119 / 412
わからせと後始末
117
しおりを挟む「しゃー!!
はいっ!次ぃぃぃ!!」
パティの気合いの入った雄叫びが冒険者ギルドに響き渡る。
「おぉ、やってるな。」
そこに鎧の騎士ことガンツが仲間と共にやって来た。
ケラケラと笑うガンツ達の目の前では、打ちひしがれる冒険者がまた1人と肩を落として仲間達の元へ帰って行った。
・・・何が起こっているのか?
事は、事件の顛末が分かり明けない魔の森から誰1人欠ける事なくポーレットの街に帰還している時だった。
ーーー
「「「「ムゥ・・・。」」」」
子供達の不満そうな顔にイオリは笑った。
「今回の事、納得いかない?」
「そりゃそうだよ。根本的な解決になってないじゃないか。」
イオリの問い掛けに代表して答えのはスコルだった。
あの魔獣の群れに遭遇し、犠牲なく戻ってこれた事は良い結果だった。
でも、主犯格は分からず魔獣の子供が攫われた理由も分かっていない。
実行犯だったクラウン以下仲間の冒険者3名はギルマス・コジモの責任の下に拘束され厳しい取り調べを受ける予定だ。
最も本人達は現在は気絶しており目覚めた時には檻の中だろう。
現状、イオリ達に出来る事は無い。
しかし子供達にとってみれば、今回の調査に大きく貢献していないばかりか、事件が決着をしても子供を攫われた魔獣達が悲しみに暮れている状況で、明けない魔の森が不安定なままである事は変わりない。
何よりも、“自惚れクラウン”達の悪行と惨めな姿を見て、余計にイオリやヒューゴを馬鹿にしてきた他領出身の冒険者達に一泡吹かせてやりたいと不満が溜まっているのだ。
「生きた魔獣の売り買いは、どこの国でも法律違反だよ。
主犯格が何の目的で、こんな事をしているのか調べてもらわないとね。
王都に行ったら、アルさんにも頼んでみよう。」
国王アルフレッドをアルさんと呼び、あまつさえ調べものをさせようというイオリである。
子供達は今尚、不満そうではあるが渋々と頷いた。
すると、御者席に座っていたヒューゴが笑い声を含んだ声で振り返った。
「要はイオリを馬鹿にしている冒険者達にムカついているんだろう?
だったら、勝負してみたらいい。」
ヒューゴの言葉にイオリは嫌そうな顔をした。
「冒険者の私闘は禁止ですよ。
それに俺、無駄な事は嫌です。」
他者の評価など気にもしていないイオリは面倒事の方を嫌がった。
「ハハハっ!
イオリはいいんだよ。
子供達が気に入らない奴を相手にするだけだ。
それに立ち会うわけじゃない。
そうだな・・・腕相撲なんてどうだ?
それなら、ギルド内でも問題ないだろう。」
ヒューゴの言葉に双子は嬉しそうに飛び上がった。
「「それ良いねっ!!」」
「しっかりと心を砕くんだぞ。」
気に入らなければ力でねじ伏せる脳筋スタイルは教育として正しいのか?
でも、楽しそうな子供達を前に苦笑するしかないイオリであった。
2,477
あなたにおすすめの小説
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
目が覚めると私は昔読んでいた本の中の登場人物、公爵家の後妻となった元王女ビオラに転生していた。
人嫌いの公爵は、王家によって組まれた前妻もビオラのことも毛嫌いしており、何をするのも全て別。二人の結婚には愛情の欠片もなく、ビオラは使用人たちにすら相手にされぬ生活を送っていた。
それでもめげずにこの家にしがみついていたのは、ビオラが公爵のことが本当に好きだったから。しかしその想いは報われることなどなく彼女は消え、私がこの体に入ってしまったらしい。
嫌われ者のビオラに転生し、この先どうしようかと考えあぐねていると、この物語の主人公であるルカが声をかけてきた。物語の中で悲惨な幼少期を過ごし、闇落ち予定のルカは純粋なまなざしで自分を見ている。天使のような可愛らしさと優しさに、気づけば彼を救って本物の家族になりたいと考える様に。
二人一緒ならばもう孤独ではないと、私はルカとの絆を深めていく。
するといつしか私を取り巻く周りの人々の目も、変わり始めるのだったーー
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる