続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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ダグスク 〜再会〜

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 カリカリのベーコンと両面焼いた目玉焼きがのっかったイオリ特製のフワフワのパンケーキを堪能した子供達は満足そうに皿洗いをかって出ていた。

 今日の服装は戦闘服ではなく、街に溶け込む普段着だ。
 スコルはサロペットと白いノースリーブにブーツを合わせ、パティは全く同じ格好に大きなリボンで髪を高く結っていた。
 ナギはサロペットに薄い緑色の半袖を選び、日焼け防止にと外に出る時は帽子をかぶるようだ。
 スカートサロペットを選んだニナは膝の長さのスカートにショートブーツを合わせて三つ編みに小さなリボンをつけていた。

「みんなご機嫌だねぇ。」

「本当にな。
 馴染み深い街は楽しいものな。」

 いつもと一緒の全身真っ黒姿のイオリと、モスグリーンのシャツとベージュのズボン姿のヒューゴが呑気にハーブティーを飲んでいるのを子供達は睨みつけながらも溜息を吐く。

 子供達の不満にも気付かぬふりをしてヒューゴはイオリに顔を向けた。

「今日はギルドとグラトニーか?」

「えぇ、その前にオンリールの領主さんとご挨拶します。」

「あぁ、幼くして領地を継いだ方だな。」

 さすがのヒューゴで、年齢関係なく領地を継いだ当主に対する敬意を失わない。

 貴族だった頃の名残だろうが、荒くれ者達の集まりと思われがちの冒険者においてヒューゴの礼儀正しさは信用に値するものだった。
 それはイオリも同じで物腰の柔らかさから多くの人からの評判がいい。

 中には気に入らない者もいるのだろうが、Sランク2人を前に文句を付ける者も皆無だ。
 もっと言えば、他者の悪意も本当に自分達に刃が向かない限り気にしないのだから相手にもされていないと分かるまでに時間は掛からない。

 子供達も今日はオーウェンの娘のシノと息子のファールと遊ぶ為にイオリ達とば別行動だ。

 お菓子をたっぷりと腰バックに詰めて出ていく子供達とアウラを見送ると、イオリとヒューゴも「さて、行きますか。」と別邸を後にした。

 ダグスク侯爵家の別邸から本邸までは急坂を少し登って行く事になる。

 暑い季節には海の太陽に照らされてジリジリと焼け付く事もあるようだが、イオリが訪れる時はいつも穏やかな天候だ。

 今日も今日とて本邸の入り口には筆頭執事のカールを先頭に数人の侍女と使用人が待っていた。

「おはよう御座います。
 今朝の目覚めは如何でしょう?」

「とても爽やかな朝を迎えましたよ。
 おはよう御座います。カールさん。
 皆さん。」

 侯爵家の選び抜かれた侍女や使用人だというのにイオリの気さくな挨拶にも皆が笑顔で答えてくれる。
 
 ダグスク侯爵家もポーレット公爵家と同じく人が優しい。

「当主オーウェン様とお客人がお待ちです。」

 カールの笑顔にイオリとヒューゴはニッコリと頷いた。

※※※※※ ※※※※※

書籍化第4巻宜しくお願いします!
コミカライズも第2巻が書籍化されました!是非、ご覧下さい。

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