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45話 ※
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レッドとしてはこの行動の半分以上が苛立ちと腹立たしさから成っていた。
どうして俺の可愛いご主人は頭はとてつもなくいいはずなのにちょくちょくこうも馬鹿なのだろう。
そう思った後に気づく。そう、違った。半分以上苛立ちと腹立たしさで成っていると思ったが呆れもかなりあった。半分以上ではなく、ほとんどと言っても差し支えないかもしれない。
むしろそういった負の感情に占められていたからこそ出来たのだろう。普段なら決して王子を押し倒そうなどとほんの一瞬たりとも考えない。時折自己対応内で楽しむ以外では妄想でもすることなどなかった。言い方を変えれば、時折はおかずにさせてもらってはいたが、決して表立って出すことのない行動や感情のはずだった。
やってしまった後一瞬冷静になったが、ウィルフレッドはひたすら混乱しているようで、まだ怒りなどは消えていないもののそれは少し可愛いなと思う。だがあまり把握出来ていないままのくせに、あろうことかウィルフレッドはむしろ積極的に乗り気になってきた。本当に初めてなのだろうかとかなり疑問に思えたが、ウィルフレッドのことならレッドは今日ベッドから出る際にどちらの足が先に地に着いたかさえ把握している。ちなみに今朝と一昨日は右だが昨日は左だった。そんななので、今まで経験がないのは本当だとはレッドも分かっている。それにしてはあまりにも余裕というか、ウィルフレッドの手慣れた様子に戸惑う。
だが、本当に初めてだとはウィルフレッドの尻穴に触れた際に結構実感出来たし、実際レッドのものを挿入した際に完全に確信出来た。
いくら押し倒した際はほぼ負の感情だったとはいえ、大切な相手だけに傷つけることのないよう丁寧に解したつもりではある。むしろ丁寧過ぎてウィルフレッドに「いい加減にしろ」とさえ言われた。挿入する時は多分楽だろうしと後ろからゆっくりと入れたのだが、それでもウィルフレッドが痛みを必死になって堪えているのは間違いなかった。途中から冷静にはなっていたが、ここでようやく本気で「駄目だ、自分は何をやっているのか」と心底思った。
「王子……申し訳ありませんでした……、抜きます」
「馬鹿者が……! こ、こで止めるとか、貴様さてはヘタレか……」
「は?」
「意気地無しか、と……言って、いる」
「しかし、あなたが……」
「うる、さい! クソ……初めてはこんなに痛かったのか……? おかしい……」
「王子?」
今の言い方に妙な気がしていると「何でもない」と後ろを振り返るようにして睨んできた。申し訳ないながらに、この体勢からの目に涙を浮かべながらの好戦的な視線はくるものがある。
「貴、様……何でかく、している……」
「申し訳ありません……」
「い、い。とりあえず、動け」
「しかし……」
「命令だ」
「……知りませんよ。そうなったら俺、もう止めろと言われても止められませんからね」
「か、まわん」
では、とレッドは腰を動かしていく。あまり激しくならないようにと、むしろ覆い被さるようにしてなるべくゆっくり動かしたが、そうなると自分がウィルフレッドの全てを包み込めるほどの体格差を実感し、行為が行為だけにある意味逆効果だったようだ。
「まだ、でかくなる、のか……っ?」
「申し訳、ありません……」
ウィルフレッドからはくぐもったうめき声が動きに合わせて漏れてくる。要は内臓を突き上げているのだから圧迫され、生理的に出る声だろう。おまけにレッドはあの悪夢のような何人かとの行為以来、誰ともしていない。ましてや男となどしたことがない。きっと拙い動きしか出来ずにただウィルフレッドを苦しませているに違いない。
「王子……」
「ふ……、ふ」
ふーっ、ふーっとウィルフレッドが息を吐く様は何故か猫のように思えた。
「辛い、ですか」
「いいから、そのまま続、けろ」
腹立たしくて忌々しくて呆れてやってしまった行為だが、これでは途中からまるでウィルフレッドが主導権を握っているかのようだ。だがとても苦しげで、そしていたいけに見える。
ああ、とレッドは胸が焦げ付きそうな気持ちになった。ウィルフレッドの中が想像以上に気持ちがいいだけでなく、ひたすら愛しくて愛しくて堪らない。中に入ったままウィルフレッドの体を後ろからひょいと持ち上げた。簡単に持ち上がる体を抱え込む。そのまま背後から抱きしめるようにして行為を続けた。腕を回した先にある、ウィルフレッドの小さな胸の突起に爪が擦れると、吐息が聞こえた。愛しくてレッドは背後からウィルフレッドの耳裏に何度も口づける。するとウィルフレッドは頭を少し仰け反らせ、レッドに顔を擦り寄せてきた。
先ほどよりは深く入っていないのもあってか、ウィルフレッドも少しずつ慣れてきたようだ。足の間から男の証がそそり立っているのが見えた。腰を動かしながらそれにそっと触れると、切なそうな声が聞こえた。
「王子……気持ちよく、なれてきましたか?」
少し掠れながらも聞けば、ウィルフレッドは意地を張るのを忘れてか、こういう時は素直なのか、同じく掠れた声で肯定してくる。それがまた可愛くて、下から突き上げる勢いを強めた。その度に中がうねるように締め付けてくる。
