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6話 ※
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ふと目が覚めると外から鳥の鳴く声が聞こえ朝方だとわかった。隣を見ると広くないベッドだというのに瑞希が眠っている。
正直周はこの状況が今でも現実なのか夢なのかわからなかった。瑞希の顔はとても周好みで微笑まれると絆されぼうっとしてしまう。でも男なのだ。そして性格も優しいと思いきやどこかとても怖い。ストーカーの気もする。
上げられていた腕は降ろしてくれたが今もまだネクタイで縛られたままで、多分後で痣になっているかちゃんと動かせないような気がする。
しかもそんな人に自分は……と周は顔をそむけた。
記憶は途中からとぎれとぎれになっている。それでもさんざん尻の穴を瑞希の指に犯されローションで何度もトロトロにされ、そして挙句の果てにアレを挿れられた。それはぼんやりはっきりしない記憶でも間違いない。
薄れゆく意識ですらますます怖くて痛くて。なのに何度も何度もされて。最後には疲労だけでなくあろうことか気持ちよさで完全に意識を失ったのもなんとなく覚えていた。
どうしたら良いのかわからなかった。とりあえず辛い。なのに眠っている瑞希の顔はやはりとても綺麗で。
と、瑞希の瞼がピクリと動いた。そしてそれがゆっくりと開く。
「ぁ……」
「……ん、おはよ、周……」
「え、あ、は、はい、おはようございま……っじゃないです。あの、一体この状況は、その、本当にどういう事なんで、しょうか」
ようやく、ちゃんととは言えないが聞けたような気がする。あれだけ散々甚振られてようやく。
「ん? どういう、って?」
「な、何故あなたは俺の名前知ってて家知っててそしてここにいて、俺はあなたにお、犯され……たんで、す……」
途中からとてつもなく言い辛くなり、声がどんどん小さくなっていった。そんな周を瑞希は起き上がってギュッと抱きしめてくる。
「ちょ……」
「可愛いなあ、本当に。俺が君を知っているのはそりゃあ当然君に興味があったからだけど。そして君がお店に来なくなったから来ただけだよ? そして愛し合っていたら抱き合うのはおかしい事じゃないだろう?」
やはり怖い。なんていうか色々怖い。
それに……「愛し合って」……?
「お、おかしいです色々、おかし……ちょ!」
「起きたら可愛い君の姿があるって幸せだね」
寝起きでいて、どこか退廃的であり儚げな美しさを醸し出している瑞希は優しく囁きつつ裸のままの周の腰を持ちあげながらうつ伏せにしてきた。手が相変わらず縛られたままなのと体はまだあちこち痛いので抵抗する事ができない。とんでもなく恥ずかしく情けない恰好にされ、周は涙目になった。
「なんで、こんな恰好……見ないで、くださ……」
枕に顔を押しつけながら言うも、突き上げられた尻にまた瑞希の手が触れてくる。
「照れているの? 可愛いね……。ん、俺の出したのまだ残ってる。ごめんね、中に残したまま俺、眠っちゃって。出してあげようと思ったんだ。でも……」
中に何が、と聞こうとして周はだが思い当たり口を閉じた。顔が熱くなる。
ていうか、でも、何……?
周が息をひそめて瑞希の次の言葉を待っているのがわかるのか、わざと暫く間を開けた後でうつ伏せの周の背後から耳元で囁いてきた。
「また欲しくなった」
「っな……」
無理だという前にローションをまたつけられソレは入ってきた。散々受け入れ過ぎたのか、痛いはずがあまりにスムーズに、だがそれでも狭いので周の襞をぎゅうっと押しのけるようにどんどん侵入してくる。
「っぁ、あっ、あ、ひ……っ」
中が熱い。そして苦しいのにもどかしい。濡れるはずのないそこは、確かにまだ瑞希のものが残っていたのだろう、ローションをたいして足さずとも恥ずかしい程に水音を響かせてきた。
うつ伏せのまま尻だけをつきあげさせられ、突かれながらペニスを扱かれている周は、もう枯れて出ないくらいだと思っていたというのにまた先から薄い何かが出るのを感じた。
そして尻が痙攣した後で一気に力が抜ける。そこにさらに激しく突かれ、周は声すらももう出ないままひたすら目の前の枕を噛みしめていた。
その後ようやくネクタイを外してくれた。案の定痣のように色が変わっている。しかも痺れて思うように手を動かせなかった。
「本当にごめんね。お詫びに体を綺麗に洗ってあげるね」
