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第1章 亮平回想編

024 Bad Happy End

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「亮平、亮平?」

 亮平が目を覚ますと、その視界に友佳が写った。

 どうやら亮平は、六年と教師数人を一人で倒してしまったらしい。そのあと誰が呼んだのか警察が来て、事情を話すとすぐ分かってくれたらしい。

(細川の言っていたこと、嘘だったのか)

 細川は、亮平達を止めるためにはそう嘘をついて賭けに出るしかなかった。そして、見事亮平達はそれに引っかかったということだ。

 細川にとっても、六年が友佳を刺したのは想定外だったらしい。亮平が細川も倒した後、細川が『あいつが刺さなければ……』と言っていたらしい。今となってはどうでもいいが。

「で、友佳、肩の傷は?」
「大丈夫、警察の人が止血してくれたから」

 友佳の肩を見ると、三角巾のようなもので結ばれていた。

「詳しい事は明日聞かれるらしいから、今日は一緒に帰ろ!」
「……うん。ところで、やっと俺の事『亮平』って呼ぶようになったな」
「それなら、亮平だって。私のことをやっと名前で呼んでくれるようになったじゃない」
「!?……。確かに」

 その日は、友佳と話しながら家に帰った。






----------現実に戻る----------






「……」

 未帆が完全に沈黙してしまった。亮平の暗い過去の話を聞いた後ではしょうがないのだが。

「未帆、大丈夫か?もう別の話に変えようか?」
「まだ気になるところがあるから、まだいい。その後、どうなったの?」

 未帆は、その反抗作戦の翌日以降の事が気になっているらしい。

「その後? その後は、全員警察で事情聴取。細川達は別の小学校へ転校していって、教師達は全員懲戒免職。まあ、当たり前だと思うけどね。友佳が軽症で済んだから良かったけど。横瀬さんと三岸さん、別の中学校に行っちゃったからなあ」
「……亮平にも、そんな過去があったんだ」
「そのことは気にしなくていいから。ほら、空気が重すぎるから、別の話にでも変えよう。今週もう一回ある校内パトロールのこととか、さ」

 未帆がそこで一瞬考え込んだ。

「そうだね」

 まるで今まで時が止まっていたかのように、亮平は通学路を歩き出した。実際は亮平の思い込みで、亮平があまりにも過去の自分に浸っていたから歩いていたのにそう感じただけなのだが。 
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