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1章 幼少編 異世界召喚
18話
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そばにいなくても通信ができるなんて携帯電話みたいだと流輝はまず思った。しかもそれは携帯電話のように媒体を通してでなく、魔法を使うことで脳だか心だかわからないがやりとりができる。
「すげぇ……」
「うん。でも……絆の輪はわずかな魔力で誰でもできる簡単な魔法だってカルナ言ってたよ? これは難しそう……俺らにできるかな」
「やってみなきゃわかんないよルイ。とりあえずゆっくり何度でも読んで、覚える」
「リキが? あんなに勉強嫌いだったのに」
「今でも好きじゃねーけど、魔法だぞ? 全然別だろ」
文章も今ではほぼ読めるようになったとはいえ、さすがに慣れない内容すぎて把握するのに少々手間と時間がかかった。だがいざ使ってみると普通に発動したため、妙な感動を覚える。
『案外できるもんだな』
『もしかしたらリキは魔法の才能があるんじゃない? 俺も絆の輪が使えてるし、魔力が全くないわけじゃなさそうだけど、なんとなく自分で魔法あまり使える気がしないよ』
『そうかなあ。そんなことないだろ。だってこれだってやり取りできてるんだしさ。今も普通に使えてるだろ。声、聞こえにくいとかないだろ?』
『うん……聞こえてる』
この魔法を覚えてから、二人はそれを使って話すことが増えた。基本的にいつも一緒にいるというのに、散歩中でも眠る時でも、魔法を使って話す。中々に便利なのもあるが、元の世界では考えられない力で話すのが面白いからというのが一番の理由だろう。下手をすれば一時間、二時間とこの力で話したりもした。
『そういえばさ、これ使ってる人あまり見ない気がするんだよな。こんなに便利で面白い魔法なのにさ』
『頭? 心かな? の中で話してるようなものだし、使ってても……周りからはわからない、とかじゃない?』
『確かにそっか!』
『……う、ん』
『ルイ? どうかしたのか? 具合悪いとか?』
『……え? あ……、ううん! 悪く、ないよ……ちょっと眠かった、だけ……』
そんなある日、たまたま一緒ではなかったがいつものように通信し合っている時にふと流輝は琉生がどこか気分悪そうな風に感じた。話し方がというよりおそらく絆の輪でつながっているからだろうか、心で感じた。
『ルイ? お前しんどいんじゃないのか?』
『そんなこと、ないよ。大丈夫』
『でも……』
『……あー眠いの、かも。ちょっと部屋で寝よ──』
通信している途中だったが、ふとそれが途切れた。流輝が戸惑っていると少し離れたところから悲鳴が聞こえてくる。まさか、と思いながら慌てて駆けつけると何人かの女性使用人が見守る中、フランが意識を失っている琉生を抱きかかえるところだった。
「ル、ルイ……!」
抱えて立ち上がったフランにすがりつくようにして流輝が見上げると、フランに「とりあえずお二人の部屋のベッドまで運びます。侍医を呼ぶよう言っておりますのですぐにやって来ると思います」と言われた。そのままフランは琉生を運び出す。流輝もフランの邪魔にならないようすぐに離れてついて行った。
まもなくやって来た侍医の話では倒れた原因は魔力切れとのことだった。しかも危険な状態だと言う。
「そ、んな……」
「一応ゆっくり眠れば魔力は回復いたしますが、ルイ様の現状はかなり危険です。応急処置として魔力供給を行わないと……」
「俺がする! そのマリョクキョーキュー? っての、俺が!」
「お待ちください、リキ様。やり方がわからないと難しいかと。すぐに神官か魔術師を呼びますので」
フランはそう言うとキャスに目線を送った。キャスは頷くと部屋を出ていく。だが流輝は安心できない。泣きじゃくりフランにすがった。
「でも、でも間に合わないかもだろっ? 危ないんだろ……? 今すぐにでも……やり方なら速攻で覚えるから! だから……」
「大丈夫です、リキ様。ルイ様なら大丈夫」
動揺する流輝に対し、フランはいつもと変わらない落ち着いた様子で答えてきたように。そのおかげでか、流輝も少し落ち着く。話を聞いてかすぐにやってきたカルナも「大丈夫よ、リキ……ルイは大丈夫。大丈夫」と優しい声であやす言いながら流輝をそっと抱きしめてきた。
キャスが誰かを連れてきたのはその後わりとすぐだった。王宮から連れてきただろうにとても早く感じられた。
「いいからさっさと来いっつってんだろ」
相変わらず流輝や琉生以外にはぞんざいな口の利き方をしているキャスの声が聞こえてくると流輝はさらにもう少し落ち着いてきた。
「もう。私は猛獣みたいなあなたと違って体力がないんですから、もう少し丁寧に優しく……」
「うるせぇ……!」
そんなやり取りが聞こえたかと思うと乱暴にドアが開けられ、キャスともう一人が入ってくる。ほんのりフランと似た髪型ではあるが、グレーっぽいフランの髪色と違ってその人は綺麗な薄いベージュっぽい色をしていた。そしてフランやキャスと似た雰囲気の制服ではあるものの恰好は全然違う。あと、流輝が見てもとても綺麗な顔立ちをしていた。女性だろうか。自分やローザリアの周りにいる騎士や側近たちの中ではエリスしか女性を見たことがなく、またエリスは綺麗は綺麗でもやはり騎士を目指しているだけあって勇ましい印象のため、入ってきた穏やかそうな美人タイプは初めて見るかもしれない。
「魔力供給でしたっけ? 私に頼むとか高くつきますよキャス。あとまさか私にその方とセッ──」
