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Infinity編
7話 ※
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「は? 何……? 化粧水?」
ローションと言われ、意味のわからない寛人は怪訝な顔を貫士へ向けた。
「……ぶは。お前もしかして本気で馬鹿なの」
「んだと」
「何で俺がてめーのちんこ扱いた後に化粧水寄越せとか言うんだよ、バァカ、まじバーカ、腹いてーわ」
実際苦しげに笑う貫士の忌々しさに、とりあえず殴ろうとするとサッと避けられた。
「生意気にも俺をグーパンで殴ろうとしてんじゃねぇよ。ローションなしで犯すぞこのやろ」
「お前が──」
お前が本気で鬱陶しくてムカつくからだと言いかけて気づいた。
ローションってそういう意味かよ……っ?
「あ?」
貫士は言いかけて唖然としている寛人を、手を拭いながらだるそうに見てくる。
「おま……お前、ホモなの?」
色々言いたいことがありすぎてむしろ言葉にならなかった。挙げ句、出てきたのがこれだ。
「は?」
「は、じゃねぇよ! 俺はどう見ても男だろうが!」
「そりゃそうだわな。つか、お前が女装しても似合わねぇだろ」
くくっとまた馬鹿にしたように笑ってくる貫士の胸ぐらを寛人はつかんだ。
「笑ってんじゃねぇ。からかうのもいい加減にしろよ」
「あ? そんなに女装馬鹿にされたのムカついてんの? してぇの? 女装」
「そっちじゃねぇよ……! んなわけねぇだろが……! じゃなくて下品な冗談やめろっつってんだよ!」
「あー、犯すっつー話か?」
「そうだ!」
「冗談じゃねーけど?」
「……お前マジでホモなの? いや、でも女とつき合ってたよな……バイってやつか?」
今までツアー中などに仕掛けてきたキスには鬱陶しいと思えど特に違和感を覚えてはいなかった。あれは多分本当に悪のりもしくは仕事の一貫のつもりだったと思われる。ただ確かに貫士なら両刀使いでもあり得そうだ。
とはいえ、今までそういった話は聞いたことなかった。元々男に興味がない葵が男を好きになりつき合うようになったことに影響でもされたのだろうかと、寛人は微妙な顔を貫士へ向けた。
「いちいち、るっせぇなぁ、んなもん何だっていいだろが」
そう言われると確かにそうなのだが。
別にゲイだろうが何だろうがこの業界にいるだけに、寛人も特に偏見はない。だがそれが貫士だというだけで警戒心しか湧かない。
「だいたいホモ? ゲイ? んなクソめんどくせぇのなんか知るかよ。俺が好きっつったら好きだし、ヤりてぇっつったらヤりてぇんだよ。そんだけの話だろが」
この強気自分勝手野郎が……!
苛つきながらそう思うのだが、あまりの自由っぷり、自分本位っぷりに罵倒する言葉も出ない。唖然としていると、貫士がまた寛人を押し倒してきた。
「っ、てめ、やめろっ」
「あぁ? るせぇな……、あー、つかローションねぇんだった。っち。まぁここ、まだ濡れてんな」
はねのけようとしたら避けられ、貫士は寛人の股間に手をやってきた。びくりと一瞬震えた。だが震えてなんてなかったように寛人は貫士を睨みつける。
そんなこと全く気にすることもなく、貫士は自分のものを出した後に寛人の膝裏に手をやると持ち上げてきた。思い切り尻が丸出しになる状態に思わず固まっていると、足の間に貫士のものを差し込んできた。
「足、しっかり閉じてろよ」
待て。いわゆるこれは素股ってやつじゃねえのか……っ? ほんっと何で俺がこんなこと……?
抵抗も忘れて唖然としていると、貫士が動いてきた。その度に寛人のものが当たって擦れる。
「やめろ……」
手で擦られたのとはまた全然違った刺激に、つい声も震えた。
「足、開こうとしてんじゃねぇよ。入れて欲しがりさんか? ビッチか?」
「何でそうなんだよ……っ」
「ちげーなら閉じてろって。それともお前のここはゆるゆるかぁ?」
「言い方……! くそっ、くそ……っ」
腹立たしいながらに思い出したように抵抗したが、やはり逃れられない。結局そのまま、まるで本番をしているかのように動かれ、しかも貫士が達するより先に寛人はまた達してしまった。
展開についていけず、呆然と仰向けのまま寝転がっていると「お前、自分で拭けよ」と言いながらも腹の辺りをティッシュペーパーでごしごし擦られた。触んなとその手を退け、寛人はようやく体を起こし精液を拭う。
「……お前、殺す」
とりあえず拭くとティッシュペーパーを丸めて貫士に思い切り投げつけた。
「萎えたちんこ丸出しで言われてもな」
「マジで殺す……!」
慌てて下着とズボンを履きながら睨みつけるも、貫士は既にどうでもよさそうに先ほどまで寛人が解いていた問題を見ていた。
「おい、もっかい最後の問題やれや」
「はぁっ?」
「最後の。まだ解いてねぇだろが」
「ふざけんなよっ? んなことしといてお前、何……」
「五分な。解けなかったら次の罰ゲームでは変装なしでローション買いに行かせまーす」
この後めちゃくちゃすばやく問題を解いた。
結局ひたすら貫士の言いなりになっていた感じしかない。いいように弄ばれた感じしかない。
貫士が帰った後、玄関に塩を投げつけるようにまいてから思い起こすも寛人はひたすらイライラした。ただ、今日解いた問題に絡む内容に関しては驚くくらい理解していた。それだけは間違いない。とはいえそれを貫士に言うのは股間をいいようにされるよりも尚、腹立つので絶対に言うつもりはない。
ローションと言われ、意味のわからない寛人は怪訝な顔を貫士へ向けた。
「……ぶは。お前もしかして本気で馬鹿なの」
「んだと」
「何で俺がてめーのちんこ扱いた後に化粧水寄越せとか言うんだよ、バァカ、まじバーカ、腹いてーわ」
実際苦しげに笑う貫士の忌々しさに、とりあえず殴ろうとするとサッと避けられた。
「生意気にも俺をグーパンで殴ろうとしてんじゃねぇよ。ローションなしで犯すぞこのやろ」
「お前が──」
お前が本気で鬱陶しくてムカつくからだと言いかけて気づいた。
ローションってそういう意味かよ……っ?
