拾ったものは大切にしましょう~子狼に気に入られた男の転移物語~

ぽん

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初めての旅 〜ダグスク〜

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「さぁ、次はグラトニー商会に行こう!」

 冒険者ギルドを出たイオリ達は港を歩きながらグラトニー商会を目指した。
 やはり、朝市の影響だったのか先程よりは人の流れも落ち着いている。

 お馴染みのグラトニー商会の看板を見つけるとイオリは扉を開いた。

「いらっしゃいませ・・・。
 おや?ヒューゴじゃないか!!」

 商会に入ってすぐに現れた男性がヒューゴに驚いて声を出した。

「フリオさん?フリオさん!!
 どうして此処に?王都ではないんですか?」

 2人はガッチリと握手をして再会を喜んだ。

「お前・・・聞いたぞ!自分の身を・・・。
 全く!大旦那と旦那がどれだけ心配なさってた事か!馬鹿野郎!!」

 泣くのか怒るのか忙しいフリオと呼ばれた男はヒューゴの胸をドンドン!と叩いた。

「すみません。
 俺はするべき事をしていると思い込んでいたんです。
 皆さんに心配をかけてる・・・そんな考えに余裕がなかった。
 申し訳ないです。
 でも、アーベルの大旦那さんが最高の主人に出会わせてくれました。
 主人のイオリです。
 支部長にお目通りしたいんですけど・・・。」

 フリオはイオリに頭を下げると涙を拭きながら顔をあげた。

「ありがとうございます。イオリ様。
 私はフリオ。今はカイ様の元におりますが、元々は王都の本店に所属していた旅団の一員でした。
 大旦那様のお仕事で遠出する時にヒューゴとよく一緒に旅をした仲なのです。

 ヒューゴのその後を大変心配しておりました。
 やっと買い取られたと聞いていましたが、会えると思っていませんでした。
 初めてのご挨拶に失礼を・・・。」

 イオリは首を横に振るとフリオに頭を上げるように言った。

「ヒューゴさんは、どれだけ人に心配を掛けていたか知るべきなんです。
 
 フリオさん。初めましてイオリです。
 アーベルさんにはポーレットでお世話になっていました。
 カイさんにお会いしたいんですが、お取り次ぎ願えますか?」

「そうでございました!
 失礼いたしました。ただいま、確認してまいります!!」

 走って階段を上がっていくフリオを見送るとヒューゴは恥ずかしそうに頬をかいた。

「フリオさんは年も近くて、旅の時によく話して気が合ったんだ。
 兄のようだった。
 あんなに心配してくれていたなんて・・・。
 俺は幸せ者だな。」

 そんなヒューゴに子供達が諫めるようにすり寄った。

「お待たせいたしました。お部屋へ案内します。」

 フリオは慌てたように階段を降りてきた。

「フリオさん。妹のニナです。」

 ヒューゴがニナを抱き上げてフリオに見せると、フリオは満面の笑みを浮かべた。

「そうか・・・君が・・・。
 初めまして。」

 ニナはフリオをしばらく観察すると両手を広げて抱っこしろとせがむ様に手を振った。

「えっ・・・。良いのかい?」

 恐々ニナを抱いたフリオは顔を赤くしてニナを軽く揺すった。
 ニッコリ笑うニナに心を撃ち抜かれたフリオは抱き上げたまま階段を登って行った。

 イオリ達は後を追うように階段を登るとポーレットともアンティティラとも違うダグスクのグラトニー商会の港町ならではの派手な建物を楽しんだ。
 
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