183 / 452
王都 〜再会〜
181
ポーレット公爵一家と騎士団が王都の市民達の歓声に迎えられていた頃。
小さな馬車は一行から離れ、王都の街をゆっくりと馬車で進んでいた。
「凄い歓声だね。」
「ふふふ。今まで馬車は空だったのに。」
スコルとパティは顔を見合わせると、イタズラが成功した時の様にクスクスと笑った。
「さすがナギだね。
上手にやってくれだんだね。」
王都入り直前で目覚めたイオリは嬉しそうに肩に載っていたゼンの頭を撫でる。
「予定通り、冒険者ギルドに向かうぞ。」
ヒューゴが御者席から振り返れば、イオリと双子が親指を立てた。
イオリにとって久しぶりの王都だ。
周囲を見渡せた街並みに変わりはないようだ。
ポーレットよりも大規模な街には多くの人が暮らし、国中からも人が集まっている。
街が活気溢れる様子を見れば、国王アルフレッドの統治が結果を齎していた。
ポーレット公爵一家の到着を見ようと今も走っている人々にイオリはクスッとした。
「俺の事を人たらしだか何だか言うけれど、テオさんも大概に人たらしだと思うんだけど。」
思わず口に出た感想に双子やヒューゴは肩を震わせて笑った。
「確かにな。
王都を離れて随分経つのに、今もあんなに人気なんだ。
現役で王子をされていた時代なんて、アルフレッド様と人気を二分したと聞いた事がある。」
ヒューゴがそう言えば、驚きながらパティが身を乗り出した。
「えっ?だって、その時にはオルガちゃんと婚約してたんじゃないの?」
「だからだよ。
幼くして婚約したオルガ夫人を大層大切にされている姿に多くの淑女や令嬢達が憧れ、自分に重ねたんだそうだ。」
「自分のものにならないのに、ご苦労な事だね。」
スコルが呆れたように言うとヒューゴは苦笑した。
「まぁな。
現に王弟の妃の座を狙って御2人の結婚を阻止しようとした家もいた。
勿論、テオルド様もお怒りになったが、何よりも先王フェラーデ様の逆鱗に触れたそうだ。」
ヒューゴはかつてアースガイルの社交界で巻き起こった騒動を話した。
「フェラーデ様って、確かアルとテオのパパ?」
興味が出てきたのかスコルまでヒューゴに纏わりついて続きを急かした。
「そうだ。
俺も聞いた事があるだけだが、当時は相当話題なった事件らしい。
オルガ様を気に入ってテオルド様の婚約者に決めたのは先王だ。
国と息子を想って考え抜いた自分の決定を、何処ぞの貴族の欲望に汚されて激怒したって。」
「「おぉぉ。」」
双子は何をそんなに感動する事があるのか、手をパチパチと叩いた。
「その貴族や、当事者の令嬢はどうなったんですか?」
イオリが聞けばヒューゴは頭を掻いた。
「う~ん。
何かしらの罰は与えられたのだうが、どうだったかな。」
王都の市民の歓声を聞きながら、昔の話を聞いたイオリは「やっぱり貴族は面倒だな。」と王城を見上げた。
ゆっくりと揺られていた馬車は冒険者ギルドの大きな扉の前で停まった。
小さな馬車は一行から離れ、王都の街をゆっくりと馬車で進んでいた。
「凄い歓声だね。」
「ふふふ。今まで馬車は空だったのに。」
スコルとパティは顔を見合わせると、イタズラが成功した時の様にクスクスと笑った。
「さすがナギだね。
上手にやってくれだんだね。」
王都入り直前で目覚めたイオリは嬉しそうに肩に載っていたゼンの頭を撫でる。
「予定通り、冒険者ギルドに向かうぞ。」
ヒューゴが御者席から振り返れば、イオリと双子が親指を立てた。
イオリにとって久しぶりの王都だ。
周囲を見渡せた街並みに変わりはないようだ。
ポーレットよりも大規模な街には多くの人が暮らし、国中からも人が集まっている。
街が活気溢れる様子を見れば、国王アルフレッドの統治が結果を齎していた。
ポーレット公爵一家の到着を見ようと今も走っている人々にイオリはクスッとした。
「俺の事を人たらしだか何だか言うけれど、テオさんも大概に人たらしだと思うんだけど。」
思わず口に出た感想に双子やヒューゴは肩を震わせて笑った。
「確かにな。
王都を離れて随分経つのに、今もあんなに人気なんだ。
現役で王子をされていた時代なんて、アルフレッド様と人気を二分したと聞いた事がある。」
ヒューゴがそう言えば、驚きながらパティが身を乗り出した。
「えっ?だって、その時にはオルガちゃんと婚約してたんじゃないの?」
「だからだよ。
幼くして婚約したオルガ夫人を大層大切にされている姿に多くの淑女や令嬢達が憧れ、自分に重ねたんだそうだ。」
「自分のものにならないのに、ご苦労な事だね。」
スコルが呆れたように言うとヒューゴは苦笑した。
「まぁな。
