18 / 118
第2章
第17話 シャドウファングとの狩り、魔物の素材!
しおりを挟む
◆朝の狩り出発
朝焼けが森の木々を淡く染め、霧の名残が細い筋となって漂っていた。
リュークは焚き火を丁寧に踏み消すと、背を伸ばして冷たい空気を胸いっぱいに吸い込む。
昨夜の夢の残滓はまだ頭の奥にまとわりついていたが、今は答えの出ない問いを押しやるしかなかった。
「まずは、食料と資金の確保だな……」
ベルハイムまでの道のりは遠い。食料が尽きる前に狩りをして備える必要がある。
魔物の素材を得られれば、それは金貨を得る手段にもなるだろう。
小さな包みを開く。中には、村人たちが持たせてくれた乾いたパンと干し肉。
**パリッ……**と乾いた音が口元に広がり、噛みしめるたびに素朴な味がじんわりと滲んでいく。
(……豪勢じゃない。でも、ありがたい)
あの小さな村で、自分は確かに“何か”を受け取った。
無骨な手でパンを差し出してくれた村人。
笑顔で手を振った子供たち。
そして――照れくさそうに花を握らせてくれたミーナ。
「次は……一緒にご飯、食べよう。わたし、もっと料理、がんばるから……!」
幼いながらも精一杯の勇気と優しさが、その言葉には詰まっていた。
最後まで黙って見送ってくれた村長の背中も、忘れられない。
(……俺にはもう“失うもの”なんてないと思ってた)
だが違った。守りたいものは、確かにまだ残っている。
「シャドウファング、行くぞ」
呼びかけに、黒狼は耳をぴくりと動かし、すぐに立ち上がった。
その動きには、迷いも怯えもない。まるでリュークの言葉を理解しているかのようだ。
リュークはふと小枝を拾い、軽く振ってみせる。
シャドウファングの瞳がそれを追い、一瞬だけ尻尾が揺れた。
「……遊びたいって顔だな」
リュークの口元に、ほんの僅かな笑みが浮かんだ。
黒狼は鼻を鳴らし、リュークの周囲をゆるりと一周した。
その足取りは獲物を追う者そのもので、踏みしめた草が ザッ、ザザッ と小さな音を立てる。
「……狩りの腕前を、見せてもらおうか」
リュークは肩を軽く回し、筋肉を伸ばして身体を解した。
森の木々の隙間から差し込む朝の光が葉を透かし、露の粒をキラキラと輝かせる。
澄んだ空気を震わせる小鳥のさえずり。静寂の中に、確かに新しい一日の始まりがあった。
◆魔物の痕跡を探せ!
リュークは膝を折り、湿った地面に視線を落とす。
「……これは、獣の足跡か」
土に刻まれた蹄跡は深く、大型の動物のものに見えた。
その形状と大きさからして、ただのイノシシではない。魔物化した亜種の可能性が高い。
「シャドウファング、追跡できるか?」
黒狼は鼻をひくつかせ、匂いを確かめると、小さく喉を鳴らして前進する。
その足取りには無駄がなく、風の流れにさえ溶けるような滑らかさがあった。
リュークはその背中を追いながら、胸の奥に微かな高揚を覚える。
やがて、茂みの隙間から視界に影が映った。
——それは、通常のイノシシよりもひと回り以上も大きな魔物だった。
丸太のように太い脚、隆起した筋肉、硬質な光沢を帯びた外皮。
ただの獣ではない。生きるために魔素を取り込み、進化した存在。
リュークは慎重に腰のポーチへ手を伸ばし、小冊子を取り出した。
革紐で綴じられたその手引きは、**旅立ちの朝に村長から託された“魔物図鑑”**だ。
(……野営と狩りの助けに、と言っていたな)
ページをめくる指先に力が入る。
視線の先で、魔猪は鼻息を荒くし、湿った地面を掻いている。
【魔獣:鉄角猪(アイアンボア)】
・体長:約二メートル
・鉄のように硬い外皮と鋭い牙を持つ
・突進力が強く、真正面からの交戦は極めて危険
「……やはり、正面突破は愚策だな」
リュークは木陰に身を潜め、慎重に息を整えながら獣の動きを追った。
額に汗が滲むのを拭いもせず、黒狼に小声で指示を飛ばす。
「シャドウファング、側面から回り込め」
黒狼は一声も発さず、影のように森へと消えた。
その背を見送ると同時に、リュークは地面に膝をつく。
手早くロープを結び、枝をしならせる。
**ギギィッ……**と木が悲鳴を上げるように軋む音が耳に残った。
即席の拘束罠。狙いは獣の動きを奪い、狼の一撃を通すこと。
「よし……仕掛けは整った」
小さく呟いた瞬間、草むらから風を裂く音が走った。
——ザシュッ!