「ばっ、言葉に気をつけろ! そんなんむしろさせられるか! 倒れられたのはルイ様なんだよ!」
どこか飄々とした雰囲気のその人が何か言いかけたのを、キャスは何故か赤くなりながら慌てて止めていた。
「すげぇ……」
「うん。でも……絆の輪はわずかな魔力で誰でもできる簡単な魔法だってカルナ言ってたよ? これは難しそう……俺らにできるかな」
「やってみなきゃわかんないよルイ。とりあえずゆっくり何度でも読んで、覚える」
「リキが? あんなに勉強嫌いだったのに」
「今でも好きじゃねーけど、魔法だぞ? 全然別だろ」
文章も今ではほぼ読めるようになったとはいえ、さすがに慣れない内容すぎて把握するのに少々手間と時間がかかった。だがいざ使ってみると普通に発動したため、妙な感動を覚える。
『案外できるもんだな』
『もしかしたらリキは魔法の才能があるんじゃない? 俺も絆の輪が使えてるし、魔力が全くないわけじゃなさそうだけど、なんとなく自分で魔法あまり使える気がしないよ』
『そうかなあ。そんなことないだろ。だってこれだってやり取りできてるんだしさ。今も普通に使えてるだろ。声、聞こえにくいとかないだろ?』
『うん……聞こえてる』
この魔法を覚えてから、二人はそれを使って話すことが増えた。基本的にいつも一緒にいるというのに、散歩中でも眠る時でも、魔法を使って話す。中々に便利なのもあるが、元の世界では考えられない力で話すのが面白いからというのが一番の理由だろう。下手をすれば一時間、二時間とこの力で話したりもした。
『そういえばさ、これ使ってる人あまり見ない気がするんだよな。こんなに便利で面白い魔法なのにさ』
『頭? 心かな? の中で話してるようなものだし、使ってても……周りからはわからない、とかじゃない?』
『確かにそっか!』
『……う、ん』
『ルイ? どうかしたのか? 具合悪いとか?』
『……え? あ……、ううん! 悪く、ないよ……ちょっと眠かった、だけ……』
そんなある日、たまたま一緒ではなかったがいつものように通信し合っている時にふと流輝は琉生がどこか気分悪そうな風に感じた。話し方がというよりおそらく絆の輪でつながっているからだろうか、心で感じた。
『ルイ? お前しんどいんじゃないのか?』
『そんなこと、ないよ。大丈夫』
『でも……』
『……あー眠いの、かも。ちょっと部屋で寝よ──』
通信している途中だったが、ふとそれが途切れた。流輝が戸惑っていると少し離れたところから悲鳴が聞こえてくる。まさか、と思いながら慌てて駆けつけると何人かの女性使用人が見守る中、フランが意識を失っている琉生を抱きかかえるところだった。
「ル、ルイ……!」
抱えて立ち上がったフランにすがりつくようにして流輝が見上げると、フランに「とりあえずお二人の部屋のベッドまで運びます。侍医を呼ぶよう言っておりますのですぐにやって来ると思います」と言われた。そのままフランは琉生を運び出す。流輝もフランの邪魔にならないようすぐに離れてついて行った。
まもなくやって来た侍医の話では倒れた原因は魔力切れとのことだった。しかも危険な状態だと言う。
「そ、んな……」
「一応ゆっくり眠れば魔力は回復いたしますが、ルイ様の現状はかなり危険です。応急処置として魔力供給を行わないと……」
「俺がする! そのマリョクキョーキュー? っての、俺が!」
「お待ちください、リキ様。やり方がわからないと難しいかと。すぐに神官か魔術師を呼びますので」
フランはそう言うとキャスに目線を送った。キャスは頷くと部屋を出ていく。だが流輝は安心できない。泣きじゃくりフランにすがった。
「でも、でも間に合わないかもだろっ? 危ないんだろ……? 今すぐにでも……やり方なら速攻で覚えるから! だから……」
「大丈夫です、リキ様。ルイ様なら大丈夫」
動揺する流輝に対し、フランはいつもと変わらない落ち着いた様子で答えてきたように。そのおかげでか、流輝も少し落ち着く。話を聞いてかすぐにやってきたカルナも「大丈夫よ、リキ……ルイは大丈夫。大丈夫」と優しい声であやす言いながら流輝をそっと抱きしめてきた。
キャスが誰かを連れてきたのはその後わりとすぐだった。王宮から連れてきただろうにとても早く感じられた。
「いいからさっさと来いっつってんだろ」
相変わらず流輝や琉生以外にはぞんざいな口の利き方をしているキャスの声が聞こえてくると流輝はさらにもう少し落ち着いてきた。
「もう。私は猛獣みたいなあなたと違って体力がないんですから、もう少し丁寧に優しく……」
「うるせぇ……!」
そんなやり取りが聞こえたかと思うと乱暴にドアが開けられ、キャスともう一人が入ってくる。ほんのりフランと似た髪型ではあるが、グレーっぽいフランの髪色と違ってその人は綺麗な薄いベージュっぽい色をしていた。そしてフランやキャスと似た雰囲気の制服ではあるものの恰好は全然違う。あと、流輝が見てもとても綺麗な顔立ちをしていた。女性だろうか。自分やローザリアの周りにいる騎士や側近たちの中ではエリスしか女性を見たことがなく、またエリスは綺麗は綺麗でもやはり騎士を目指しているだけあって勇ましい印象のため、入ってきた穏やかそうな美人タイプは初めて見るかもしれない。
「魔力供給でしたっけ? 私に頼むとか高くつきますよキャス。あとまさか私にその方とセッ──」
「ばっ、言葉に気をつけろ! そんなんむしろさせられるか! 倒れられたのはルイ様なんだよ!」
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