ソルトアライブ

リトルマナ

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プロローグ①

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「Hey、Salt  ! ! 」

「・・・」

「What ‘re you watching  there !?」


いつもの見慣れた景色が目の前に広がっていた。
異様に乾いた空気、風に舞い上がる砂塵、照りつける太陽。


けれど今日は耳を澄ませば聞こえてくる耳慣れた音は聞こえてこない。
タンタンタンと鳴り止まない銃声の音。
近づいては遠ざかる爆発音。
何かが違う。
この3年間何も変わらなかった日常が音もなく、
めくるめく変わろうとしていた。

わかるだろうか?

ここにあるのはやり切れない絶望感と得体のしれない高揚感が交差する戦場リアリズム。

この世界は悪魔が描くデジャヴの世界だと誰かが言った。
 火薬の匂いと銃声、逃げ惑う人々の悲鳴、そして血の色に染まる大地。

いつからだろう、それが日常の景色に変わった。

恐ろしく退屈なほど静かで安らぎや安寧は誰にも与えられていて、愛や希望は誰にでも手を少し伸ばせば届くところにある。
夢を語るのもそれぞれの自由。
何より、死なんてものは遠い遠い未来の彼方にあった。
 遠い昔、それはまどろみのなかで見た景色。 

そんなものはもう思い出せやしないんだ。



東の国境が見渡せる街では唯一の小高い丘。
そこに立てば真っすぐに伸びた一本道が数十キロ先まで見渡せる。視界が遮られることなく広がる大海原を思わせるシリア砂漠。

地平線の遥か向こうに土煙が見えた。
舞い上がった砂塵が朝日を浴びてキラキラと輝きながらまるで一塊の巨大な砂嵐のようにこちらに迫ってくる。


「American is there!!」


誰かが叫んだ。
 
 
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