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13話
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午後の授業は集中できなかったが、仕方ないことだと高典は思う。というか自分としては仕方ないが、その原因を作ってきた周太は仕方なくない。
そうだよ、あいつのせいで。
昼休みにされたことをつい思い出してしまい咄嗟に俯いて手で顔を覆っていると、気づいてきた教師に「平向。眠いか具合悪いか何かか」と言われて慌てて顔を上げた。
これはさすがに祐理には言えない。いつも八つ当たりで「お前があいつ連れてきたから俺はストーカーされる羽目に」とか「お前があんなの紹介したせいで好きだのなんだの言われ」とか「挙句付き合っていることにすらなって」とか言っていた。だがさすがに「とうとうフェラまでされたんだぞ」と言えば、本気でヤバいやつだとわかっていないせいでいつもはわりと流してきた祐理もさすがに罪悪感に駆られてしまうかもしれない。実際祐理が悪いとはこれっぽっちも思っていない高典としてはそれは望むところではない。どのみちいくら美形イケメンだろうが男にフェラチオされた挙句気持ちよくて射精したという事実を友人にさらりと口にできるほど高典の心は鋼でもない。
だいたいイくなよ俺の息子……お前堪え性なさすぎだぞ。俺はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ。
元々自慰もたまにするくらいなのもあり、もしかしたら刺激に対応できなさすぎたのだろうか。もう少し普段から構ってあげて鍛えるべきなのだろうか。
というか、自分で抜いてたら鍛えられるもんなのか……?
そんな話は特に聞かない。誰かに聞いてみるべきだろうか。だが普段周りが下ネタなどで盛り上がっていても、高典はどちらかと言えば適当に流すことが多い。苦手ではないし楽しい時もあるが、基本的に人とそういう話をして楽しむタイプではないからなのだが、そんな高典が突然「自分で扱いてたら快楽に強くなる?」とか「射精しにくくなる?」とか聞けば唖然とされそうな気がする。もしくは唖然としなくても「何かシモの悩みでも抱えてんのか」と言われる可能性も低くない。今なら下手すれば周太との関連性まで疑われかねない。
おいおい、だいたい俺は何でそっちに発想がいってるんだよ? これじゃあまた次があるみたいじゃないか。もしまたされても今度こそ簡単にイかないため、みたいじゃないか。違うだろ……次はないんだよ馬鹿。
そしてまた頭を抱え、教師に「平向。落ち着け。眠いなら先生がひっきりなしに当てて目を覚まさしてやるぞ。もしくは具合が悪いなら保健室に行きなさい」と言われてしまった。
放課後、とりあえず考え事を一旦止めて高典は学校から寮へと無事到着するための気合を入れた。昼休みはなし崩しというかされた後も気まずさよりはショックや憤りなどのほうが強かったのもあり、周太ともひたすら文句などではあるが面と向かって口を利いていた。だが一旦授業を挟むと忌々しさや憤り以上に気まずさが上回っている。もちろん恋人でもなんでもない変態ストーカー相手にドキドキきゅんきゅんとした緊張感を持っているのではなく、ある意味ドキドキはするがおののきつつ避け倒したい上での、妙な顔の合わせづらさというのだろうか。
ちんこ咥えられて平然といられるほど俺は達観してない。
祐理にも挨拶そこそこでダッシュして教室を出、靴箱で靴を履き替えているところでしかし「お疲れ様です」とにこやかな周太に声をかけられた。途端に緊張と気づまりと気まずさと呆れと怖さとが一気に押し寄せてきてむしろ力が抜け、その場にへたり込んだ。
「高典先輩? どうしたんですか? 具合悪いんですか? 俺、おぶりましょうか?」
「……お前、いくら二年より下の階だからって何でもうそこにいんの……?」
高典は授業が終わると同時に立ち上がり、教師も少し唖然としている中ダッシュしたはずだった。そこから靴を履き替えるまでの間、もう大丈夫だろうなどと一切手は抜いていない。
「もしかして超能力でも使えんの?」
「あはは。俺より高典先輩のほうがよっぽど妄想上手そうですね」
「別に妄想してるんじゃないから。それくらい不可解ってこと! もういっそお前の生態がわからん」
「俺のこと知りたいですか? もう完全に恋ですよね」
「激しく違う。頼むからさ、ほんと俺につきまとわないで。頼むから」
「高典先輩の照れがすごいのはわかりましたが……」
「全然わかってないからね?」
「それにできるだけあなたのお願いはお聞きしたいですが、聞けないこともあると言いましたよね。今回も無理です、ごめんなさい」
「殊勝そうに謝ってるけどその実全然殊勝じゃないよなお前」
靴を履き終え、隙ありかなとそのまま走って逃げようとしたがままならず、むしろ手を握られてしまった。
「あの、離して」
「俺と付き合ってるのはもう皆公認のことですから照れなくていいですよ」
「だから照れじゃねーから……! というかお前さあ……よく俺のもの咥えておきながら平気な様子で俺に顔見せてくんのな」
「え? 俺、嬉しそうではないですか? 平気じゃないですよ。嬉しさ隠せない顔になってると思ってましたけど」
「そっち? いや、……うん、ああ、お前にそういう気まずさ感じろとかさ、そういうの求めた俺が間違ってたな、うん……」
「また一つ俺のこと理解してくれて嬉しいです」
「変態だって認識強めただけだから! あとほんと手、離して」
そうだよ、あいつのせいで。
昼休みにされたことをつい思い出してしまい咄嗟に俯いて手で顔を覆っていると、気づいてきた教師に「平向。眠いか具合悪いか何かか」と言われて慌てて顔を上げた。
これはさすがに祐理には言えない。いつも八つ当たりで「お前があいつ連れてきたから俺はストーカーされる羽目に」とか「お前があんなの紹介したせいで好きだのなんだの言われ」とか「挙句付き合っていることにすらなって」とか言っていた。だがさすがに「とうとうフェラまでされたんだぞ」と言えば、本気でヤバいやつだとわかっていないせいでいつもはわりと流してきた祐理もさすがに罪悪感に駆られてしまうかもしれない。実際祐理が悪いとはこれっぽっちも思っていない高典としてはそれは望むところではない。どのみちいくら美形イケメンだろうが男にフェラチオされた挙句気持ちよくて射精したという事実を友人にさらりと口にできるほど高典の心は鋼でもない。
だいたいイくなよ俺の息子……お前堪え性なさすぎだぞ。俺はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ。
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というか、自分で抜いてたら鍛えられるもんなのか……?
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そしてまた頭を抱え、教師に「平向。落ち着け。眠いなら先生がひっきりなしに当てて目を覚まさしてやるぞ。もしくは具合が悪いなら保健室に行きなさい」と言われてしまった。
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「あの、離して」
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「え? 俺、嬉しそうではないですか? 平気じゃないですよ。嬉しさ隠せない顔になってると思ってましたけど」
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