ドラマのような恋を

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Infinity編

17話 ※

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 あの後動く気になれなかった寛人の体を、貫士自ら拭いてきた時は霊か何かが乗り移ったのかと思えるほど驚いた。だからといって事後に甘い言葉を囁くでもなくすぐに満足したようにそのまま寛人のベッドで寝られた。もちろんそんな囁きなどごめん被りたいが、気持ちよさげに眠っている姿は腹立たしい。
 とはいえ、行為中はそうでもなかったが後から体のあちこちがだるさと痛みに襲われていた寛人も、思うところあっても結局ぐったり眠るしかなかった。
 朝、目覚めた時は何故か枕が貫士の腕に変わっていて、引き寄せられるようにして寝ていた。
 寝ぼけて女と間違って、いや、もしかしたら基希と間違っているのではと思ったとたん、ムカムカしてきて思い切り手で顔を引き離した。すると貫士も目覚めたのか舌打ちが返ってきた。

「舌打ちすんな」
「あぁ? つかもう少しかわいげある起こし方くれーできねーのかよ」
「かわいげ? あってたまるか!」
「おーおー、お前はそういうやつだよ」

 言いながら鼻で笑うと、貫士は何故か寛人を引き寄せてきた。そして唇を貪られた。

「きめーんだよ、離せ」
「はぁ? 裸で何言ってんだ」

 裸はお前がしたんだろうがと憤りを感じつつ思い切り睨むが、もちろん効果ない。
 ふと、少なくとも誰かと間違えていたわけではないのかと思うと何故か何となく落ち着いた気持ちになりそうで謎だと思った。それはさておき、人を抱き枕扱いするなと言いかけた寛人は変な声が出そうになった。貫士の手が、布団の中にある寛人のものに触れてきたからだ。

「触んな……!」
「でもお前の、元気そうで何よりじゃねーか」
「生理的現象だ、仕方ねぇだろ! 朝立ちなんだから便所行くかほっときゃおさまんだよ!」
「どのみちシャワー浴びねぇとだろ。昨日やった後拭いただけだしな。ならもっかいどろどろになってもいーんじゃねぇか」
「ふざけんな」

 抗おうとしたが、布団が足に絡まっただけだった。

「起き抜けの一発は気持ちいいだろが」

 ニヤリと勝ち誇ったような顔をされるのが腹立たしいが、ゆっくり擦られる寛人の緩く勃起していたもの、馬鹿みたいにすぐ完全に硬くなっていく。

「こっちの寛人は素直だな」
「ざけんな、いいから離せ!」
「あ? よくねーよ。俺がしてーんだからよ」

 この自己中が……!

 思い切り貫士のものを蹴り上げたかったが、布団が退けられた代わりにしっかりホールドされてしまっていてままならない。おまけに貫士の手によって、寛人のものはあっという間に高ぶらされていた。
 こうなると、とにかく出したい欲に駆られる。だがここでまた手を離された。

「何で……」
「朝だしなぁ? 濃厚なのよりあっさりが定番だろ」
「何の、話だよ」
「何べんもいってらんねーだろってことだよ。お前、中でいけたんだからよ、どうせなら中でいけや」
「はぁっ?」

 何言ってんだ。

 そう言い返す前に、例のローションを垂らされた。ここでふと、昨日シーツ変えてないままだと思い出した自分に微妙になる。

「昨日の今日だもんな、ここ柔らけーな」

 濡らしながらすぐに貫士は二本の指で穴をぐっと広げてきた。

「ケツの穴のくせにエロいな」

 そのケツの穴のくせにおっ勃てて突っ込んできやがったボケは誰だよ!

 言い返したいが、変な声が出るのはごめんなので唇を噛みしめ、寛人はただ睨んだ。睨んでも全然意味なさないのはわかっている。貫士が寛人の睨みを気にしたことなど皆無だ。だがせめて「受け入れてなどいないし、てめえは死ね」という気持ちを的確に表せる気がしているのでやめる気ない。
 それなら本気で死ぬほど抵抗すればいいのだろうが、これでも怪我だけは望んでいない。とてつもなく嫌な野郎だが、顔は商売道具だし指は何よりも大事だと思う。
 これは自己中の貫士も多分同じで、無理やりなことしているわりに、暴力でねじ伏せるようなことはしてこない。

 俺のこと、嫌いだろうにな。つか、嫌いな野郎相手によく性欲湧くよな。変態かよ。

 どのみち貫士のほうが力の使い方を把握しているようで、思うように身動きすらとれない。

 絶対、油断してる時狙って腹パンしてやるからな……覚えとけよクソ野郎。

 そんなことを考えていると、うつ伏せにされて尻を持ち上げられた。改めて拡げられた中に、貫士のものが入ってきた。やたら熱くて硬いそれを、昨夜受け入れているからとはいえ既に大した痛みもなく飲み込んでいる自分の尻を呪いたい。
 絶対変な声だけは出さないとばかりに、寛人はシーツに噛みついた。体が揺さぶられ、それが中を貫いては引いていく度に表現し難い感覚に溺れそうになる。

「この辺だっけ?」

 楽しげな声がしたかと思うと、中の苦手なところを擦られたようだ。ぞくぞくした堪えがたい痺れが足先まで走る。

「や、めろ」

 絞り出すように何とか言ったが、その後すぐ変な声が漏れそうになり、またシーツを噛みしめた。それでも「う」とも「ん」ともつかないような音が喉から漏れる。
 最初は貫士とは思えないほどゆっくりだった動きが次第に速くなっていく。寛人はくしゃくしゃのシーツにしがみつくのが精一杯になった。

「おい、横向けよ」

 ふざけんな死ね。

「おら、聞いてんのか」

 強引に横を向かされた。シーツが口から離れた代わりに、近くでシーツを握りしめていた自分の手の指を噛んだ。

「は。涙目」

 この野郎……。

 自分がメデューサだったら今すぐこのろくでなしを石に変えられただろうにと思いながら睨みつけた。だが意に介されるどころか寛人の中のものが大きくなるのを感じる。

「な、にデカくして、やがんだよ変態……!」
「るせーな、もっとちゃんと喘げや」
「どう聞いたら喘ぎに聞こえ……っぁ、あっ」

 質量が増えたそれがさらに奥へと入ってきた。

 もう、無理だっての……!

 寛人の目の前がチカチカと瞬いた気がした。
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