ホンモノの恋

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45話(終)※

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 ヤバい、ヤバいヤバいヤバい無理。

 恵が達するところまで堪能しつつも聖恒は内心ずっと思っていた。

 めぐちゃんかわいすぎ、エロすぎ、無理。何でほんとこの人を手放せたの、今まで付き合ってた女。何でほんとこの人とつき合いたいと思わなかったの他の男。

「きよ、悪い」

 ぐるぐると頭の中で悶々としていると名前を呼ばれ、視線を恵に戻す。達したばかりの恵の様子を見て、だがまた興奮してしまう。

「わ、悪いって、何が?」
「俺がするとか言いつつさせちゃって、しかも先に……」
「な、何言ってんのめぐちゃん。俺がしたかったんだし、最高にエロいめぐちゃん見られて、俺しばらくおかず困らない気がする」
「何言っ……」

 恵は笑いかけたが、すぐにポカンとした顔で聖恒を見てきた。

「どーしたの、めぐちゃん」
「いや、きよがどうしたんだ」
「何で」
「だって何でローション増やして……それにそんなとこ濡らし……?」

 実際、聖恒は新たにローションを、今度は蟻の戸渡り辺りから尻のほうまでたっぷり濡らすように垂らしていた。

「だって、濡らさないと」
「何で……」

 恵は心底わからないといった様子で聖恒を見ている。最後までするつもりはなかったってことだろうかと考えてみるが、どのみちいまさら聖恒は止められそうにない。

「だって解さないと」

 囁くように言うと、聖恒は恵の後ろ辺りをクニクニとマッサージするように触れた。

「は……? え? ちょ、え?」

 恵がおかしなほど動揺している。

「そんなに動揺されるとちょっとショック。でもごめんね、めぐちゃん。俺、止めるつもりないから。最後までするから」
「っえっ? あ、いや、最後まで……って、え、あの、何で、俺、尻……」

 一体どうしたのだろうと思いつつも、興奮状態が冷めやらない聖恒は構わずゆっくり、つぷりと中指を恵の中へ埋めていく。

「……ん、ぁ? え? な、んで? あの、きよ……?」

 指をそんなところへ入れられて動揺するのはわかるが、それにしても様子が変だ。

「……めぐちゃん?」
「いや、確かに試しに自分の穴に指を入れてみたりは、ぅ……、したけど、え? でも、それは君に負担をなるべくかけないよう、どんなものか、は……っ、く……、知る、ためってこと、で……」

 時折苦しそうにしながら恵が混乱したように口にする言葉に、「自分で入れてみたのっ?」と変に興奮しつつもようやく聖恒の中で意味が理解できた。

「ひょっとして、めぐちゃん俺に入れたかったの?」
「は? え、いや、入れたいって言うか、うん、そりゃしたいって思って……ぁっく、……ん? 待て……それって……もしかし、て……きよ……っんぅ、君、俺に……入れる気、なの、か……?」

 言葉の合間に漏れてくる苦しそうな、切なそうな吐息が気になったが、聖恒は意識を言葉の方へ何とか戻す。

「入れる気、しかなかったよ……」

 聖恒が言うと、恵が目に見えて驚愕しているのがわかった。

「嫌だった……? めぐちゃん入れたい……?」

 できれば聖恒としては自分が入れたい。だが強要したくなかったし、最悪セックスを恵と堪能できればよし、ではある。

 ……正直入れられるの、怖いけど……でもめぐちゃんだって入れる気だったんだったら怖いよな……。

 そんなことを考えていると、じっと聖恒の顔を見ていた恵が「……わかった」と呟いてきた。

「え?」
「きよが、入れたら……いい」
「で、でもめぐちゃんも……」
「俺はきよがしたい方でいい。そのほうが俺も嬉しいし、未だに君としちゃ駄目だって思ってる俺もいて、そっちの方が安心かもしれないって言ってる、多分」
「……、……え?」

 何言って、と聖恒が怪訝な顔を恵へ向けると、恵が手を伸ばして聖恒の頬に添えてきた。そしてとても綺麗な顔で微笑んでくる。

「いいんだ。きよ、君が欲しい。入れてくれ」

 何てこと言うんだこの人……!

