152 / 194
第六章
バティル・ハリエ
しおりを挟む
正門に数人通れる程の隙間が出来ると、動きはぴたりと止まる。
そこから内側に控えていた大軍が雪崩れ込んでくる…なんて事はなく、現れたのは一人の男だった。
長い杖にローブ姿。一瞬、冒険ゲームに出てくる大賢者のようだなと思った。但し、纏うそれには豪奢な刺繍が施されているし、髭も無ければ年老いてもいない。
少し遠目で分かる男の容姿は…。浅黒い肌で背は高くて、ローブに隠れて体格は細身。センターで分けている癖のない茶髪を肩下まで伸ばし、鼻梁の通った顔立ちをしている。目の色はよく分からないけれど、かなりの美丈夫だ。
「バティル・ハリエ…!」
ざっと特徴を観察した俺の耳に、感情を押し殺した声が届く。
チラリとザビア将軍を見れば、嫌悪と憤怒がありありと浮かんでいた。気づけば、ボス火竜が男に低く唸っている。俺に対する喉鳴らしとは違う、明らかに敵意と嫌悪が籠ったそれ。肩の魔鳥なんか、ぴったり俺の仮面に体をくっつけてきた。
そうか、こいつが…。
「バ…バティル様!?」
「御自ら、この様な場所に…!!」
ラシャド達が驚愕と動揺と共に、現れた男へ一斉に膝をついた。後方に残っていた兵達も大急ぎで火竜から降り、平伏する。
オンタリオ国宰相、バティル・ハリエは首を垂れた彼らを黙ったまま見下ろした後、ボス火竜に乗っている俺へ視線を向けた。
『…!この感じ…』
門の間に立つバティルからボス火竜の距離は、軽く十メートル以上ある。にも関わらず、奴から突き刺さるような『圧』を感じて、知らず眉を顰めてしまった。
『ふん…。威嚇にもなりゃしねえが、一丁前に眼を飛ばしてきやがったか』
『嫌な魔力してるー。フゥ、あの人間キラーイ!』
ちろりと舌を出しながらベルが不快そうに目を細め、俺の頭の上にいるフゥも凄く嫌そうな声でバティルをディスってる。
って事は、やっぱりこれって『魅了』の攻撃なのか?直ぐに俺から視線を外したバティルは、次いで自分の目の前で首を垂れているラシャド達を見下ろした。
「ラシャド、そして他の者達も顔を上げよ」
「ははっ…!」
声をかけられ、ぎこちなく従うラシャド達をバティルはじっと見つめた。
『あいつの眼…』
遠くて分かりづらかったけど、バティルの目の色が明るくなった…様な…?
「あぁ…我が主よ…」
バティルを見上げていたラシャドから、恍惚とした声が漏れる。奴の部下達からも、次々に感極まった奴を称える言葉が上がり、再び深く首を垂れた。
この光景に、ザビア将軍の顔は「あり得ない」って表情でドン引いていた。確か彼奴らって王宮近衛師団だから、宰相に「主」とか言ってる時点で王族への不敬なんてもんじゃない。
でも、それに対して将軍がドン引きしてるんじゃなくて、奴等の狂信的な態度かな?
…うん、既観感。第二王子ローレンスの取り巻きの態度そのものだ。
つまりラシャド達は分かり易く『魅了』に当てられていて、絶対的忠誠を誓っているのは王族ではなく、目の前のこいつって事になる。
バティルは彼らの反応に満足気だったが、少しだけ意外そうな表情ものぞかせた後、また俺の方へと視線を向けた。するとボス火竜が、また不快そうに牙を剥き出し唸り声を上げる。
『あの男、お前が火竜を使役したのに彼奴らを魅了してなかったのが不思議らしいな』
「ベルが言ったんじゃん。余計な下僕を増やすなって」
半分冗談で呟けば、ベルは鼻で笑う。本当は、ラシャド達を『魅了』するメリットが無かったからしなかった…が正しい。
確かに、火竜より『魅了』の上書きが簡単だったろうし、手駒を増やした方が便利って普通は考えるだろう。
けど、俺たちはオンタリオ王国と戦争をしたい訳じゃない。バティルと裏で糸を引いている輩を捕らえ、グリフォンに掛かった呪いを一刻も早く解きたいだけだ。その為には、不要な挑発はなるべく避けたい。
不可抗力で火竜を使役したけど、送迎の者達にまで手を出したら、更に要らぬ面倒が起こってしまうと考えたのだ。尤も、魔鳥で偵察されていた時点で、怪しい仮面の男が全てを掌握してると思われてたに違いない。
ラシャド達が開門を求めた時、勘違いで攻撃されないか少し心配だったけど、そうならなくて少しほっとした。
国王とコリン王太子がこの企みに無関係ならば、国の代表としてシェンナ姫やザビア将軍と話し合う事もできる。いや、グリフォンの『力』が戻れば、もっと迅速にかたが着く。
『コレを使えば…』
俺はローブの裏に潜ませた、大事な切り札である『謝礼』にそっと触れた。
ちなみに、後方で平伏してるオンタリオの兵士達も俺は魅了してない。そりゃあ、無理矢理操られてるなら吝かでは無かったけど、そもそも『魅了』も『縛り』も掛かってなかったもんな。
『幹部クラスならば『手綱』は必要だが、上に従ってなんぼの雑魚兵には不要ってとこだろ』
ゲイルガとかいうドブネズミを勅使にしたのは、あの程度で事足りると踏んだからだろうよ。と付け加え、ベルはじっとバティルを…正確にはバティルの持っている杖を見つめた
そこから内側に控えていた大軍が雪崩れ込んでくる…なんて事はなく、現れたのは一人の男だった。
長い杖にローブ姿。一瞬、冒険ゲームに出てくる大賢者のようだなと思った。但し、纏うそれには豪奢な刺繍が施されているし、髭も無ければ年老いてもいない。
少し遠目で分かる男の容姿は…。浅黒い肌で背は高くて、ローブに隠れて体格は細身。センターで分けている癖のない茶髪を肩下まで伸ばし、鼻梁の通った顔立ちをしている。目の色はよく分からないけれど、かなりの美丈夫だ。
「バティル・ハリエ…!」
ざっと特徴を観察した俺の耳に、感情を押し殺した声が届く。
チラリとザビア将軍を見れば、嫌悪と憤怒がありありと浮かんでいた。気づけば、ボス火竜が男に低く唸っている。俺に対する喉鳴らしとは違う、明らかに敵意と嫌悪が籠ったそれ。肩の魔鳥なんか、ぴったり俺の仮面に体をくっつけてきた。
そうか、こいつが…。
「バ…バティル様!?」
「御自ら、この様な場所に…!!」
ラシャド達が驚愕と動揺と共に、現れた男へ一斉に膝をついた。後方に残っていた兵達も大急ぎで火竜から降り、平伏する。
オンタリオ国宰相、バティル・ハリエは首を垂れた彼らを黙ったまま見下ろした後、ボス火竜に乗っている俺へ視線を向けた。
『…!この感じ…』
門の間に立つバティルからボス火竜の距離は、軽く十メートル以上ある。にも関わらず、奴から突き刺さるような『圧』を感じて、知らず眉を顰めてしまった。
『ふん…。威嚇にもなりゃしねえが、一丁前に眼を飛ばしてきやがったか』
『嫌な魔力してるー。フゥ、あの人間キラーイ!』
ちろりと舌を出しながらベルが不快そうに目を細め、俺の頭の上にいるフゥも凄く嫌そうな声でバティルをディスってる。
って事は、やっぱりこれって『魅了』の攻撃なのか?直ぐに俺から視線を外したバティルは、次いで自分の目の前で首を垂れているラシャド達を見下ろした。
「ラシャド、そして他の者達も顔を上げよ」
「ははっ…!」
声をかけられ、ぎこちなく従うラシャド達をバティルはじっと見つめた。
『あいつの眼…』
遠くて分かりづらかったけど、バティルの目の色が明るくなった…様な…?
「あぁ…我が主よ…」
バティルを見上げていたラシャドから、恍惚とした声が漏れる。奴の部下達からも、次々に感極まった奴を称える言葉が上がり、再び深く首を垂れた。
この光景に、ザビア将軍の顔は「あり得ない」って表情でドン引いていた。確か彼奴らって王宮近衛師団だから、宰相に「主」とか言ってる時点で王族への不敬なんてもんじゃない。
でも、それに対して将軍がドン引きしてるんじゃなくて、奴等の狂信的な態度かな?
…うん、既観感。第二王子ローレンスの取り巻きの態度そのものだ。
つまりラシャド達は分かり易く『魅了』に当てられていて、絶対的忠誠を誓っているのは王族ではなく、目の前のこいつって事になる。
バティルは彼らの反応に満足気だったが、少しだけ意外そうな表情ものぞかせた後、また俺の方へと視線を向けた。するとボス火竜が、また不快そうに牙を剥き出し唸り声を上げる。
『あの男、お前が火竜を使役したのに彼奴らを魅了してなかったのが不思議らしいな』
「ベルが言ったんじゃん。余計な下僕を増やすなって」
半分冗談で呟けば、ベルは鼻で笑う。本当は、ラシャド達を『魅了』するメリットが無かったからしなかった…が正しい。
確かに、火竜より『魅了』の上書きが簡単だったろうし、手駒を増やした方が便利って普通は考えるだろう。
けど、俺たちはオンタリオ王国と戦争をしたい訳じゃない。バティルと裏で糸を引いている輩を捕らえ、グリフォンに掛かった呪いを一刻も早く解きたいだけだ。その為には、不要な挑発はなるべく避けたい。
不可抗力で火竜を使役したけど、送迎の者達にまで手を出したら、更に要らぬ面倒が起こってしまうと考えたのだ。尤も、魔鳥で偵察されていた時点で、怪しい仮面の男が全てを掌握してると思われてたに違いない。
ラシャド達が開門を求めた時、勘違いで攻撃されないか少し心配だったけど、そうならなくて少しほっとした。
国王とコリン王太子がこの企みに無関係ならば、国の代表としてシェンナ姫やザビア将軍と話し合う事もできる。いや、グリフォンの『力』が戻れば、もっと迅速にかたが着く。
『コレを使えば…』
俺はローブの裏に潜ませた、大事な切り札である『謝礼』にそっと触れた。
ちなみに、後方で平伏してるオンタリオの兵士達も俺は魅了してない。そりゃあ、無理矢理操られてるなら吝かでは無かったけど、そもそも『魅了』も『縛り』も掛かってなかったもんな。
『幹部クラスならば『手綱』は必要だが、上に従ってなんぼの雑魚兵には不要ってとこだろ』
ゲイルガとかいうドブネズミを勅使にしたのは、あの程度で事足りると踏んだからだろうよ。と付け加え、ベルはじっとバティルを…正確にはバティルの持っている杖を見つめた
5
あなたにおすすめの小説
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる