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愛し子の帰還
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ポーレット公爵邸の裏庭の脇から続く木々の中、イオリ達の家・・・いや、住処はそこにある。
いくつもの木に囲まれた中にある開けた空間にレンガで作られた竈門達が待っていた。
「うわぁ。
ここに来ると本当に懐かしく感じますよね。」
「泉と違った落ち着きがあるんだよな。」
『ここも僕らのお家だからね。』
イオリ、ヒューゴ、ゼンが感慨深げに足を踏み入れると後を追って来ていた子供達が嬉しそうに走り回り出した。
「ここから賑やかな声が聞こえると、お前達が帰ってきたと感じるよ。」
一緒に来たヴァルトは嬉しそうに微笑んだ。
「みんなー!準備するよー。」
子供達はイオリの元まで走るとニコニコと見上げた。
イオリは腰バックからテントを取り出すとスコルに渡した。
「俺は竈門の様子を見てくるから、みんなはテントを張ってくれる?
今日はお屋敷でご飯を頂くから、着替えておいで。」
「「「「はーい!」」」」
スコルが中心となって子供達がテントを張り出すのを確認するとイオリとヒューゴは竈門に向かった。
「やっぱり、ボーさんが手入れをしてくれてる。
いつでも使えそうですね。」
「ありがたい。
後でボーさんから薪をもらってくるよ。
明日の朝から火を起こすだろう?」
イオリとヒューゴが話しているとヴァルトがテーブルを拭きを手伝いながら声を掛けた。
「明日の朝は私も此処で食べるからな!」
イオリはキョトンとするとヒューゴが苦笑した。
「イオリの飯に飢えてるんだろう。」
「3年だ!3年だぞ!!
どれだけ耐えたと思っているんだ!?」
同意するクロムスを抱き上げ、騒ぐヴァルトにイオリは呆れたように溜息を吐いた。
「コックさん達が作ってくれたでしょうに・・・。」
「それでも、私はイオリの料理が食べたいんだ!!」
ヴァルトの叫びが木々の中で響く中、子供達がテントから出てきた。
既にテントを張り、着替えを済ませた4人はヴァルトの元に行くとクスクスと笑った。
「イオリのご飯美味しいもん。
しょうがないよ。」
「うん。沢山食べちゃうよね。」
「ニナも!!」
パティとナギ、ニナが同調するとスコルがヴァルトの腰をツンツンとした。
「明日の朝ごはんは僕が作るんだよ。
食べに来る?」
「何っ!?」
驚くヴァルトにイオリは頷いた。
「最近は朝ごはんはスコルに作ってもらう事が多いんです。
俺は手伝う程度です。
美味しいですよ。スコル腕を上げましたから。」
「3年の間に修行したからね。」
腰に手を当てて胸を張るスコルの顔を覗き込むとヴァルトは微笑んだ。
「あぁ、明日の朝食を頂くとしよう。
スコルの料理を楽しみにしてる。」
「任せて!!」
スコルは親指を立ててニヤリとした。
「さぁ、俺達も着替えて来ようかな。
お屋敷に戻って、みんなにお土産を配ろう。」
「今日はお前達が帰還した祝いだ。
みんな張り切っていたから豪勢な晩餐だぞ。」
ヴァルトの言葉に子供達は大喜びだった。
その後、“愛し子”が帰還したポーレット公爵家の晩餐は賑やかに行われたのであった。
最近、不穏な空気を感じていた公爵テオルドは、この幸せな一瞬を微笑ましく感じていたのだった。
いくつもの木に囲まれた中にある開けた空間にレンガで作られた竈門達が待っていた。
「うわぁ。
ここに来ると本当に懐かしく感じますよね。」
「泉と違った落ち着きがあるんだよな。」
『ここも僕らのお家だからね。』
イオリ、ヒューゴ、ゼンが感慨深げに足を踏み入れると後を追って来ていた子供達が嬉しそうに走り回り出した。
「ここから賑やかな声が聞こえると、お前達が帰ってきたと感じるよ。」
一緒に来たヴァルトは嬉しそうに微笑んだ。
「みんなー!準備するよー。」
子供達はイオリの元まで走るとニコニコと見上げた。
イオリは腰バックからテントを取り出すとスコルに渡した。
「俺は竈門の様子を見てくるから、みんなはテントを張ってくれる?
今日はお屋敷でご飯を頂くから、着替えておいで。」
「「「「はーい!」」」」
スコルが中心となって子供達がテントを張り出すのを確認するとイオリとヒューゴは竈門に向かった。
「やっぱり、ボーさんが手入れをしてくれてる。
いつでも使えそうですね。」
「ありがたい。
後でボーさんから薪をもらってくるよ。
明日の朝から火を起こすだろう?」
イオリとヒューゴが話しているとヴァルトがテーブルを拭きを手伝いながら声を掛けた。
「明日の朝は私も此処で食べるからな!」
イオリはキョトンとするとヒューゴが苦笑した。
「イオリの飯に飢えてるんだろう。」
「3年だ!3年だぞ!!
どれだけ耐えたと思っているんだ!?」
同意するクロムスを抱き上げ、騒ぐヴァルトにイオリは呆れたように溜息を吐いた。
「コックさん達が作ってくれたでしょうに・・・。」
「それでも、私はイオリの料理が食べたいんだ!!」
ヴァルトの叫びが木々の中で響く中、子供達がテントから出てきた。
既にテントを張り、着替えを済ませた4人はヴァルトの元に行くとクスクスと笑った。
「イオリのご飯美味しいもん。
しょうがないよ。」
「うん。沢山食べちゃうよね。」
「ニナも!!」
パティとナギ、ニナが同調するとスコルがヴァルトの腰をツンツンとした。
「明日の朝ごはんは僕が作るんだよ。
食べに来る?」
「何っ!?」
驚くヴァルトにイオリは頷いた。
「最近は朝ごはんはスコルに作ってもらう事が多いんです。
俺は手伝う程度です。
美味しいですよ。スコル腕を上げましたから。」
「3年の間に修行したからね。」
腰に手を当てて胸を張るスコルの顔を覗き込むとヴァルトは微笑んだ。
「あぁ、明日の朝食を頂くとしよう。
スコルの料理を楽しみにしてる。」
「任せて!!」
スコルは親指を立ててニヤリとした。
「さぁ、俺達も着替えて来ようかな。
お屋敷に戻って、みんなにお土産を配ろう。」
「今日はお前達が帰還した祝いだ。
みんな張り切っていたから豪勢な晩餐だぞ。」
ヴァルトの言葉に子供達は大喜びだった。
その後、“愛し子”が帰還したポーレット公爵家の晩餐は賑やかに行われたのであった。
最近、不穏な空気を感じていた公爵テオルドは、この幸せな一瞬を微笑ましく感じていたのだった。
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