古の武器を強奪するため、他国へ潜入いたします〜やる気は、どこかに置いて来ました(笑)〜

いく

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「いやぁ悪かったな、男の襟首引っつかんで立ってたもんだからさ」


街中で閃光弾をぶっ放すという常識外れなことを平然とやってのけ、ほんの30秒もかからずに5人もの男をぶっ飛ばし、さらに一応被害者にまで蹴りを入れようとした人物に居酒屋に連れてこられた赤塚は、5分も経たないうちに帰りたくなってきていた。


「まぁ被害がなくてよかったじゃないか」


「はぁ……」


赤塚は、返事と溜め息を同時に返した。


「何溜め息なんかついてんだよ。
溜め息ついたら幸せが逃げてくって、聞いたことないのか?」


「ありますよ」


「じゃあ溜め息なんかつくな、もったいない。あっ親父ビール追加~。
で、なんでまたこんな国にきたんだ? 治安が最悪だってすっげえ有名なのにさ」


運ばれてきたビールが、頼んでもないのに赤塚のコップにもドボドボと注がれていく。


「少し所用がありまして」


注がれていくビールをどうしたもんかと思案を巡らせ、頭半分で赤塚は答えた。

蝶野ちょうのと名乗った人物はコップに注いだビールを半分ほど一気に飲み、つまみを口に放り込みながら適当な返事を返してきた。


「大変だな、わざわざこんなとこまで。あっ枝豆も追加よろしく」


「あのえっと、助けていただきありがとうございました。
もうこんな時間ですし僕はこれで失礼させていただきます」


これ以上拘束されないようにと早口でいって、立ち上がった。
が、その横から制止の声がかかる。


「ちょっと待ちな。お前どうやって帰るつもりだ?」


「歩いてホテルまで行くつもりですけど」


「歩いて? ふーん……よし送ってってやるよ、どこのホテルだ?」


「北区のシティホテルです」


「なんだ近いじゃねえか」


「えぇ、ですから別に送っていただかなくても結構ですよ」


「何言ってんだよ、お前みたいなカモをさっきみたいな奴らがそう易々と見逃すわけないだろうが」


「そうだよ兄ちゃん、悪いことはいわねえから送ってもらいな。
この国じゃあ旅行者は必ずといっていいほど被害にあうんだから」


店の主人までが口を挟んできた。


「あの、ご心配は有難いのですが一応これでも僕は男ですし、何かあってもある程度なら対処できますのでその……どちらかというとあなたの方が心配ですし」


「ん?」


先ほど運ばれてきた枝豆をきれいに平らげて、今まさに煙草に火をつけようとしていた蝶野さんに向かって言った。

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