シャドウファングが疾風のごとく飛び出し、アイアンボアに襲いかかる。
魔獣は驚愕の咆哮を上げ、**グォォォンッ!**と大地を震わせながら頭を振った。
「今だ……!」
リュークは罠の縄を一気に引きしぼる。
――ガギィン!
鋼のような蹄が締め上げられ、巨体がもつれるように前のめりに崩れ落ちた。
その隙を逃さず、シャドウファングが黒い影となって背に躍りかかり、首元へ牙を突き立てる。
「グアァァァッ!」
森に響く断末の叫び。
アイアンボアは暴れ、地面を掘り返しながら最後の抵抗を見せる。土煙が舞い、枝がはじけ飛ぶ。
「ここしかない!」
リュークは短剣を構え、重心を前へ滑らせる。
地面を蹴った瞬間、余計な音も景色もすべて遠のき、獣の喉元だけがくっきりと浮かび上がった。
「これで終わりだ!」
――ブシュッ!
鈍い手応え。刃が分厚い皮膚を貫き、喉奥へと届く。
鉄臭い血が勢いよく噴き出し、リュークの手を温かく濡らした。
アイアンボアの巨体が大きく痙攣し、最後に**ガクン……**と重い音を立てて大地に沈む。
静寂。
荒い呼吸の音だけが耳に残る。
リュークは短剣を引き抜き、大きく息を吐いた。
「……っ、はぁ……やったぞ」
振り返れば、シャドウファングも静かに息を整え、血の滴る牙を誇らしげに光らせていた。
リュークは握り締めた短剣の柄を見下ろす。汗と血でじっとりと濡れている。
耳の奥では、まだ心臓の鼓動がドクン、ドクンと力強く鳴り響いていた。
「クリスタルを使ってから……体が勝手に動く。頭も、妙に冴えている」
震えの残る指先をひらひらと開いて見せながら、低く呟く。
恐怖よりも先に込み上げてくるのは――「できた」という手応えだった。
(今の動き……知っている。どこかで、何度も繰り返した感覚だ)
忘れていた戦いの型が、肉体の奥から浮かび上がってくる。
それは不気味さよりも、むしろ“力を取り戻しつつある”という確信に近かった。
「……悪くない」
リュークの口元に、かすかな笑みが浮かぶ。
◆魔物の素材!
「……やったな、シャドウファング」
声をかけると、黒狼は満足げに喉を鳴らした。
リュークがそっと手を伸ばすと、黒い頭が一瞬だけぴくりと反応し――すぐに目を細めて身を預けてくる。
「へえ。撫でられるのも悪くないって顔だな」
思わず笑いがこぼれる。
だが、その視線はすぐに横たわる魔獣の死骸へと向かった。
【獲得素材】
・鉄角(鍛冶素材として高値で売れる)
・魔獣の皮(防具素材として有用)
・獣肉(食料として利用可能)
「……銀貨にはなるだろう。いや、もう少し上を狙えるかもしれないな」
現実的な計算をしながら、リュークは無駄のない動きで解体に取りかかる。
鉄角を引き抜く瞬間――ギギィッと鈍い金属音が響き、予想以上の重量が腕にずしりとのしかかった。
「重いな……さすが“鉄角”って名前だけある」
魔獣の皮を剥ぐと、下から赤い筋肉が現れる。
湿った皮をたたむと、冷えた空気と一緒に獣臭がふわりと鼻をかすめた。
肉をナイフで切り分けるたび、筋が裂ける感触が指先を伝う。
だが、さきほどまで命を賭けて暴れていた存在が、今は自分たちの“糧”へと変わっていく――その事実に、不思議な充足感があった。
(命を、もらったんだ)
その思いが、ずしりと心の底へ沈んでいく。
同時に、「無駄にはできない」という静かな決意が、芯のあたりにすっと灯る。
素材を慎重に荷へ詰め込み終えると、リュークは長く息を吐いた。
「……よし、今日はこのくらいにしておくか」
肩をぐるりと回すと、筋肉に心地よい張りが広がる。
疲労は確かにある。だがそれ以上に、“一歩前へ進んだ”という実感が背筋を支えていた。
ベルハイムへ向かう資金を得るには、まだ狩りを重ねる必要がある。
それでも――確かに、自分たちは前に進んでいる。
ふと顔を上げると――
シャドウファングが、いつの間にか木の枝をくわえてこちらを振り返っていた。
琥珀色の瞳がきらりと揺れ、まるで「次はどれを仕留める?」とでも言いたげに、わずかに尻尾が揺れる。
「はいはい、仕事熱心な相棒だな」
リュークは苦笑しながら、無骨な背に荷を担ぎ直す。
枝をくわえた黒狼の後ろ姿は、なぜか頼もしくて、見ているだけで少し気が軽くなった。
「行こう、シャドウファング。まだ、やれる」
呼びかけに応えるように、黒狼が一声だけ鼻を鳴らす。
こうして二つの影は並び立ち、軽やかな足取りで森の奥へと消えていった。
朝の光が木々の隙間から差し込み、その背中を明るく照らしていた。
次回: ベルハイムへの道と盗賊の脅威!
予告: 相棒との連携が、孤独を砕く鍵になる。
朝焼けが森の木々を淡く染め、霧の名残が細い筋となって漂っていた。
リュークは焚き火を丁寧に踏み消すと、背を伸ばして冷たい空気を胸いっぱいに吸い込む。
昨夜の夢の残滓はまだ頭の奥にまとわりついていたが、今は答えの出ない問いを押しやるしかなかった。
「まずは、食料と資金の確保だな……」
ベルハイムまでの道のりは遠い。食料が尽きる前に狩りをして備える必要がある。
魔物の素材を得られれば、それは金貨を得る手段にもなるだろう。
小さな包みを開く。中には、村人たちが持たせてくれた乾いたパンと干し肉。
**パリッ……**と乾いた音が口元に広がり、噛みしめるたびに素朴な味がじんわりと滲んでいく。
(……豪勢じゃない。でも、ありがたい)
あの小さな村で、自分は確かに“何か”を受け取った。
無骨な手でパンを差し出してくれた村人。
笑顔で手を振った子供たち。
そして――照れくさそうに花を握らせてくれたミーナ。
「次は……一緒にご飯、食べよう。わたし、もっと料理、がんばるから……!」
幼いながらも精一杯の勇気と優しさが、その言葉には詰まっていた。
最後まで黙って見送ってくれた村長の背中も、忘れられない。
(……俺にはもう“失うもの”なんてないと思ってた)
だが違った。守りたいものは、確かにまだ残っている。
「シャドウファング、行くぞ」
呼びかけに、黒狼は耳をぴくりと動かし、すぐに立ち上がった。
その動きには、迷いも怯えもない。まるでリュークの言葉を理解しているかのようだ。
リュークはふと小枝を拾い、軽く振ってみせる。
シャドウファングの瞳がそれを追い、一瞬だけ尻尾が揺れた。
「……遊びたいって顔だな」
リュークの口元に、ほんの僅かな笑みが浮かんだ。
黒狼は鼻を鳴らし、リュークの周囲をゆるりと一周した。
その足取りは獲物を追う者そのもので、踏みしめた草が ザッ、ザザッ と小さな音を立てる。
「……狩りの腕前を、見せてもらおうか」
リュークは肩を軽く回し、筋肉を伸ばして身体を解した。
森の木々の隙間から差し込む朝の光が葉を透かし、露の粒をキラキラと輝かせる。
澄んだ空気を震わせる小鳥のさえずり。静寂の中に、確かに新しい一日の始まりがあった。
◆魔物の痕跡を探せ!