 聖恒の頭に血が昇るのを感じた。

「めぐちゃん……めぐちゃん……」

 それでも中を傷つけないよう、注意を払って指で解していく。調べはしたが、どれくらい解せばいいのかわからなくて、ただひたすらローションを足しては指で中の襞をさすったり出し入れしたりを繰り返した。
 指が三本とも飲み込めるようになった頃には恵がぐったりとした様子で「これ……いつまでやる……?」と聞いてきた。

「だ、だってめぐちゃんがなるべくキツくないように!」
「でも今、違う意味でキツい……」
「えっ」

 思わず指を入れたまま身を乗り出すと、恵が途端に目を少し見開き、思わずといった風に「っぁあっ」と声を漏らしてきた。

「っ? めぐちゃん?」
「……ま、待て。今のは……」
「っもしかして、ここ?」

 ドキドキしながら今偶然掠めた辺りを刺激させると、恵が蕩けるような表情を見せてきた。薄暗くてもそういった表情を聖恒は逃さず全部見ている。そしてもっと見たくて堪らないと思っていた。

「く、そ……」

 羞恥を堪えているのか、快楽を堪えているのか、どこか屈辱を感じてさえいるような表情にそして心臓が跳ねる。

「ごめん、めぐちゃん。俺……、っ入れる、ね」
「っわかっ、た……」

 入れたらいいと言ってくれた恵はそんな表情をしながらも抵抗することなく頷いてくる。あまりに愛しくておかしくなりそうだと思った。

「は、ぁっ」

 散々慣らしたし、コンドームをつけてなるべくつらくないようにとゆっくり入れたにも関わらず、恵は苦しそうだった。だが申し訳ないことに、その苦しそうな顔にすら煽られた。

「こんなに……めぐちゃんの中って熱くて狭いんだ、ね……、俺、すぐイっちゃうかも……」
「いい……イってくれて、いい……きよ……好きだよ……」

 聖恒のものを受け入れる苦しさだけでなく、少々キツイ体勢だろうに恵は微笑み、手を広げて抱きしめようとしてくれた。

「俺も。俺も大好き……こんなに好きになったことなんてない……! こんなに本当に大好きだって思ったことなんてない……、っぁ、っく、好き。は……、好きだよ、そんでスゲー気持ちいい。ごめんね、気持ちよくないよな? 痛い? 苦しい? ごめんね……でも止まんない、好き……っ」

 自分でも途中から何を言っているのかわからなくなってきた。涙さえ出そうなくらい、感極まっていた気がする。まるで童貞のように、聖恒は夢中になって恵の中を、そして恵自身を貪っていた。達した後に恵のを手でイかせながらも暫く抜くことすらできなかった。恵は息を乱しながらも、そんな聖恒を優しく抱きしめてきた。
 窓を開けているだけで涼しかったはずが、いつの間にか二人とも汗まみれになっていた。それが鬱陶しいどころかまた煽情的に思えてしまい、したばかりだというのに聖恒は興奮を抑えるのに必死になっていると「もう一回くらいなら、していいから……」と囁かれ、恵の体を気遣うどころか情けないことにその言葉に甘えた。
 だが夢中になるあまり、コンドームをつけ替えることすら忘れて抜くことなくそのまま始めてしまい、途中からはコンドームが抜けてそのまま中に出すということまでしてしまった。

「……俺、童貞だったのかもしんない」

 清掃時間以外ずっと入浴可能な温泉に浸かり、聖恒は申し訳なさを全面に出してまた再度謝り、呟いた。

「もういいよ」
「……めぐちゃん、お尻とか中、大丈夫……?」

 そっと聞くと苦笑していた恵が少し顔を赤らめながら「聞くな」と言ってきた。

「でも誰もいないし二人っきりだし」
「そういう問題じゃないし、いつ誰が入ってきてもおかしくない。あと、うん……痛いしだるいけど大丈夫だから」
「痛いしだるいのにっ?」
「そんな悲壮な顔しなくても。むしろ何もないほうがおかしいだろ、慣れてるわけじゃないのに」
「そりゃそうだけど……」
「……きよ。俺、君として、よかったとちゃんと思ってるよ。後悔なんてないし、ただでさえ本当に大好きだったのが、もっと堪らなく好きになった」

 ぶくぶくと口元を湯に埋めていると穏やかな顔で恵が笑いかけてきた。

「めぐちゃん……! 俺も! 俺もだよ……もうね、一生大事にするから! 将来は俺と結婚して」
「いやそれは普通に無理だろ」

 感極まって熱烈な愛を伝えようとしたらむしろ素に戻られた。

「え、そこは俺もって返してくれるとこじゃねーのっ?」
「あと、本当に好きだから、次するのはやっぱりきよが高校卒業してからな」
「はっ? いやいや待って! それに期間伸びてる……! 十八歳じゃなくて卒業してからに伸びてる! 俺が恐れてた状況過ぎて絶対に嫌だからねっ?」
「きよ、ちょっと煩い……」

 確かに大きな声になっていたかもとハッとなり、口を閉じようとしたら恵に引き寄せられ、キスされた。

「めぐちゃ……」
「まあ、俺も我慢できたらの話になるけど。それに、カラオケだってきよとなら挑戦してみてもいいかもしれない」

 そして恵が悪戯っぽく微笑んできた。今度は聖恒が「……カラオケ……?」とポカンとしたが、その後に満面の笑みを浮かべてお湯をはね飛ばしながら恵に抱きついた。
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