「あ?」
貫士は言いかけて唖然としている寛人を、手を拭いながらだるそうに見てくる。
「おま……お前、ホモなの?」
色々言いたいことがありすぎてむしろ言葉にならなかった。挙げ句、出てきたのがこれだ。
「は?」
「は、じゃねぇよ! 俺はどう見ても男だろうが!」
「そりゃそうだわな。つか、お前が女装しても似合わねぇだろ」
くくっとまた馬鹿にしたように笑ってくる貫士の胸ぐらを寛人はつかんだ。
「笑ってんじゃねぇ。からかうのもいい加減にしろよ」
「あ? そんなに女装馬鹿にされたのムカついてんの? してぇの? 女装」
「そっちじゃねぇよ……! んなわけねぇだろが……! じゃなくて下品な冗談やめろっつってんだよ!」
「あー、犯すっつー話か?」
「そうだ!」
「冗談じゃねーけど?」
「……お前マジでホモなの? いや、でも女とつき合ってたよな……バイってやつか?」
今までツアー中などに仕掛けてきたキスには鬱陶しいと思えど特に違和感を覚えてはいなかった。あれは多分本当に悪のりもしくは仕事の一貫のつもりだったと思われる。ただ確かに貫士なら両刀使いでもあり得そうだ。
とはいえ、今までそういった話は聞いたことなかった。元々男に興味がない葵が男を好きになりつき合うようになったことに影響でもされたのだろうかと、寛人は微妙な顔を貫士へ向けた。
「いちいち、るっせぇなぁ、んなもん何だっていいだろが」
そう言われると確かにそうなのだが。
別にゲイだろうが何だろうがこの業界にいるだけに、寛人も特に偏見はない。だがそれが貫士だというだけで警戒心しか湧かない。
「だいたいホモ? ゲイ? んなクソめんどくせぇのなんか知るかよ。俺が好きっつったら好きだし、ヤりてぇっつったらヤりてぇんだよ。そんだけの話だろが」
この強気自分勝手野郎が……!
苛つきながらそう思うのだが、あまりの自由っぷり、自分本位っぷりに罵倒する言葉も出ない。唖然としていると、貫士がまた寛人を押し倒してきた。
「っ、てめ、やめろっ」
「あぁ? るせぇな……、あー、つかローションねぇんだった。っち。まぁここ、まだ濡れてんな」
はねのけようとしたら避けられ、貫士は寛人の股間に手をやってきた。びくりと一瞬震えた。だが震えてなんてなかったように寛人は貫士を睨みつける。
そんなこと全く気にすることもなく、貫士は自分のものを出した後に寛人の膝裏に手をやると持ち上げてきた。思い切り尻が丸出しになる状態に思わず固まっていると、足の間に貫士のものを差し込んできた。
「足、しっかり閉じてろよ」
待て。いわゆるこれは素股ってやつじゃねえのか……っ? ほんっと何で俺がこんなこと……?
抵抗も忘れて唖然としていると、貫士が動いてきた。その度に寛人のものが当たって擦れる。
「やめろ……」
手で擦られたのとはまた全然違った刺激に、つい声も震えた。
「足、開こうとしてんじゃねぇよ。入れて欲しがりさんか? ビッチか?」
「何でそうなんだよ……っ」
「ちげーなら閉じてろって。それともお前のここはゆるゆるかぁ?」
「言い方……! くそっ、くそ……っ」
腹立たしいながらに思い出したように抵抗したが、やはり逃れられない。結局そのまま、まるで本番をしているかのように動かれ、しかも貫士が達するより先に寛人はまた達してしまった。
展開についていけず、呆然と仰向けのまま寝転がっていると「お前、自分で拭けよ」と言いながらも腹の辺りをティッシュペーパーでごしごし擦られた。触んなとその手を退け、寛人はようやく体を起こし精液を拭う。
「……お前、殺す」
とりあえず拭くとティッシュペーパーを丸めて貫士に思い切り投げつけた。
「萎えたちんこ丸出しで言われてもな」
「マジで殺す……!」
慌てて下着とズボンを履きながら睨みつけるも、貫士は既にどうでもよさそうに先ほどまで寛人が解いていた問題を見ていた。
「おい、もっかい最後の問題やれや」
「はぁっ?」
「最後の。まだ解いてねぇだろが」
「ふざけんなよっ? んなことしといてお前、何……」
「五分な。解けなかったら次の罰ゲームでは変装なしでローション買いに行かせまーす」
この後めちゃくちゃすばやく問題を解いた。
結局ひたすら貫士の言いなりになっていた感じしかない。いいように弄ばれた感じしかない。
貫士が帰った後、玄関に塩を投げつけるようにまいてから思い起こすも寛人はひたすらイライラした。ただ、今日解いた問題に絡む内容に関しては驚くくらい理解していた。それだけは間違いない。とはいえそれを貫士に言うのは股間をいいようにされるよりも尚、腹立つので絶対に言うつもりはない。
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