次第に艶のある声を漏らしてきたウィルフレッドは、その内耐えきれなくなったといった風に体を震わし、射精した。その勢いで中からさらに締め付けられ、レッドも抜く暇もなく、堪らず出してしまった。
どうして俺の可愛いご主人は頭はとてつもなくいいはずなのにちょくちょくこうも馬鹿なのだろう。
そう思った後に気づく。そう、違った。半分以上苛立ちと腹立たしさで成っていると思ったが呆れもかなりあった。半分以上ではなく、ほとんどと言っても差し支えないかもしれない。
むしろそういった負の感情に占められていたからこそ出来たのだろう。普段なら決して王子を押し倒そうなどとほんの一瞬たりとも考えない。時折自己対応内で楽しむ以外では妄想でもすることなどなかった。言い方を変えれば、時折はおかずにさせてもらってはいたが、決して表立って出すことのない行動や感情のはずだった。
やってしまった後一瞬冷静になったが、ウィルフレッドはひたすら混乱しているようで、まだ怒りなどは消えていないもののそれは少し可愛いなと思う。だがあまり把握出来ていないままのくせに、あろうことかウィルフレッドはむしろ積極的に乗り気になってきた。本当に初めてなのだろうかとかなり疑問に思えたが、ウィルフレッドのことならレッドは今日ベッドから出る際にどちらの足が先に地に着いたかさえ把握している。ちなみに今朝と一昨日は右だが昨日は左だった。そんななので、今まで経験がないのは本当だとはレッドも分かっている。それにしてはあまりにも余裕というか、ウィルフレッドの手慣れた様子に戸惑う。
だが、本当に初めてだとはウィルフレッドの尻穴に触れた際に結構実感出来たし、実際レッドのものを挿入した際に完全に確信出来た。
いくら押し倒した際はほぼ負の感情だったとはいえ、大切な相手だけに傷つけることのないよう丁寧に解したつもりではある。むしろ丁寧過ぎてウィルフレッドに「いい加減にしろ」とさえ言われた。挿入する時は多分楽だろうしと後ろからゆっくりと入れたのだが、それでもウィルフレッドが痛みを必死になって堪えているのは間違いなかった。途中から冷静にはなっていたが、ここでようやく本気で「駄目だ、自分は何をやっているのか」と心底思った。
「王子……申し訳ありませんでした……、抜きます」
「馬鹿者が……! こ、こで止めるとか、貴様さてはヘタレか……」
「は?」
「意気地無しか、と……言って、いる」
「しかし、あなたが……」
「うる、さい! クソ……初めてはこんなに痛かったのか……? おかしい……」
「王子?」
今の言い方に妙な気がしていると「何でもない」と後ろを振り返るようにして睨んできた。申し訳ないながらに、この体勢からの目に涙を浮かべながらの好戦的な視線はくるものがある。
「貴、様……何でかく、している……」
「申し訳ありません……」
「い、い。とりあえず、動け」
「しかし……」
「命令だ」
「……知りませんよ。そうなったら俺、もう止めろと言われても止められませんからね」
「か、まわん」
では、とレッドは腰を動かしていく。あまり激しくならないようにと、むしろ覆い被さるようにしてなるべくゆっくり動かしたが、そうなると自分がウィルフレッドの全てを包み込めるほどの体格差を実感し、行為が行為だけにある意味逆効果だったようだ。
「まだ、でかくなる、のか……っ?」
「申し訳、ありません……」
ウィルフレッドからはくぐもったうめき声が動きに合わせて漏れてくる。要は内臓を突き上げているのだから圧迫され、生理的に出る声だろう。おまけにレッドはあの悪夢のような何人かとの行為以来、誰ともしていない。ましてや男となどしたことがない。きっと拙い動きしか出来ずにただウィルフレッドを苦しませているに違いない。
「王子……」
「ふ……、ふ」
ふーっ、ふーっとウィルフレッドが息を吐く様は何故か猫のように思えた。
「辛い、ですか」
「いいから、そのまま続、けろ」
腹立たしくて忌々しくて呆れてやってしまった行為だが、これでは途中からまるでウィルフレッドが主導権を握っているかのようだ。だがとても苦しげで、そしていたいけに見える。
ああ、とレッドは胸が焦げ付きそうな気持ちになった。ウィルフレッドの中が想像以上に気持ちがいいだけでなく、ひたすら愛しくて愛しくて堪らない。中に入ったままウィルフレッドの体を後ろからひょいと持ち上げた。簡単に持ち上がる体を抱え込む。そのまま背後から抱きしめるようにして行為を続けた。腕を回した先にある、ウィルフレッドの小さな胸の突起に爪が擦れると、吐息が聞こえた。愛しくてレッドは背後からウィルフレッドの耳裏に何度も口づける。するとウィルフレッドは頭を少し仰け反らせ、レッドに顔を擦り寄せてきた。
先ほどよりは深く入っていないのもあってか、ウィルフレッドも少しずつ慣れてきたようだ。足の間から男の証がそそり立っているのが見えた。腰を動かしながらそれにそっと触れると、切なそうな声が聞こえた。
「王子……気持ちよく、なれてきましたか?」
少し掠れながらも聞けば、ウィルフレッドは意地を張るのを忘れてか、こういう時は素直なのか、同じく掠れた声で肯定してくる。それがまた可愛くて、下から突き上げる勢いを強めた。その度に中がうねるように締め付けてくる。
次第に艶のある声を漏らしてきたウィルフレッドは、その内耐えきれなくなったといった風に体を震わし、射精した。その勢いで中からさらに締め付けられ、レッドも抜く暇もなく、堪らず出してしまった。
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