Aviara(アヴィアラ)

Ilysiasnorm

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第7話 森の国と古き盟約

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翼を広げて海から続く緑豊かな大地へ降り立ったエイラは、その広大な森に目を奪われた。
目の前には果てしなく続く密林が広がり、その中にはアヴィアン以外の異なる種族の存在感が漂っていた。森は単なる自然の一部ではなく、まるで生きているかのように脈動し、そこに潜む何かがエイラを見守っているようだった。
 エイラが足を踏み入れたのは「アースエルド」と呼ばれる森の国だった。
この国は「ループス族」と呼ばれる狼の獣人たちが住む土地であり、アヴィアンたちの空の文化とは対照的に、大地と森を拠点とする独自の文化を築いていた。 森に一歩足を踏み入れたエイラは、すぐに視線を感じた。
茂みの奥から低い唸り声が響き、複数の影がエイラを取り囲むように動き始めた。
 「誰だ、お前は!」 低く力強い声が響き渡り、茂みの中から現れたのは鋭い目を持つ狼の獣人だった。
彼の名前は「カリス」。
ループス族の青年で、この森を守る戦士の一人だった。 
「私はエイラ。アヴィアンの旅人です。この森に入ることで不快な思いをさせたのなら謝ります」
 エイラは落ち着いた声で名乗り、ペンダントを見せた。その光がカリスの目を引き、彼は仲間たちに目配せをして警戒を解くよう指示した。 
「そのペンダント…。お前は何か重要な役割を担っているのかもしれないな。だがこの森は簡単には通さない」
 カリスはエイラを警戒しつつも、彼女をループス族の集落に案内した。 
エイラが見たループス族の集落は、森と完全に調和したつくりだった。
巨大な木々の間に吊り橋が張り巡らされ、地面にも地下へと続く隠れ家のような住居が点在している。
彼らは森の恵みを最大限に活かしながら、自然と共存する独特の生活を送っていた。
 集落の中心には「森の巫女」と呼ばれる長老的な存在が座していた。
彼女の名前は「マリナ」。
白く輝く毛並みと、知恵を宿した目を持つ彼女は、ループス族の精神的な支柱だった。 
「アヴィアンがこの森を訪れるとは珍しい。だがそのペンダントを見る限り、お前の旅はただの冒険ではないようだな」 
マリナはエイラを見つめながら、森の神聖な力について語り始めた。
「アヴィアにはかつて、全ての種族を結ぶ盟約が存在した。それは『統合の誓い』
と呼ばれ、空、大地、海に生きる者たちが互いに助け合い、調和を保つためのものだった。
しかし、その誓いは数百年前に失われてしまった。
それ以来、種族間の交流は減り、今では互いに隔絶された存在となっている」 マリナの言葉に、エイラは自分の旅が単にアヴィアンの起源を探るだけでなく、種族間の調和を取り戻す旅でもあるのではないかと考え始めた。 
さらにマリナは、森の奥深くに眠る「大地の石」という秘宝の存在を語った。 それは盟約を結んだ際に森の民が授けられた力の一部であり、今では封印され、忘れ去られているという。 
「もしその石を目覚めさせることができれば、お前の旅に新たな道が開けるだろう。ただし、そこには試練が待っている」
 マリナの案内でエイラは森の奥へ向かった。
そこは密林の中に隠された巨大な洞窟で、「大地の石」が封印されている場所だった。
洞窟の入口には古代のルーン文字が刻まれており、エイラはそれを読み解くために時間をかけた。 
「全ての生命は互いに繋がり、力を分け合う。調和を壊す者には試練が与えられる」 
その言葉の通り、洞窟の中はエイラの覚悟を試すかのような仕掛けで満ちていた。
狭い通路を進むと突然、地面が揺れ、巨石が転がってくる罠が発動した。
エイラは翼を使い、巧みにそれをかわして進んだ。 さらに奥へ進むと、今度は巨大な守護獣が現れた。
それはループス族の伝説に登場する「ガイアウルフ」と呼ばれる存在であり、エイラを睨みつけて唸り声を上げた。 
「あなたも私を試すためにここにいるの?」
 エイラはペンダントを掲げ、守護獣に向き合った。その瞬間、ペンダントが淡い光を放ち、ガイアウルフは一瞬動きを止めた。 
「そうか…この光は過去の誓いを思い出させるものだな」 
守護獣は静かに道を開け、大地の石が眠る祭壇へとエイラを導いた。
 エイラが祭壇に手を伸ばすと、大地の石が淡く光り始め、彼女の手に吸い込まれるようにその力を託した。
その瞬間、彼女の心には一つのビジョンが浮かび上がった。
それは、かつてアヴィア全土で行われた盟約の儀式の光景だった。
 「これが私たちアヴィアンだけでなく、全ての種族の歴史…」 
新たな力と使命を胸に刻み、エイラはループス族の集落に戻った。
マリナとカリスに別れを告げ、次なる目的地である「雲の峰」へと向かう準備を始めた。
 エイラはこの旅を通じて、アヴィアン以外の種族とも絆を結びつつ、失われた調和を取り戻す使命に目覚めていく。
その一歩として、彼女はアースエルドで得た力と知識を胸に抱き、さらなる冒険へと羽ばたいたのだった。
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