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3章 騎士編 光の救世主
88話
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風呂でさっぱりとし、軽く腹に何か入れてようやく人心地がついたところで流輝は琉生の部屋へまず向かった。そしてローザリアが言っていた報告云々について話し、とりあえず一緒にローザリアの元へ向かおうとしていたところにローザリアのほうからやって来てくれた。
ちなみに琉生の部屋に行った時は開口一番「ローザリアとはどうだったの?」だったので思わず小学生だった頃に学校かどこかで耳にしていたフレーズ、「ブルータス、お前もか」と言いたくなった。キャスに引き続き何なのだと思う。
「どうもこうもないし。俺とお前のこと、心配してた」
「それだけ?」
「他に何があるってんだ」
「はぁ……」
「いや、何でそこでため息なんだよ!」
ローザリアのほうが来てくれたと報告を受けると流輝と琉生はとりあえず流輝の部屋に続く応接間に案内してもらうよう、人払いとともに告げた。念のため魔法で結界も張っておく。
「で、報告した内容で俺らにも言っておきたいことって?」
メイドの一人が茶を運び終えて部屋から出ていってから流輝はさっそく聞いた。
「魔族が潜んでるかもしれないと言われてるヴァルドレストの森あるでしょう?」
「ああ」
「そこを特に監視しているのとは別に、光の神殿付近にも実はこっそり監視を置いてるの。陛下の命で」
「こっそり? ニューラウラ王国だけで他の国は森と違って監視してないってことか?」
「ええ。ヴァルドレスト付近は協力しあって監視しているけど、光の神殿は神聖な場所だし、そもそも光の魔法の力で魔獣どころか魔族も近寄らないはずだと普通は思うしね。だから昔からあの付近はむしろ監視は置いてなかったの元々」
「なるほど」
二人がそろって頷くと、ローザリアが少しだけおかしそうに笑ってきた。だがすぐに真顔になると続けてきた。
「そこを監視している者からの報告を受けて。最近やたらモールザ王国の兵士らしき者が神殿付近をうろついているらしいと」
「……そいつらはこちらと同じく監視しているやつ、ってわけではないんだな?」
「ええ、そう。動きがどうも怪しいらしいし。その報告を受けて陛下に伝える前に、モールザ王国のことを改めて調べさせたの」
四国連合としてそれぞれの国が親交を結んでいるとはいえ、他国は他国だ。ニューラウラ王国に限らず、どこの国もおそらくはそれぞれインテリジェンス、要は諜報員がいると思われる。
「そうしたらモールザ王国では最近やたら兵士を集めているという情報が入ったのね。戦争もないこのご時世に」
「神殿もそれも、何か動きが怪しいね」
「それを陛下に報告してたの。直接あなたたちに関わることかどうかも定かじゃないんだけども、神殿付近でよく見かけるってことは無関係じゃないかもしれないし」
「一応聞いておくけど、それらの話は俺らが聞いてもよかった内容?」
「ええ。陛下にも許可を得てる」
ローザリアの話は確かに気にかけておいたほうがいいような内容だった。ただでさえ流輝の勝手な印象ではあるが、モールザ王にはあまりいい印象を抱いていないこともあり、何か企んでいるのではと思えてしまう。
とはいえ、では何を企むというのかと誰かに聞かれても明確な答えはない。今の状態では「神殿付近でよく見かけられる」「自国でも兵士を集めっている」だけなので何かに結びつくような決定的な情報がない。
「そういえば以前にさ、陛下に聞いたことあるけど、俺らをどの国が保護するかって話を俺らが召喚された時にしたらしいんだよな」
ふと思い出して流輝が言えば琉生とローザリアが頷いてきた。
「私も聞いたことあるよ」
「なら話は早い。救世主って確か王族と同等に扱われるんだろ。じゃあ衣食住の保証だけじゃなく手間も金もかかるわけだ。責任も負わなきゃだし。普通なら協力はしたいが預かるのはちょっと、ってなりそうじゃねえ? 別に預かったからって大々的に祭り上げられるわけでもねーしさ」
むしろ王族や召喚時に同席していた一部の貴族たち以外には秘密にしなければならない。ネームバリューで経済効果などを期待することもできない。負担しかないはずだ。
「あのギラついたモールザの王様がさ、率先して保護したいなんて普通に考えたら言わなさそうじゃね?」
だが当時、モールザ王国は率先して名乗り出たらしい。結局は話し合い、代表である上に召喚も行ったニューラウラ王国が保護することとなったが。
流輝の話に、琉生とローザリアはまた「確かに」と頷いてきた。
「ギラついたあの王様のせいでどうしても思い込みもあるのかもだけど、こうなったらどうにもあの国、何か怪しいって思ってしまうよな」
「俺も兄さんと同じ意見だな。それに今回のことには関係ないだろうし城ってのはどうしても秘密めいた部分があるかもしれない、けどね。モールザの城内は少々妙な空白が多すぎる気もしてたし」
「あーそれな」
以前二人で見た内容を反映させながらモールザ王国の宮殿の地図を作ったことがある。もちろん軍事的に役立てるためではなく、単なる遊びなので本格的なものでもないが、それでも不可解な部分が地図上にかなり発生したのを覚えている。
「どういう意味?」
「後で見せるよ。説明しながら」
流輝の言葉にローザリアがまた頷いた。
「とにかく、決定的な何かがあるわけじゃねーし、だから何って感じかもだけど、モールザ王国に対しては警戒しておいたほうがいいかもだな」
「ええ。陛下も立場上そこまでは言ってなかったけど、多分そうお考えだったんだと思う」
ちなみに琉生の部屋に行った時は開口一番「ローザリアとはどうだったの?」だったので思わず小学生だった頃に学校かどこかで耳にしていたフレーズ、「ブルータス、お前もか」と言いたくなった。キャスに引き続き何なのだと思う。
「どうもこうもないし。俺とお前のこと、心配してた」
「それだけ?」
「他に何があるってんだ」
「はぁ……」
「いや、何でそこでため息なんだよ!」
ローザリアのほうが来てくれたと報告を受けると流輝と琉生はとりあえず流輝の部屋に続く応接間に案内してもらうよう、人払いとともに告げた。念のため魔法で結界も張っておく。
「で、報告した内容で俺らにも言っておきたいことって?」
メイドの一人が茶を運び終えて部屋から出ていってから流輝はさっそく聞いた。
「魔族が潜んでるかもしれないと言われてるヴァルドレストの森あるでしょう?」
「ああ」
「そこを特に監視しているのとは別に、光の神殿付近にも実はこっそり監視を置いてるの。陛下の命で」
「こっそり? ニューラウラ王国だけで他の国は森と違って監視してないってことか?」
「ええ。ヴァルドレスト付近は協力しあって監視しているけど、光の神殿は神聖な場所だし、そもそも光の魔法の力で魔獣どころか魔族も近寄らないはずだと普通は思うしね。だから昔からあの付近はむしろ監視は置いてなかったの元々」
「なるほど」
二人がそろって頷くと、ローザリアが少しだけおかしそうに笑ってきた。だがすぐに真顔になると続けてきた。
「そこを監視している者からの報告を受けて。最近やたらモールザ王国の兵士らしき者が神殿付近をうろついているらしいと」
「……そいつらはこちらと同じく監視しているやつ、ってわけではないんだな?」
「ええ、そう。動きがどうも怪しいらしいし。その報告を受けて陛下に伝える前に、モールザ王国のことを改めて調べさせたの」
四国連合としてそれぞれの国が親交を結んでいるとはいえ、他国は他国だ。ニューラウラ王国に限らず、どこの国もおそらくはそれぞれインテリジェンス、要は諜報員がいると思われる。
「そうしたらモールザ王国では最近やたら兵士を集めているという情報が入ったのね。戦争もないこのご時世に」
「神殿もそれも、何か動きが怪しいね」
「それを陛下に報告してたの。直接あなたたちに関わることかどうかも定かじゃないんだけども、神殿付近でよく見かけるってことは無関係じゃないかもしれないし」
「一応聞いておくけど、それらの話は俺らが聞いてもよかった内容?」
「ええ。陛下にも許可を得てる」
ローザリアの話は確かに気にかけておいたほうがいいような内容だった。ただでさえ流輝の勝手な印象ではあるが、モールザ王にはあまりいい印象を抱いていないこともあり、何か企んでいるのではと思えてしまう。
とはいえ、では何を企むというのかと誰かに聞かれても明確な答えはない。今の状態では「神殿付近でよく見かけられる」「自国でも兵士を集めっている」だけなので何かに結びつくような決定的な情報がない。
「そういえば以前にさ、陛下に聞いたことあるけど、俺らをどの国が保護するかって話を俺らが召喚された時にしたらしいんだよな」
ふと思い出して流輝が言えば琉生とローザリアが頷いてきた。
「私も聞いたことあるよ」
「なら話は早い。救世主って確か王族と同等に扱われるんだろ。じゃあ衣食住の保証だけじゃなく手間も金もかかるわけだ。責任も負わなきゃだし。普通なら協力はしたいが預かるのはちょっと、ってなりそうじゃねえ? 別に預かったからって大々的に祭り上げられるわけでもねーしさ」
むしろ王族や召喚時に同席していた一部の貴族たち以外には秘密にしなければならない。ネームバリューで経済効果などを期待することもできない。負担しかないはずだ。
「あのギラついたモールザの王様がさ、率先して保護したいなんて普通に考えたら言わなさそうじゃね?」
だが当時、モールザ王国は率先して名乗り出たらしい。結局は話し合い、代表である上に召喚も行ったニューラウラ王国が保護することとなったが。
流輝の話に、琉生とローザリアはまた「確かに」と頷いてきた。
「ギラついたあの王様のせいでどうしても思い込みもあるのかもだけど、こうなったらどうにもあの国、何か怪しいって思ってしまうよな」
「俺も兄さんと同じ意見だな。それに今回のことには関係ないだろうし城ってのはどうしても秘密めいた部分があるかもしれない、けどね。モールザの城内は少々妙な空白が多すぎる気もしてたし」
「あーそれな」
以前二人で見た内容を反映させながらモールザ王国の宮殿の地図を作ったことがある。もちろん軍事的に役立てるためではなく、単なる遊びなので本格的なものでもないが、それでも不可解な部分が地図上にかなり発生したのを覚えている。
「どういう意味?」
「後で見せるよ。説明しながら」
流輝の言葉にローザリアがまた頷いた。
「とにかく、決定的な何かがあるわけじゃねーし、だから何って感じかもだけど、モールザ王国に対しては警戒しておいたほうがいいかもだな」
「ええ。陛下も立場上そこまでは言ってなかったけど、多分そうお考えだったんだと思う」
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