キャラメルラテと店員

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12話 ※

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「何を……何するんです……」

 怯えたように周が呟くも、瑞希は相変わらず柔らかい笑みを浮かべてそんな周にキスをしてくるだけだ。だがその手がつ、と周の上半身を這っていき、周はブルリと体を震わせる。

「ぅん、んふっ」

「……感じやすい周をもっと可愛がってあげるね」

 周の唇から自分の唇を離すと、瑞希は大きく開かれた周の脚の間に入ってきた。そして屈むように膝を立てて座ると周の既に大きくなっているペニスの裏筋に舌を這わせてくる。

「ぁ、あっんんんっ」

 声が抑えられず周は顔を赤らめた。いつもは誰もいないとはいえ自宅だからか無意識に声を抑えていたのかもしれない。しかもここの雰囲気と今の自分のあり得ない状況のせいだろうか、周はいつも以上に感じている自分に気付いた。
 そしてぺニスを弄ばれながらも瑞希の指がローションで濡らされた上で後ろの中に挿ってくるとますますビクビクと体を震わせる。怖い筈なのに感じてしまう自分が嫌だと思った。

 なんで俺は男の人相手にまるで女の子みたいに感じてるんだろう……。

 そんな風に思い、情けなさと恥ずかしさで顔がとてつもなく熱くなる。
顔や体を隠したいし瑞希から逃れたいのに手も足も拘束されていて全然動かせなかった。

「されるがままの周、可愛い。そうそう、もっと気持ち良い事、してあげようね」

 そんな周の気持ちを知ってか知らずか、瑞希は楽しそうに言うと先程見せてくれた何やら棒状のもの、いやどう見てもペニスを象ったようにしか見えない形のものにコンドームを被せてきた。

「店員さ、ん……それ、何する、んです……?」

 まさか、そんな。違う。違う。

 信じたくない為にひたすら心の中で否定しながら周が必死になって瑞希を見るとさらにニッコリと微笑まれた。そしてカチリと何かのスイッチを入れるような音が聞こえた。
 途端、周の目の前でそれは人工的な音を小さく出しながらグラインドするように動き出す。その動きがあからさまに卑猥であり、周は怖いのも忘れて真っ赤になりながら見てしまった。

「初めて見た? そうだよね、周はまだ何も知らないバージンだったものね?」

 その言い方止めて欲しい。

 そう思いつつも周は固まっていた。瑞希のモノですらちゃんと見た事がない。だから下に入るかどうかの大きさがどうとかはわからない。それよりも何よりもそんな無機質で硬そうで、なのに妙な動きをしているものをまさか自分の尻の穴に入れるつもりなんだろうかと思うと怖くてまた震えた。

「や……だ、いや、だ……。店員さ、ん……お願……怖い、です、入れないで……嫌です、怖い……い、や……」

 必死になってお願いしようとするも怖くてちゃんと喋れない。そんな周を瑞希は切なそうな顔で見てきた。お願いを聞いてくれるんだろうかと周は一縷の望みにすがったが、違った。

「そんな風にお願いしてくる周が可愛くて戸惑ってしまうよ……。でも大丈夫、怖くなんてないから。むしろもっと、て思うよ、君は」

 ニッコリと微笑むと瑞希は一旦道具のスイッチを切る。そしてポロポロ涙を落して首を振っている周に優しくキスをすると先程慣らされていた後ろにゆっくりとそれを挿入してきた。

「っぅ、ふ、ぅうっ」

 力を入れたらきっと入らないに違いない。涙をこぼしつつもそう思った周はなんとか下に力を入れようとする。だけれども拘束されて強いられている体勢のせいだけでなく、瑞希が与えてくるキスや手での刺激のせいでそれはままならなかった。

「ほら、周のここ、俺のじゃないのを飲み込んでるよ。いやらしいね、周のここは」

「ぅう、や……だ、っ苦し、や……」

「苦しい? ごめんね……じゃあ気持ちよくなれるようにしてあげる」

 瑞希に言われ、周はハッとなって体を捩り抵抗しようとした。だがそんな程度で抜ける訳もなく、それは籠ったような音を立てて周の中で動き出した。

「っひ!ぃあああ、やぁぁっ、やだ、嫌だっ、ひ、んっ、んんんああっ」

 それは人の動きと違って容赦なく動いてくる。周がどう嫌がろうが逃げようとしようが動こうが、ひたすら構わず動いてきた。そして中で周の襞を蹂躙し前立腺をさんざんに刺激してくる。

「ああああっ、ひ、ぁああっ、嫌、いやだっ、あああひっ」

 そして全くペニスに触れられてもいないのに、堪らず周は射精した。だが勢いよく出したにも関わらず相変わらず非情な程に中を蠢く無機質な物体に、周は嫌悪感を抱きつつもおかしくなりそうな程の快楽に侵され泣きじゃくる。
 瑞希はそんな周を見て、機械を止めてくれるどころか唇に優しくキスをした後で敏感になっている乳首やペニスの先、裏などをそっと刺激してきた。

「い、やあああっ、うぅっあ、っあっあ、店、い……さっ、お願、お願い、も、やめ……っひっん」

 激しい快楽から逃れようと必死なせいで上に拘束されている手が痛い。

「辛そうだね、周。気持ち良いのに辛いの、大変だろうね……。俺も君が俺のじゃないのでイくのを見てるのは切ないよ……」

 またそっとキスをした後で瑞希は周の目を見ながら囁いてきた。だったら何故止めてくれないんだと周はおかしくなりそうな頭の中で思う。

 店員さんは俺の事が嫌いなんだろうか。抱きついたから? 女性と間違えたから? だから優しくしながらもこうして俺に怖い思いをさせてくるの?
 お願いだから止めて。なんでもする。なんだってするから。耐えられない。こんなのは耐えられない。

 声に出せないのでなんとか目で訴えようとした。痛みは無い。暴力だって受けてない。それでも与えられる快楽が強すぎて耐えがたい苦痛が周を苛んだ。

「俺と居る時に、親友の事なんて考えちゃだめだよ」

 瑞希はそんな周の目を見てゆっくりと言ってきた。

 考えて……? いや、考えてなんて……。
 ああ、考えた。考えたけれども、違う。だって違う。言えないな、て。朔にはこんな事、言えないなって……。

 喘ぐ声すら出す力もない周は、それでも溢れてくる涙をぽとぽと、と落とした。

「ごめ……なさ……、考えま、せん……っぁ……ひ……。っん、考え、んんっ、ません、からぁっあ、ひぃ」

 もう何度イっているのかもわからない。ペニスからはもう、ほとんど何も出ない。なのに暴力的と言ってもいい程に襲ってくる快楽に体が痙攣する。

「ん、いい子だね」

 瑞希はニッコリと微笑むとようやく機械のスイッチを止めてくれた。

「っは……ひ……」

 まるで電気ショックを絶えず受けていたのが急に止んだような気になり、周は放心した。ゆっくりとそれが中から抜かれても周は身じろぎすらできなかった。

「周の中、ぱっくり開いてる。扇情的だね」

 だがそう言われてようやくハッとなった。手足を拘束され、ペニスや穴が瑞希に丸見えの状態で座らされている自分に意識がいく。

「は……ずし、て……くださ、い……」

「いいよ。外してあげる。その代わり俺をちゃんと名前で呼んで欲しいな……」

「……え?」

 名前……?

 そういえば、と周は気付いた。あのカフェで出会った時からずっと周は心の中で「店員さん」と呼んでいた。名札で名前は知っていたものの、心の中ですら名前でなんて呼べる筈もなく、ずっと「店員さん」だった。だからこうして話すどころかこんな事をされるような関係になっている今でも無意識に「店員さん」と呼んでいたようである。
 でも別にそれで差し支えないのではと思いつつも瑞希は微笑みながら周を見ているだけでベルトを外してくれない。

「……こ、う坂、さん……?」
「名前」
「……ぅ。み、瑞希さん……」
「さん、いらないかな……?」

 呼び捨て? 呼び捨てですか?
 あなたに憧れ、恋い焦がれた挙句に犯罪めいた事までした結果男だとわかり、しかもとても優しいのに怖くて散々な目に合わせてくるあなたを、呼び捨て?

 到底呼べそうにない。呼んだ瞬間殺されそうな気すらする。
 だが黙っていると「言えないのかなぁ……」と言いながらも手と足のベルトを外してくれた。ホッとしているとそのままドロドロだというのに周を抱き上げてきた。

「あ、あの……よ、汚れます……よ?」

「構わないよ。俺にとっては名前を呼んでくれない方が辛いね」

 そんな事を言いつつ瑞希は周を抱いたまま今度はベッドに移動してきた。一体何を、と青くなっているとまだ先程の行為で動けない周の両手足にまた、ベッドについているベルトを装着させてくる。

「……い……や……、何、す……」

 また涙目になって震えている周を愛おしそうに見ると、瑞希は枕を周の腰の下に敷き、そのまま自分の前を寛げさせると一気に刺し貫いてきた。

「っひぎ、っぁ、あああっ、はっんぅ、や……ぁああっあっあっひ」

 先程の辛さ程ではないのだが、もう射精などできる筈もなく周は首を振る。なのに中を満たしてくるのが今度は熱い瑞希のモノのせいか、怖さよりも快楽が優先してくる。そしてすぐに痙攣するような絶頂がやってきた。

「名前、呼べる、よね……」
「っぁは、はっ、ぁあ、ん、ぅっ、み、みずっ、ぁあ、瑞希、も、だ……っ、みず、きぃっ」

 そして狂おしい程の快楽に飲まれつつ、今まで人の名前をそんなに連呼した事などないというほど、周はひたすら叫ぶように口にしていた。
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