続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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ダグスク 〜再会〜

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「次の人どうぞー。」

 ダグスクの街へ入る為の門は大混雑していた。

 いつも人の出入を管理している衛兵達に混じって騎士や冒険者ギルドや商人ギルドの職員がチラホラと見えるのは助っ人というところだろう。

 小一時間待ったヒューゴが馬車を進め衛兵にギルドカードを見せた。

 Sランク冒険者である証明に衛兵は眉をピクリと上げると馬車の中を覗いた。
 子供達と眼帯姿の若者が手を振っているのを見れば安堵したように頷いた。

「ポーレットから来られた方達ですね?
 話は聞いています。
 ご覧の通り現在ダグスクは人が集まっている事から入街人数に制限をかけている状況です。
 冒険者ギルドも慌ただしくしていうそうです。
 直接、侯爵邸に向かわれる様に言伝てされています。」

 衛兵は誰に言伝されたかなんて言わなかったが、丁寧な案内にイオリが頷くとヒューゴが衛兵に礼を言った。

「有難う御座います。
 分かりました。
 侯爵邸を目指します。」

 衛兵はイオリや子供達のギルドカードを確認すると街へ入れてくれた。

 目端には街に入る許可が降りずに抗議する者や諦めて引き返す者達で騒がしい。

「・・・これはアルさんに文句言わないとな。」

 呟くイオリに同調するように子供達がウンウンと頷いた。

 門を抜けると色取り取りの建物で派手やかな街に迎えられた。

 歴史ある石畳がガタガタと馬車を揺らし、荷台では子供達が楽しそうに笑っていた。

 普通の馬車であれば酔って気分悪くなり景色を楽しむどころではないイオリであるが、自分の馬車でなら不思議と余裕を持って海と街並みを楽しむ事が出来ていた。

「ダグスクだ。」

 当たり前の事を口走るイオリだが、誰も馬鹿にするでもなく同じ様にキラキラと輝く海を見つめた。

 ダグスクの街の領主であるオーウェン・ダグスクの屋敷は岩壁に造られた街の高い場所にあった。
 
 最初の頃は色鮮やかな建物が続いているが、徐々にその数は減り侯爵家の所有する土地まで来ると、あるのは目指す侯爵邸とその別邸くらいのものだ。

 小さな馬車がゴトゴトと音をたてながら侯爵邸へ続く坂道を登って行く。

 侯爵邸の前では人が集まり馬車の姿が見えれば小さな歓声すら上がっていた。

「大歓迎みたい。」
「あっ。カールさんだ!」

 双子が馬車から身を乗り出し手を振ると侯爵家の使用人達が手を振り返している。

 その先頭にいるのがダグスク侯爵家の筆頭執事を務めるカールだった。

 先先代のダグスク侯爵の時代から仕え、若くして侯爵位を継いだオーウェンを支え続ける老齢の執事にはイオリも世話になったものだった。
 イオリにとっては随分と久しぶりの再会になるが、歳を重ねたのを感じさせずに元気そうだ。

「ようこそ
 いらっしゃいました。」

 一斉に頭を下げるダグスク侯爵家使用人一同にイオリは思わずニッコリとした。


※※※※※ ※※※※※

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コミカライズも第2巻が書籍化されました!是非、ご覧下さい。



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