悪夢なら覚めれば良いのに

野良猫

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高校二年生の頃

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高校二年生に留年せずに無事上がり、段々と学校の授業にもついていけなくなってきました。

しかし、演劇部の先輩にきちんと授業も受け、赤点を取らないようにと口酸っぱく言われていました。

高校演劇コンクールで披露した演目は、先輩の用意した台本で、主役の子は小学生の頃の一番仲の良かったNちゃんでした。

一年生の途中から、その子に変化がありました。

これは演者には稀にあるようで、Nちゃんは演技をしていくうちに、役に入り込み過ぎてしまった為に、心を病んでいきました。

彼女は過眠症を発症させ、約束の時間に来れない事が増えてきました。

そして親には心配かけたくないからというNちゃんの希望で、その子の付き添いで専門医を当たったところ、保護者が居ないと診察できないと門前払いを受けました。

その頃には私にも少しずつ精神の不安定さが出始めていて、役柄と本当の自分の分別が付きにくくなってきました。

そして高校二年生の夏、遂にその時が来ました。
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