リュークは膝を折り、湿った地面に視線を落とす。
「……これは、獣の足跡か」
土に刻まれた蹄跡は深く、大型の動物のものに見えた。
その形状と大きさからして、ただのイノシシではない。魔物化した亜種の可能性が高い。
「シャドウファング、追跡できるか?」
黒狼は鼻をひくつかせ、匂いを確かめると、小さく喉を鳴らして前進する。
その足取りには無駄がなく、風の流れにさえ溶けるような滑らかさがあった。
リュークはその背中を追いながら、胸の奥に微かな高揚を覚える。
やがて、茂みの隙間から視界に影が映った。
——それは、通常のイノシシよりもひと回り以上も大きな魔物だった。
丸太のように太い脚、隆起した筋肉、硬質な光沢を帯びた外皮。
ただの獣ではない。生きるために魔素を取り込み、進化した存在。
リュークは慎重に腰のポーチへ手を伸ばし、小冊子を取り出した。
革紐で綴じられたその手引きは、**旅立ちの朝に村長から託された“魔物図鑑”**だ。
(……野営と狩りの助けに、と言っていたな)
ページをめくる指先に力が入る。
視線の先で、魔猪は鼻息を荒くし、湿った地面を掻いている。
【魔獣:鉄角猪(アイアンボア)】
・体長:約二メートル
・鉄のように硬い外皮と鋭い牙を持つ
・突進力が強く、真正面からの交戦は極めて危険
「……やはり、正面突破は愚策だな」
リュークは木陰に身を潜め、慎重に息を整えながら獣の動きを追った。
額に汗が滲むのを拭いもせず、黒狼に小声で指示を飛ばす。
「シャドウファング、側面から回り込め」
黒狼は一声も発さず、影のように森へと消えた。
その背を見送ると同時に、リュークは地面に膝をつく。
手早くロープを結び、枝をしならせる。
**ギギィッ……**と木が悲鳴を上げるように軋む音が耳に残った。
即席の拘束罠。狙いは獣の動きを奪い、狼の一撃を通すこと。
「よし……仕掛けは整った」
小さく呟いた瞬間、草むらから風を裂く音が走った。
——ザシュッ!
シャドウファングが疾風のごとく飛び出し、アイアンボアに襲いかかる。
魔獣は驚愕の咆哮を上げ、**グォォォンッ!**と大地を震わせながら頭を振った。
「今だ……!」
リュークは罠の縄を一気に引きしぼる。
――ガギィン!
鋼のような蹄が締め上げられ、巨体がもつれるように前のめりに崩れ落ちた。
その隙を逃さず、シャドウファングが黒い影となって背に躍りかかり、首元へ牙を突き立てる。
「グアァァァッ!」
森に響く断末の叫び。
アイアンボアは暴れ、地面を掘り返しながら最後の抵抗を見せる。土煙が舞い、枝がはじけ飛ぶ。
「ここしかない!」
リュークは短剣を構え、重心を前へ滑らせる。
地面を蹴った瞬間、余計な音も景色もすべて遠のき、獣の喉元だけがくっきりと浮かび上がった。
「これで終わりだ!」
――ブシュッ!
鈍い手応え。刃が分厚い皮膚を貫き、喉奥へと届く。
鉄臭い血が勢いよく噴き出し、リュークの手を温かく濡らした。
アイアンボアの巨体が大きく痙攣し、最後に**ガクン……**と重い音を立てて大地に沈む。
静寂。
荒い呼吸の音だけが耳に残る。
リュークは短剣を引き抜き、大きく息を吐いた。
「……っ、はぁ……やったぞ」
振り返れば、シャドウファングも静かに息を整え、血の滴る牙を誇らしげに光らせていた。
リュークは握り締めた短剣の柄を見下ろす。汗と血でじっとりと濡れている。
耳の奥では、まだ心臓の鼓動がドクン、ドクンと力強く鳴り響いていた。
「クリスタルを使ってから……体が勝手に動く。頭も、妙に冴えている」
震えの残る指先をひらひらと開いて見せながら、低く呟く。
恐怖よりも先に込み上げてくるのは――「できた」という手応えだった。
(今の動き……知っている。どこかで、何度も繰り返した感覚だ)
忘れていた戦いの型が、肉体の奥から浮かび上がってくる。
それは不気味さよりも、むしろ“力を取り戻しつつある”という確信に近かった。
「……悪くない」
リュークの口元に、かすかな笑みが浮かぶ。
◆魔物の素材!