現に王弟の妃の座を狙って御2人の結婚を阻止しようとした家もいた。
勿論、テオルド様もお怒りになったが、何よりも先王フェラーデ様の逆鱗に触れたそうだ。」
ヒューゴはかつてアースガイルの社交界で巻き起こった騒動を話した。
「フェラーデ様って、確かアルとテオのパパ?」
興味が出てきたのかスコルまでヒューゴに纏わりついて続きを急かした。
「そうだ。
俺も聞いた事があるだけだが、当時は相当話題なった事件らしい。
オルガ様を気に入ってテオルド様の婚約者に決めたのは先王だ。
国と息子を想って考え抜いた自分の決定を、何処ぞの貴族の欲望に汚されて激怒したって。」
「「おぉぉ。」」
双子は何をそんなに感動する事があるのか、手をパチパチと叩いた。
「その貴族や、当事者の令嬢はどうなったんですか?」
イオリが聞けばヒューゴは頭を掻いた。
「う~ん。
何かしらの罰は与えられたのだうが、どうだったかな。」
王都の市民の歓声を聞きながら、昔の話を聞いたイオリは「やっぱり貴族は面倒だな。」と王城を見上げた。
ゆっくりと揺られていた馬車は冒険者ギルドの大きな扉の前で停まった。
あなたにおすすめの小説
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
「ちょっと待った」コールをしたのはヒロインでした
みおな
恋愛
「オフェーリア!貴様との婚約を破棄する!!」
学年の年度末のパーティーで突然告げられた婚約破棄。
「ちょっと待ってください!」
婚約者に諸々言おうとしていたら、それに待ったコールをしたのは、ヒロインでした。
あらあら。婚約者様。周囲をご覧になってくださいませ。
あなたの味方は1人もいませんわよ?
ですが、その婚約破棄。喜んでお受けしますわ。
断罪される令嬢は、悪魔の顔を持った天使だった
Blue
恋愛
王立学園で行われる学園舞踏会。そこで意気揚々と舞台に上がり、この国の王子が声を張り上げた。
「私はここで宣言する!アリアンナ・ヴォルテーラ公爵令嬢との婚約を、この場を持って破棄する!!」
シンと静まる会場。しかし次の瞬間、予期せぬ反応が返ってきた。
アリアンナの周辺の目線で話しは進みます。
ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ
⚪︎
恋愛
公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。
待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。
ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……
私を追い出した結果、飼っていた聖獣は誰にも懐かないようです
天宮有
恋愛
子供の頃、男爵令嬢の私アミリア・ファグトは助けた小犬が聖獣と判明して、飼うことが決まる。
数年後――成長した聖獣は家を守ってくれて、私に一番懐いていた。
そんな私を妬んだ姉ラミダは「聖獣は私が拾って一番懐いている」と吹聴していたようで、姉は侯爵令息ケドスの婚約者になる。
どうやらラミダは聖獣が一番懐いていた私が邪魔なようで、追い出そうと目論んでいたようだ。
家族とゲドスはラミダの嘘を信じて、私を蔑み追い出そうとしていた。
断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました
ララ
恋愛
3話完結です。
大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。
それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。
そこで見たのはまさにゲームの世界。
主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。
そしてゲームは終盤へ。
最後のイベントといえば断罪。
悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。
でもおかしいじゃない?
このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。
ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。
納得いかない。
それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。