続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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わからせと後始末

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 王都の様子を想像し静まり返った部屋でニコライがコホンと咳払いをした。

「件の実行犯の冒険者だがな。
 実家が王都で店を開いていると聞いた。
 そちらの方も調べて貰う事になっている。
 若い冒険者が国の禁忌に軽々しく手を掛けるとは思えない。 
 裏に誰かいるはずだ。」

「勿論そうでしょうね。
 若い癖に高価な装飾を身に付けていましたからね。
 親の懐から出た金で揃えたのかと思ってましたけど、そっちも認識を改めた方がいい。」

 ニコライとギルマス・コジモは互いに頷き合った。

「イオリはどう見る?」

 ヴァルトに話しを振られたイオリは肩を竦めた。

「明けない魔の森の生態系が崩されようとしていました。
 どんな変化を齎すのか追加の調査が必要でしょうね。
 もう、魔獣が今日の様に襲ってくる事はないとは思いますが注意して下さい。」

 イオリの言葉にギルマスは神妙そうに頷いた。

「・・・拐かされた魔獣の子供だがな。」

「探しますよ。
 彼等との約束ですから。
 人と魔獣が一緒に生きるには互いの努力が必要です。
 傍若無人に生活を奪われた魔獣達が人に混じって生きる事に我慢するはずがないんです。
 放っておけば、いつか大きな問題が起こりますよ。
 彼等は彼等が望む場所で生きる必要があります。」

 望む場所・・・それは、自然の中だけの話ではない。
 イオリと契約しているアウラの様に主人を受け入れている魔獣を含め、魔獣にも選択肢があると言っているのだ。

「マテオさんの時代に街で魔獣が暴れたって聞きましたけど?」

「あぁ、それな。
 それこそ、初代王が魔獣の取り扱いに敏感になった事件だ。
 貴族の子息女ならば誰しもが学ぶ歴史だ。」

 ニコライは学生時代を思い出すように顎に手を当て思案顔になった。

「建国当時はまだまだ荒々しい情勢が続いて、国事態は出来たが法の整備が始まった頃だった。
 今でこそ様々な法の存在が当たり前になっているが、当時は生きる事に必死で国王は着手すべき事案が多かった。」

 試行錯誤

 頭を悩ますマテオを想像してイオリは優しく微笑んだ。

「まぁ、当然の事だと思う。
 混沌とした時代に生まれた英雄に対する期待は想像以上に大きかったろうし、どんな法が必要なのかは実際に問題が起こってからでないと分からないからな。」

 ニコライの言葉に皆が頷いた。

「その最中に起こったのが魔獣の暴走だ。」

 ニコライは真っ直ぐにイオリを見つめた。

「暴走と言ってもスタンピードの事じゃない。
 労働力として連れてこられた魔獣が街中で暴れたんだ。
 歴史書では牛型の魔獣とだけ記録されている。
 重い物でも運ばせていたんだろうな。
 大きな被害が出たと聞く。」

 街中で暴れる牛を想像したイオリは顔を顰めた。



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