主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!

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第1章 亮平回想編

011 嵐の前の静けさ

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 今は放課後。八条学園のやつらが東成中を襲ってからまだ三時間程度しかたっていない。

 どうして八条学園のやつらが倒せたのかという未帆の疑問に、亮平はこう答える。

「それは……。かなり空気の重くて長い話になるけど大丈夫か?」
「……大丈夫」

 一応確認を取って、なお未帆は話してほしいという気持ちがあることを確認した亮平は、気持ちを重くして語り始める。

「俺が強くなったきっかけは、小学5年生になってからだ……」






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「交流タイムってなんですか?」



 始業式があった日、亮平は担任にこう問いかけた。

 教室で配られた『今年の学校のスケジュール』の毎日昼休みに『交流タイム』なるものが入っていた。

「ああ、それは六年生の教室に行って六年生の人と一緒に何かをするんだ。何をするかは六年生の子が決めるけど」

 亮平は納得して、また着席した。

 その時間が終わって休み時間になった。

「亮ちゃーん。交流タイムって、教室でもできる遊びでもするのかな?」
「その呼び方やめろよ、友ちゃん」

 亮平に話しかけてきたのは友佳だ。亮平はずっと友佳に、「亮ちゃん」と呼ばれている。そろそろ小学校の高学年だから、やめてほしい。

(でも、自分も友ちゃんって言ってるし、お互い様なのかな)

 しかし、それより亮平はある一つのことが気になっていた。

(おととしも、去年も、五年生の人たちが何かやつれたり全員の制服が汚れたりしてたけど……。特に去年は五年生の人が一人自殺したって聞くし……)

 少なくとも亮平は、五年生だけ不穏な噂を聞いている。

(でも、たまたまだよな。たまたま、五年生に集中してるだけだ)

 亮平は、その噂は全部偶然で済ませていた。そして、今回もそうした。

 冷静に考えてみれば分かるはずだ。全員の制服が毎年ズタボロになるのはあり得ない事だと。






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 昼休みになった。亮平や友佳を含む五年一組は全員、六年一組に移動させられた。

 教室に入ると、すでに六年生の人たちは端に座って待機していた。

 五年一組全員が教室に入ったのを確認して、六年一組の担任以外の先生が教室から出る。

 それが合図だったらしく、六年一組の代表であろう人が亮平達の目の前に出てきた。その人は礼をして、話し始めた。

「こんにちは。僕は、六年一組の委員長、細川久夜(ほそかわ ひさや)と言います。これから一年間、よろしく」

 誰かが拍手したのに合わせて、亮平も拍手をする。

「今日は、この自己紹介だけで終わりとします。明日からは本格的にやるので、覚えといてね」

 それで、その日の交流タイムは終了となった。

(明日から、何するんだろう。楽しみだな……)

 亮平はそう思ったし、他の五年一組の人もそう思っただろう。






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「さて、明日から楽しみだな」

 そのつぶやきは、六年一組だけではなく、他の六年の教室からも出た。ただしその声は、どれもドス黒い心を含んでいた。
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