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旅路〜イルツク〜
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イルツクの冒険者ギルドのギルドマスター・ルゴーは目の前に現れた青年に目を奪われていた。
もしかしたら、どうにかなるかもしれない。
そんな期待を持ち、彼らにダンジョンへ入る許可証を手渡していく。
「入り口に行き、担当の者に渡してくれ。
浅い階層は飛ばして行く事ができるだろう。
先行して調査した冒険者達がテレポート出来る魔法陣と魔道具を設置しているんだ。
お前達は出来る限り最深部へ急いでくれ。」
「承知した。」
「わかりました。」
アレックスとイオリが頷くと一同は立ち上がった。
その時だった。
冒険者ギルドの職員が飛び込んできた。
「ギルマス!大変です!
ロレンツォ・カーラのパーティーが許可されていない階層に強引に向かい、後を追いかけたディエゴ・ギロック騎士団長と交戦中の模様です。
騎士団に怪我人も出てるとか!」
ルゴーは眉間にシワを寄せるとテーブルをダンッ!と叩いた。
「あの愚か者めが!!」
イオリ達も顔を見合わせると深刻な顔をした。
「ロレンツォ・カーラとは俺達よりも先に出発した者達だな?」
アレックスの問いかけにルゴーは頷いた。
「確かに、我々は各地から高ランク冒険者を募集した。
Sランクを送ってくれたのはダグスクとポーレット。
そもそも、オンリールの街には救援要請はしていないんだ。
それでも1番に駆けつけてくれたSランク冒険者には感謝しているし、心強くも思っていた。
領主アナスタシア・ギロック伯爵は何よりもポーレットに・・・イオリの存在に頼った。
だから、彼らには最深部ではないが深い階層の探索を頼んだのだ。
彼らには気に入らないようだったがな・・・。
それでもSランク冒険者、ルールは分かっていると思っていたんだが違うらしい。
“エルフの里の戦士”だけでも面倒なのに、ここに来て何て事をしてくれたんだ。」
ルゴーは疲れたように項垂れると、職員に指示を出した。
「怪我をした騎士をダンジョンから出す準備をしろ。
手勢を集めて対処するんだ。
相手はSランクだ十分に気をつけろ。」
「はい!」
職員が出て行こうとした時だった。
「ちょっと待って下さい!
俺達が行きましょう。
どうせ、最深部に行くんです。
通り道ですよ。
冒険者同士の喧嘩はご法度、それでも許可を頂ければ。」
イオリの言葉にルゴーを目を見開いた。
「良いのか?」
「はい。
それに、彼らとはいつか話す時が来ると思っていたんです。
家族に危害が加えられる前に対処できれば幸いです。
それじゃ、行ってきます。」
ダンジョンに入る為の許可証を手にスタスタと部屋を出ていくイオリをゼンとアウラ・ソルそれに子供達がついて行く。
突然のイオリの行動に驚く大人達にヒューゴが声をかけた。
「普段のイオリは温厚で優しい奴なんですがね。
アイツにとって絶対に譲れない物があるんです。
イオリにとって家族を傷つける者は許さない。
それが例え、貴族だろうと王族だろうとね。
ロレンツォ・カーラ・・・・。
彼らが何者か知りませんが、イオリの家族を危害を加える可能性がある。
いや・・・さっき敵意に満ちた目を向けた時点でイオリにとっては敵です。」
ヒューゴは肩を竦めると一礼して部屋を出て行った。
「俺達も行こう。
イオリは俺達の街の恩人だ。
彼に何かあったら、領主オーウェン・ダグスク侯爵に・・・いや、母上に怒られる。」
「確かにねー。
じゃあ、ギルマス。
行ってくるね。」
アレックスとロジャーのコンビが部屋を出るとルゴーはギロック伯爵家に連絡を急ぐのだった。
もしかしたら、どうにかなるかもしれない。
そんな期待を持ち、彼らにダンジョンへ入る許可証を手渡していく。
「入り口に行き、担当の者に渡してくれ。
浅い階層は飛ばして行く事ができるだろう。
先行して調査した冒険者達がテレポート出来る魔法陣と魔道具を設置しているんだ。
お前達は出来る限り最深部へ急いでくれ。」
「承知した。」
「わかりました。」
アレックスとイオリが頷くと一同は立ち上がった。
その時だった。
冒険者ギルドの職員が飛び込んできた。
「ギルマス!大変です!
ロレンツォ・カーラのパーティーが許可されていない階層に強引に向かい、後を追いかけたディエゴ・ギロック騎士団長と交戦中の模様です。
騎士団に怪我人も出てるとか!」
ルゴーは眉間にシワを寄せるとテーブルをダンッ!と叩いた。
「あの愚か者めが!!」
イオリ達も顔を見合わせると深刻な顔をした。
「ロレンツォ・カーラとは俺達よりも先に出発した者達だな?」
アレックスの問いかけにルゴーは頷いた。
「確かに、我々は各地から高ランク冒険者を募集した。
Sランクを送ってくれたのはダグスクとポーレット。
そもそも、オンリールの街には救援要請はしていないんだ。
それでも1番に駆けつけてくれたSランク冒険者には感謝しているし、心強くも思っていた。
領主アナスタシア・ギロック伯爵は何よりもポーレットに・・・イオリの存在に頼った。
だから、彼らには最深部ではないが深い階層の探索を頼んだのだ。
彼らには気に入らないようだったがな・・・。
それでもSランク冒険者、ルールは分かっていると思っていたんだが違うらしい。
“エルフの里の戦士”だけでも面倒なのに、ここに来て何て事をしてくれたんだ。」
ルゴーは疲れたように項垂れると、職員に指示を出した。
「怪我をした騎士をダンジョンから出す準備をしろ。
手勢を集めて対処するんだ。
相手はSランクだ十分に気をつけろ。」
「はい!」
職員が出て行こうとした時だった。
「ちょっと待って下さい!
俺達が行きましょう。
どうせ、最深部に行くんです。
通り道ですよ。
冒険者同士の喧嘩はご法度、それでも許可を頂ければ。」
イオリの言葉にルゴーを目を見開いた。
「良いのか?」
「はい。
それに、彼らとはいつか話す時が来ると思っていたんです。
家族に危害が加えられる前に対処できれば幸いです。
それじゃ、行ってきます。」
ダンジョンに入る為の許可証を手にスタスタと部屋を出ていくイオリをゼンとアウラ・ソルそれに子供達がついて行く。
突然のイオリの行動に驚く大人達にヒューゴが声をかけた。
「普段のイオリは温厚で優しい奴なんですがね。
アイツにとって絶対に譲れない物があるんです。
イオリにとって家族を傷つける者は許さない。
それが例え、貴族だろうと王族だろうとね。
ロレンツォ・カーラ・・・・。
彼らが何者か知りませんが、イオリの家族を危害を加える可能性がある。
いや・・・さっき敵意に満ちた目を向けた時点でイオリにとっては敵です。」
ヒューゴは肩を竦めると一礼して部屋を出て行った。
「俺達も行こう。
イオリは俺達の街の恩人だ。
彼に何かあったら、領主オーウェン・ダグスク侯爵に・・・いや、母上に怒られる。」
「確かにねー。
じゃあ、ギルマス。
行ってくるね。」
アレックスとロジャーのコンビが部屋を出るとルゴーはギロック伯爵家に連絡を急ぐのだった。
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