いらない、と否定したかった。だけれどももう否定する元気どころか気力もなく、周はされるがまま運ばれ風呂場で瑞希に体を洗われた。また変な事をされたらどうしようと思ったが、瑞希はニコニコとしたまま丁寧に洗ってくれただけだった。
その後キッチンへ行くとゆっくり椅子に座らせてくれた。周はただ大人しく従う。どのみちまだ体も腕も、そして尻も痛くて動きたくなかった。
「エスプレッソマシンは流石にないね。あ、ねぇ。コーヒーとエスプレッソてどう違うか知ってる?」
瑞希は昨日からの出来事なんてまるで何もなかったかのように爽やかな様子で朝食を作り始めながら優しく周に聞いてきた。周はそんな瑞希をぼんやりと見ながらただ、首だけを振る。
「エスプレッソもまあコーヒーなんだけどね、専用のマシンを使って気圧かけて抽出したのがエスプレッソ式で、この家に置いてあるこれ、フィルターを使って抽出するのが皆がコーヒーて言ってるドリップ式だよ」
冷蔵庫に辛うじてあったレタスを洗い、手でちぎった後で、先にセットしていたコーヒーマシンから既に落ちていっているコーヒーを指しながら瑞希は教えてくれる。
「ドリップ式と違って圧力をかけて急速に抽出する方法だからね、量が多いと出来上がるまでに時間がかかり過ぎてえぐ味や雑味が強くなっちゃうんだ。だからエスプレッソって量が少ないんだよ」
そして卵をかき混ぜてフライパンで焼く。
「エスプレッソって『急行』の意味なんだけどね、抽出するのに数十秒しかかからないし。でももうひとつ、『特別な』という意味もあるんだ。エスプレッソは注文が入ってから、その人のためだけの“特別な一杯”を抽出するんだよ……」
焼けたふわふわとしたスクランブルエッグとパン、しかし野菜はレタスだけしかなかったのに盛り付け方が良いのかとても美味しそうなプレートを周の前に差し出してきた。
そして抽出を終えたコーヒーのグラスポットを取り出し、見つけてきたコーヒーカップではなくマグカップに先に何かを入れてからコーヒー、そして既に小さな鍋で温めていたミルクをかき混ぜて軽く泡立てさせたものを入れた。
ほんのり懐かしい香りがする。甘い、キャラメルの香り。
「エスプレッソじゃないから味は違うけど君に、特別な一杯を」
どうやら先に入れていたのはキャラメルシロップらしい。そして最後に上にキャラメルソースをかけてからマグカップを周の前に置いてきた。
「……キャラメル……」
「うん。君に飲んでもらいたくてね、一応持ってきていたから」
その笑顔に周は見とれた。それから甘い香りのそれを飲む。
「……美味しい、です」
今もまだ怖いのに、でも淹れてくれたキャラメルラテもどきはとても甘くて美味しかった。
正直周はこの状況が今でも現実なのか夢なのかわからなかった。瑞希の顔はとても周好みで微笑まれると絆されぼうっとしてしまう。でも男なのだ。そして性格も優しいと思いきやどこかとても怖い。ストーカーの気もする。
上げられていた腕は降ろしてくれたが今もまだネクタイで縛られたままで、多分後で痣になっているかちゃんと動かせないような気がする。
しかもそんな人に自分は……と周は顔をそむけた。
記憶は途中からとぎれとぎれになっている。それでもさんざん尻の穴を瑞希の指に犯されローションで何度もトロトロにされ、そして挙句の果てにアレを挿れられた。それはぼんやりはっきりしない記憶でも間違いない。
薄れゆく意識ですらますます怖くて痛くて。なのに何度も何度もされて。最後には疲労だけでなくあろうことか気持ちよさで完全に意識を失ったのもなんとなく覚えていた。
どうしたら良いのかわからなかった。とりあえず辛い。なのに眠っている瑞希の顔はやはりとても綺麗で。
と、瑞希の瞼がピクリと動いた。そしてそれがゆっくりと開く。
「ぁ……」
「……ん、おはよ、周……」
「え、あ、は、はい、おはようございま……っじゃないです。あの、一体この状況は、その、本当にどういう事なんで、しょうか」
ようやく、ちゃんととは言えないが聞けたような気がする。あれだけ散々甚振られてようやく。
「ん? どういう、って?」
「な、何故あなたは俺の名前知ってて家知っててそしてここにいて、俺はあなたにお、犯され……たんで、す……」
途中からとてつもなく言い辛くなり、声がどんどん小さくなっていった。そんな周を瑞希は起き上がってギュッと抱きしめてくる。
「ちょ……」
「可愛いなあ、本当に。俺が君を知っているのはそりゃあ当然君に興味があったからだけど。そして君がお店に来なくなったから来ただけだよ? そして愛し合っていたら抱き合うのはおかしい事じゃないだろう?」
やはり怖い。なんていうか色々怖い。
それに……「愛し合って」……?