「……やったな、シャドウファング」
声をかけると、黒狼は満足げに喉を鳴らした。
リュークがそっと手を伸ばすと、黒い頭が一瞬だけぴくりと反応し――すぐに目を細めて身を預けてくる。
「へえ。撫でられるのも悪くないって顔だな」
思わず笑いがこぼれる。
だが、その視線はすぐに横たわる魔獣の死骸へと向かった。
【獲得素材】
・鉄角(鍛冶素材として高値で売れる)
・魔獣の皮(防具素材として有用)
・獣肉(食料として利用可能)
「……銀貨にはなるだろう。いや、もう少し上を狙えるかもしれないな」
現実的な計算をしながら、リュークは無駄のない動きで解体に取りかかる。
鉄角を引き抜く瞬間――ギギィッと鈍い金属音が響き、予想以上の重量が腕にずしりとのしかかった。
「重いな……さすが“鉄角”って名前だけある」
魔獣の皮を剥ぐと、下から赤い筋肉が現れる。
湿った皮をたたむと、冷えた空気と一緒に獣臭がふわりと鼻をかすめた。
肉をナイフで切り分けるたび、筋が裂ける感触が指先を伝う。
だが、さきほどまで命を賭けて暴れていた存在が、今は自分たちの“糧”へと変わっていく――その事実に、不思議な充足感があった。
(命を、もらったんだ)
その思いが、ずしりと心の底へ沈んでいく。
同時に、「無駄にはできない」という静かな決意が、芯のあたりにすっと灯る。
素材を慎重に荷へ詰め込み終えると、リュークは長く息を吐いた。
「……よし、今日はこのくらいにしておくか」
肩をぐるりと回すと、筋肉に心地よい張りが広がる。
疲労は確かにある。だがそれ以上に、“一歩前へ進んだ”という実感が背筋を支えていた。
ベルハイムへ向かう資金を得るには、まだ狩りを重ねる必要がある。
それでも――確かに、自分たちは前に進んでいる。
ふと顔を上げると――
シャドウファングが、いつの間にか木の枝をくわえてこちらを振り返っていた。
琥珀色の瞳がきらりと揺れ、まるで「次はどれを仕留める?」とでも言いたげに、わずかに尻尾が揺れる。
「はいはい、仕事熱心な相棒だな」
リュークは苦笑しながら、無骨な背に荷を担ぎ直す。
枝をくわえた黒狼の後ろ姿は、なぜか頼もしくて、見ているだけで少し気が軽くなった。
「行こう、シャドウファング。まだ、やれる」
呼びかけに応えるように、黒狼が一声だけ鼻を鳴らす。
こうして二つの影は並び立ち、軽やかな足取りで森の奥へと消えていった。
朝の光が木々の隙間から差し込み、その背中を明るく照らしていた。
次回: ベルハイムへの道と盗賊の脅威!
予告: 相棒との連携が、孤独を砕く鍵になる。
0
あなたにおすすめの小説
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
72時間ワンオペ死した元球児、女神の『ボッタクリ』通販と『絶対破壊不能』のノートPCで異世界最強のコンビニ・スローライフを始める
月神世一
ファンタジー
「剣? 魔法? いいえ、俺の武器は『鈍器になるノートPC』と『時速160kmの剛速球』です」
あらすじ
ブラックコンビニで72時間連続勤務の末、過労死した元甲子園優勝投手・赤木大地。
目覚めた彼を待っていたのは、コタツでソシャゲ三昧のダメ女神・ルチアナだった。
「手違いで死なせちゃった☆ 詫び石代わりにこれあげる」
渡されたのは、地球のAmazonもGoogleも使える『絶対破壊不能』のノートPC。
ただし、購入レートは定価の10倍という超ボッタクリ仕様!?
「ふざけんな! 俺は静かに暮らしたいんだよ!」
ブラック労働はもうこりごり。大地は異世界の緩衝地帯「ポポロ村」で、地球の物資とコンビニ知識、そして「うなる右腕(ジャイロボール)」を武器に、悠々自適なスローライフを目指す!
……はずが、可愛い月兎族の村長を助けたり、腹ペコのエルフ王女を餌付けしたり、気づけば村の英雄に!?
元球児が投げる「紅蓮の魔球」が唸り、女神の「ボッタクリ通販」が世界を変える!
異世界コンビニ・コメディ、開店ガラガラ!
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる