続・拾ったものは大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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旅路 〜カプリース・天空の王〜

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ゴォォォォォウォン。ゴォォォォォ。
ゴォォォォォウォン。グワァァ。

 ドラゴン達の頂点である“天空の王”スカイヤの大きなイビキが鳴り響く。

 顔を覗き込んでいたパティ、ナギ、ニナは耳を塞ぎ、互いに顔を合わせるとクスクスと笑った。

ピチチチッ

 真紅の小鳥がスカイヤの瞼や耳を突っつき、頭上を旋回して騒がしく嘶いた。

ピー!
ピチチチッ!

『ぅおん?
 喧しい・・何だぁ?
 ん?』

 薄目を開けたスカイヤの鼻先に小さな赤い鳥が首をクィクィっと動かしながら覗き込んでいた。

『ん?
 んん?
 ソルレカランテか?』
 
 目を寄らせたスカイヤを見て、子供達がお腹を抱えてゲラゲラと笑った。 

『おぉ、おぉ。
 なかなかの成長具合ではないか,ソルレカランテよ。』

ピチチチッ!

 スカイヤの差し出す手に乗ると、ソルはご機嫌にステップを踏んだ。

「ソル。
 故郷に帰れて良かったね。」

 笑顔のパティが手を振ると、ソルが返事をするようにお尻を振った。

『小娘よ。
 お前も久しいな。』

 昨夜の内には挨拶程度しかしていないスカイヤと子供達である。
 その中でもスコルとパティはスカイヤにとっては因縁の相手でもあった。

「ねー。
 お酒で二日酔い?
 ミントいる?」

 ーーーミント

 トラウマとなったハーブの名に、スカイヤは嫌々とする様に首をブルブルと振った。

『あのスースーする葉などいらん!いらん!
 小娘めっ!
 嫌な事を思い出させおって。』

 冷や汗を掻くスカイヤを揶揄うパティがニヤニヤとする。

「ドラゴンさん。
 朝ごはん食べよう。」

 ニナがペチペチと純白の鱗の体を叩くとスカイヤがグイッと顔を近づけた。

『チビ娘よ。
 神獣であり“天空の王”であるワシが朝から他人と飯を共にすると思うのか?』

 呆れた様に言うスカイヤをニナがニコッと微笑みながら見上げた。

「今日は朝からスコルちゃん特性のシチューだよ。
 イオリが焼いたホカホカのパンが美味しいんだ。
 ドラゴンさんがいらないならニナが沢山食べてくるね。」

『・・・シチュー。
 フム。
 朝ごはんとやらも悪くないのかもしれんな。
 ヨシッ
 ワシも馳走になろう。』

 態度を一変させたスカイヤにナギが微笑む。

「スコルのシチュー美味しいよ。
 朝用にアッサリ気味に作ってるんだって。
 早くおいでよ。」

 イオリとスコルが朝食を準備するテーブルに走って行く子供達を見送るとスカイヤは小さな溜息を吐いた。

『願わくば、あの小さき者達がいつまでも笑顔でいられる世が続けば良いのだが・・・。』

 不穏な言葉を呟くスカイヤをソルが心配そうに見上げた。

『ソルレカランテよ。
 お前も不穏な気配を感じ取っておるだろう。
 奴が再び世界に不穏を撒き散らせているのだ。
 戦わずに混乱をもたらすのは奴の得意としたところだ。 
 童・・・イオリは何とするであろうの。』

 スカイヤは笑顔で手を振るイオリを優しげな目で見つめていた。

 
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