「お、おかしいです色々、おかし……ちょ!」
「起きたら可愛い君の姿があるって幸せだね」
寝起きでいて、どこか退廃的であり儚げな美しさを醸し出している瑞希は優しく囁きつつ裸のままの周の腰を持ちあげながらうつ伏せにしてきた。手が相変わらず縛られたままなのと体はまだあちこち痛いので抵抗する事ができない。とんでもなく恥ずかしく情けない恰好にされ、周は涙目になった。
「なんで、こんな恰好……見ないで、くださ……」
枕に顔を押しつけながら言うも、突き上げられた尻にまた瑞希の手が触れてくる。
「照れているの? 可愛いね……。ん、俺の出したのまだ残ってる。ごめんね、中に残したまま俺、眠っちゃって。出してあげようと思ったんだ。でも……」
中に何が、と聞こうとして周はだが思い当たり口を閉じた。顔が熱くなる。
ていうか、でも、何……?
周が息をひそめて瑞希の次の言葉を待っているのがわかるのか、わざと暫く間を開けた後でうつ伏せの周の背後から耳元で囁いてきた。
「また欲しくなった」
「っな……」
無理だという前にローションをまたつけられソレは入ってきた。散々受け入れ過ぎたのか、痛いはずがあまりにスムーズに、だがそれでも狭いので周の襞をぎゅうっと押しのけるようにどんどん侵入してくる。
「っぁ、あっ、あ、ひ……っ」
中が熱い。そして苦しいのにもどかしい。濡れるはずのないそこは、確かにまだ瑞希のものが残っていたのだろう、ローションをたいして足さずとも恥ずかしい程に水音を響かせてきた。
うつ伏せのまま尻だけをつきあげさせられ、突かれながらペニスを扱かれている周は、もう枯れて出ないくらいだと思っていたというのにまた先から薄い何かが出るのを感じた。
そして尻が痙攣した後で一気に力が抜ける。そこにさらに激しく突かれ、周は声すらももう出ないままひたすら目の前の枕を噛みしめていた。
その後ようやくネクタイを外してくれた。案の定痣のように色が変わっている。しかも痺れて思うように手を動かせなかった。
「本当にごめんね。お詫びに体を綺麗に洗ってあげるね」
いらない、と否定したかった。だけれどももう否定する元気どころか気力もなく、周はされるがまま運ばれ風呂場で瑞希に体を洗われた。また変な事をされたらどうしようと思ったが、瑞希はニコニコとしたまま丁寧に洗ってくれただけだった。
その後キッチンへ行くとゆっくり椅子に座らせてくれた。周はただ大人しく従う。どのみちまだ体も腕も、そして尻も痛くて動きたくなかった。
「エスプレッソマシンは流石にないね。あ、ねぇ。コーヒーとエスプレッソてどう違うか知ってる?」
瑞希は昨日からの出来事なんてまるで何もなかったかのように爽やかな様子で朝食を作り始めながら優しく周に聞いてきた。周はそんな瑞希をぼんやりと見ながらただ、首だけを振る。
「エスプレッソもまあコーヒーなんだけどね、専用のマシンを使って気圧かけて抽出したのがエスプレッソ式で、この家に置いてあるこれ、フィルターを使って抽出するのが皆がコーヒーて言ってるドリップ式だよ」
冷蔵庫に辛うじてあったレタスを洗い、手でちぎった後で、先にセットしていたコーヒーマシンから既に落ちていっているコーヒーを指しながら瑞希は教えてくれる。
「ドリップ式と違って圧力をかけて急速に抽出する方法だからね、量が多いと出来上がるまでに時間がかかり過ぎてえぐ味や雑味が強くなっちゃうんだ。だからエスプレッソって量が少ないんだよ」
そして卵をかき混ぜてフライパンで焼く。
「エスプレッソって『急行』の意味なんだけどね、抽出するのに数十秒しかかからないし。でももうひとつ、『特別な』という意味もあるんだ。エスプレッソは注文が入ってから、その人のためだけの“特別な一杯”を抽出するんだよ……」
焼けたふわふわとしたスクランブルエッグとパン、しかし野菜はレタスだけしかなかったのに盛り付け方が良いのかとても美味しそうなプレートを周の前に差し出してきた。
そして抽出を終えたコーヒーのグラスポットを取り出し、見つけてきたコーヒーカップではなくマグカップに先に何かを入れてからコーヒー、そして既に小さな鍋で温めていたミルクをかき混ぜて軽く泡立てさせたものを入れた。
ほんのり懐かしい香りがする。甘い、キャラメルの香り。
「エスプレッソじゃないから味は違うけど君に、特別な一杯を」
どうやら先に入れていたのはキャラメルシロップらしい。そして最後に上にキャラメルソースをかけてからマグカップを周の前に置いてきた。
「……キャラメル……」
「うん。君に飲んでもらいたくてね、一応持ってきていたから」
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