが気づいたら教えてくれ。……なにか聞かれたことに対しても駄目だったりするのか?」
「一緒」
「俺、嘘とか浮かばない」
「別に嘘吐かなくても、知らないとかさあ、とか適当に言えるだろ」
「…………わかった」
そんな会話をした。だからだろう、今も「知らない」と言い直したのは。おかげで逆に変になにかあるとバレた訳だ。佐紅は微妙な顔で真尋を見た。
真尋はといえば、言われた通りにしたぞといった風にどこか得意げな顔をしている。もちろんそんな表情も佐紅以外はわからないだろうが。
「なんか色々心配」
「悩み事でもあるのか、さく」
佐紅の言葉に、真尋が心配そうに佐紅を見てきた。
確かに真尋が下になるところなど想像もできないが、自分が下になるところも想像していなかった。それだというのに簡単に組み敷かれた。
自分一人でする時は真尋では滅多にしなかった。普通にそういった媒体をネタにしていた。滅多になかったが、たまに真尋で抜く時もいつも二人でしていたことを思い出して抜く位だった。
俺の中に……さっきまでまひろのが……。
残念ながら気持ちがいいとは程遠かったが、思い出すと痛みよりも妙な疼きが込み上げてくる。それがまた自分にとって居たたまれなかった。だが背後からぎゅっと真尋に抱きしめられると、むしろ落ち着いてきた。
受け入れたら死ぬほど後悔しかしないと、ずっと思ってきた。キスですら苦しかったのだ。しかしいざ受け入てもいつもと変わらない。
いや、違う。
「……とりあえずお前がムカつくけど……もう、いい……」
真尋の視線を近くに感じる。
「お前にはなにを言っても無駄だし、俺に気持ちいいくらい迷惑もかけてくる……」
「……ごめん」
「だったら俺もお前に迷惑をかけてやる」
「?」
受け入れてみれば、なんだかもういい、と諦めたというよりはむしろ腹をくくったような気持ちになった。今まであれ程悩み続けてきたというのに、こうなったらもう受け入れるしかないと覚悟を決めた。
「お前と付き合うっつってんだよ……仕方ないから認める」
言った途端、体を捻られた。体が悲鳴を上げたところでキスをされた。
「っいっ! お前……加減しろ……」
「ごめん。でも嬉しかったから」
「ったく」
「俺とさく、恋人ってこと」
口にされるとやはり落ち着かない。嫌だとか苦しいというよりはもぞもぞ、そわそわとする落ち着かなさだった。
「……」
「そうなんだよな? ……違うのか?」
「そうだよ! 言っとくけど俺、めちゃくちゃ独占欲強いからな?」
ああもう、と顔を逸らしながら肯定すると、キスされた時に捻られた体をさらに転がされ、仰向けにされた。
「おま……」
「もう一回……」
「は? え、なに言ってんだ?」
真尋のくせに冗談、と真尋の顔を見ると思い切りやる気に満ちている。
「っ無理! 無理! お前ふっざけんな……!」
「おっはよ! つか瀬名、どーしたんだよその頬」
翌日、登校してきた雄大が真尋を見て吹き出している。
「……さく――」
「まひろ……」
恐らく「さくに引っ叩かれた」とでも言おうとしていたのであろう真尋に、佐紅は低い声で呼びかける。すると真尋は少し困ったような顔をした後で「知らない」と言い直していた。意味がわからないといった顔で雄大が「は?」と真尋を見た後で佐紅を見てくる。そしてなにかを察知でもしたのか「あ、そいや一時間目俺当たるかも」などと言いながら自分の席へ向かって行った。
二度もされ、瀕死の佐紅にあろうことかまだ続けようとしてくる真尋を思い切りぶったのは確かに佐紅だ。真尋に対して暴力を振うことを普段はしないが、あの場合は仕方なかった。身を守るためとそしてある意味躾のためだ。
頬を打たれてポカンとしている真尋に、そして佐紅は説教をした。とりあえず限度を知れということを言い聞かせた後、いい機会だからと「なんでもかんでも口にするな」とも言った。
「なんでも……」
「お前は基本無口だけどな、ただ言う時はあまりに無防備になんでも言い過ぎなんだよ。相良に俺らが抜き合ってたことまで言いやがって」
「駄目なのか」
「当たり前だろ!」
「……でも何故」
「何故じゃねーよ……! 普通そーゆーことは人前で言わないんだよ……!」
「なにがよくてなにが駄目なのか難しい」
「人の悪口は駄目だってわかるよな?」
「そんなの言っても仕方ないだろ」
「同じく言っても仕方ないけども昨日自分がなにを食べたかとかは言ってもなにも悪くないのもわかるよな」
「うん」
「その違い、わかるだろ」
「うん」
「じゃあ同じように察しろよ。俺が嫌がるだろうことを言うな」
「……わかった」
「本当にわかった?」
「……わからない時は考えてみる。考えてもわからない時は黙る。あとさくが気づいたら教えてくれ。……なにか聞かれたことに対しても駄目だったりするのか?」
「一緒」
「俺、嘘とか浮かばない」
「別に嘘吐かなくても、知らないとかさあ、とか適当に言えるだろ」
「…………わかった」
そんな会話をした。だからだろう、今も「知らない」と言い直したのは。おかげで逆に変になにかあるとバレた訳だ。佐紅は微妙な顔で真尋を見た。
真尋はといえば、言われた通りにしたぞといった風にどこか得意げな顔をしている。もちろんそんな表情も佐紅以外はわからないだろうが。
「なんか色々心配」
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佐紅の言葉に、真尋が心配そうに佐紅を見てきた。
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