12 / 16
1-10
しおりを挟む
「痛い……何でこんな目にあってるんでしょうか」
脱力感が抜けきっていなかったのが災いして、赤塚は足を滑らしてこけてしまっていた。
そこにチャンスとばかりに田村が撃ち込んできた弾をごろごろと転がって避けたのはいいが、砂埃が舞って口に砂が入ってきた。
やっぱりやらなきゃよかったなと思いつつも、まだ飛んできている弾を赤塚はまた転がって避ける。
田村からみれば挑発行為に見えただろう。
「仕方ない、やりますか。とっとと終わらせたいですし」
と、ようやく攻撃に出ることに決め、どっこらせと立ち上がった。
あいかわらず弾丸は途切れることなく飛んできていた(そんなに支給されてたっけ?)が、こちらが撃つのに何の問題もないので銃を手にとり、田村めがけて撃った。
一発目が当たるとは思ってなかったので、当たった瞬間に赤塚の口からは「ありゃ」と間抜けな声がもれた。
避けるであろうと思ったところに間髪おかずに撃ったのも田村に命中し、予定外に計二発も当ててしまった。
(まぁ相手は田村だし、ゴム弾だから急所を撃っても死なないだろうから良しとしよう)
田村が都合よく体勢を崩したので、銃をその辺りに放り投げ、赤塚は田村との距離を詰めにかかった。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
(少し手を抜きすぎた…)
撃たれた直後、田村は思わずそう心の中でぼやいた。
ちゃんと一発目を避けて二発目も掠める程度に撃たれるつもりだったのに、連続で赤塚からの攻撃をもろに受けてしまったのだから。
一発目はなんとかこらえたが二発目が足に食い込んだとき、田村に実弾で撃たれたような激痛が走った。
わざととはいえさすがに耐えきれずに、ぐらりと体勢が崩れる。
(くそ、赤塚のくせに)
そう悪態をついている間に、いつの間にか赤塚が距離を詰めてきていたらしい。
気づいた時には目の前に赤塚が立っていて、防御をとる間もなく首筋に手刀を叩き込まれた。
一瞬意識が飛んで危うく地面に頭から突っ込むところだったのを、田村は何とか手を突いて免れた。
しかし、ほっとした瞬間首筋にひやりとしたものが当てられた。
背後に視線を送ると、赤塚がにっこりと場違いな笑みでナイフを田村の首に押し当てていた。
自分が動く前に赤塚のナイフが首を掻っ切るであろうことは明白だった。
『ファーン』
終了を告げるベルが鳴る。
無造作にポケットにナイフを突っ込んだ赤塚が、田村を残して訓練場の出口へと向かっていく。
(そう、この時を俺は待っていたんだ)
赤塚が背中を向けた瞬間、田村は銃を密かに構えた。
脱力感が抜けきっていなかったのが災いして、赤塚は足を滑らしてこけてしまっていた。
そこにチャンスとばかりに田村が撃ち込んできた弾をごろごろと転がって避けたのはいいが、砂埃が舞って口に砂が入ってきた。
やっぱりやらなきゃよかったなと思いつつも、まだ飛んできている弾を赤塚はまた転がって避ける。
田村からみれば挑発行為に見えただろう。
「仕方ない、やりますか。とっとと終わらせたいですし」
と、ようやく攻撃に出ることに決め、どっこらせと立ち上がった。
あいかわらず弾丸は途切れることなく飛んできていた(そんなに支給されてたっけ?)が、こちらが撃つのに何の問題もないので銃を手にとり、田村めがけて撃った。
一発目が当たるとは思ってなかったので、当たった瞬間に赤塚の口からは「ありゃ」と間抜けな声がもれた。
避けるであろうと思ったところに間髪おかずに撃ったのも田村に命中し、予定外に計二発も当ててしまった。
(まぁ相手は田村だし、ゴム弾だから急所を撃っても死なないだろうから良しとしよう)
田村が都合よく体勢を崩したので、銃をその辺りに放り投げ、赤塚は田村との距離を詰めにかかった。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
(少し手を抜きすぎた…)
撃たれた直後、田村は思わずそう心の中でぼやいた。
ちゃんと一発目を避けて二発目も掠める程度に撃たれるつもりだったのに、連続で赤塚からの攻撃をもろに受けてしまったのだから。
一発目はなんとかこらえたが二発目が足に食い込んだとき、田村に実弾で撃たれたような激痛が走った。
わざととはいえさすがに耐えきれずに、ぐらりと体勢が崩れる。
(くそ、赤塚のくせに)
そう悪態をついている間に、いつの間にか赤塚が距離を詰めてきていたらしい。
気づいた時には目の前に赤塚が立っていて、防御をとる間もなく首筋に手刀を叩き込まれた。
一瞬意識が飛んで危うく地面に頭から突っ込むところだったのを、田村は何とか手を突いて免れた。
しかし、ほっとした瞬間首筋にひやりとしたものが当てられた。
背後に視線を送ると、赤塚がにっこりと場違いな笑みでナイフを田村の首に押し当てていた。
自分が動く前に赤塚のナイフが首を掻っ切るであろうことは明白だった。
『ファーン』
終了を告げるベルが鳴る。
無造作にポケットにナイフを突っ込んだ赤塚が、田村を残して訓練場の出口へと向かっていく。
(そう、この時を俺は待っていたんだ)
赤塚が背中を向けた瞬間、田村は銃を密かに構えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる