続・拾ったものは大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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旅路 〜カプリース・天空の王〜

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『美味いっ!
 小僧よ!小僧っ!
 美味いぞ。シチュー!!』

 吠えるスカイヤにスコルが微笑む。

「良かった。
 まだまだ、沢山あるよ。
 お肉もゴロゴロ入ってるから食べ応えあるでしょう。」
 
 得意気なスコルの頭をイオリが優しく撫でた。

「上手に出来てるよ。」

「へへっ。」

 照れるスコルにヴァルトも褒める。
 
「ポーレットにいた時よりも本当に成長しているな。
 冒険者が朝から、こんな立派な食事をしてるなんて誰も考えないだろな。」

 素直に驚嘆するヴァルトにスコルは親指を立てた。

 その向かいでは朝の訓練をして風呂に入っていたヒューゴの濡れた髪をゼンが風魔法で乾かしている。

『もう。
 ヒューゴの髪はキラキラなんだから、しっかり乾かしてよね。』

 文句を言うゼンに苦笑しながらもヒューゴはパンを頬張るのをやめはしない。

「悪い,悪い。
 いつも悪いな。」

 身嗜みに厳しいニナの鋭い視線を避けるヒューゴにイオリは苦笑した。

 イオリの大好きな穏やかな朝食の時間だ。

『おい、童。
 お前、この後、ちょっと付き合え。』

「はい?」

 シチューを頬張るスカイヤが唐突にイオリに声をかけた。

『先ずは、お前の今の力を試してやる。』

 スカイヤの一言に空気が変わる。

『”神の愛し子”がダークエルフの野望を打ち砕けるのか試してやる。』

 スカイヤはイオリと言う人間を多少は理解しているつもりだった。
 かつてスカイヤを訪れた”神の愛し子”である十蔵は最初から好戦的で、己の強さの高みを見据えた男だった。

 しかし、イオリは十蔵と違う。
 基本は穏やかで余計な戦いを好まず、魔獣達でさえも無駄な殺生をしない。

 この日も面倒臭そうに逃げるかと思い、文句の1つでも言ってやろうとしていたスカイヤにイオリが顔色を変えずに返事をした。

「了解です。」

 涼しい顔でシチューを食べ干したイオリにスカイヤが,驚いた様に目を見開いた。

「その驚いた顔は何ですか?」

『いや・・・もっと面倒臭がると思っておったのだが・・・。』

 そんなスカイヤにイオリは呆れた様に溜息を吐いた。

「一体、俺をどんな怠け者だと思ってるんですか?
 わざわざ海を渡って、様々な国を回ってきてドラゴンの国まで来たんですよ?
 スカイヤに重要な用があるくらい分かってますよ。 
 戦うのも必要な事なんでしょ?」

『おぉう。』

 寧ろスカイヤの方が戸惑って慌ててしまった。

「で?
 俺の力量が必要な事柄って何ですか?
 世界平和を守る事?
 ルミエールの暗躍を止める事?
 それとも、ダークエルフの剣を破壊する事?」

 ほら、話しちゃえとばかりのイオリにヴァルトがツッコむ。

「どれも、結果は同じではないか?」

「そうなんです。
 やるべき事は一緒なんですよ。
 だから、さっさとスカイヤの口を割らせます。」
 
 スイッチの入ったイオリの目つきが変わっていく。






 

















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