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王都 〜再会〜
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どの街よりも大きな建物である王都の冒険者ギルドは扉を開くと幾つもの受付カウンターが並び、依頼ボードも四方にあった。
2階に食堂兼バーがあり、いつ何時でも賑やかな声が響いている。
ここには、他の賑わっているカウンターと違って、受付係すら座っていない誰も並んでいないカウンターがある。
他と違ってシンプルな作りのその場所は知る人が知るSランク冒険者の為のカウンターだ。
普段、近づく者などいないカウンターの前にエルフの少年と小さな少女が立っていた。
遠巻きに見ている者も不思議そうにしているが誰も2人に声をかける事はない。
そんな中、ギルドの扉が開き、2人の男と2人の子供が入ってきた。
1人は真っ黒な姿で、1人は大柄で堅いが良い。
子供達は一目で双子と分かる狼獣人だった。
「「皆んなっ!!」」
嬉しそうに駆け寄る2人の子供に冒険者達の多くは「なんだ、待ち合わせか」と興味を失ったようだが、数少ない者達の中には男2人の正体に気づき、驚いた顔をしている者もいた。
「ようやく到着したのかい。
待ちくたびれて仕方がないよ。」
聞き覚えのある声にイオリはニッコリとした。
「お久しぶりです。ミラチュラさん。」
受付嬢の制服を着た小さな老婆が歓迎の微笑みを浮かべイオリを見上げていた。
「ミラで良いって言ってるだろう。
よく来たね。
この子達もお利口に待っていたよ。
ほら、皆んなおいで。
話さなきゃならない事もあるだろう?」
「はい。」
手招く老婆・・・冒険者ギルド王都本部のサブマスター・ミラチュラはイオリ達をSランクカウンターではなく奥にある部屋に誘っていく。
ミラが扉を閉めると、終始その様子を見ていた幾人かの冒険者達はコソコソと話し始めた。
「おい。今のって・・・。」
「あぁ、ポーレット公爵の到着の事も考えると恐らくあれが・・・。」
「じゃあ、隣にいたデカいのがイルミ・・・。」
「やめとけ、気づいてないのもいる。
無駄に騒いでギルドやSランクに目を付けられるのも面倒だ。」
「そうだな。
・・・いや、本当に存在するんだな。」
ーーー王都にSランク冒険者が2人が到着した。
冒険者の中で、そんな話が誠しやかに囁かれた。
現在の王都には王太子と第二王子の結婚の話で盛り上がっている。
国中から貴族が集まり、街の中もいつも以上に騒がしさを見せていた。
その中を悪意ある者達が紛れ込むのも、また世の常である。
そして、そういう輩こそ情報には耳敏いものだ。
人々の視線は煌びやかな話題に眩み、暗闇で起こっている事に気づく事はない。
そして気づいた時には遅いなんて事も多い。
2階に食堂兼バーがあり、いつ何時でも賑やかな声が響いている。
ここには、他の賑わっているカウンターと違って、受付係すら座っていない誰も並んでいないカウンターがある。
他と違ってシンプルな作りのその場所は知る人が知るSランク冒険者の為のカウンターだ。
普段、近づく者などいないカウンターの前にエルフの少年と小さな少女が立っていた。
遠巻きに見ている者も不思議そうにしているが誰も2人に声をかける事はない。
そんな中、ギルドの扉が開き、2人の男と2人の子供が入ってきた。
1人は真っ黒な姿で、1人は大柄で堅いが良い。
子供達は一目で双子と分かる狼獣人だった。
「「皆んなっ!!」」
嬉しそうに駆け寄る2人の子供に冒険者達の多くは「なんだ、待ち合わせか」と興味を失ったようだが、数少ない者達の中には男2人の正体に気づき、驚いた顔をしている者もいた。
「ようやく到着したのかい。
待ちくたびれて仕方がないよ。」
聞き覚えのある声にイオリはニッコリとした。
「お久しぶりです。ミラチュラさん。」
受付嬢の制服を着た小さな老婆が歓迎の微笑みを浮かべイオリを見上げていた。
「ミラで良いって言ってるだろう。
よく来たね。
この子達もお利口に待っていたよ。
ほら、皆んなおいで。
話さなきゃならない事もあるだろう?」
「はい。」
手招く老婆・・・冒険者ギルド王都本部のサブマスター・ミラチュラはイオリ達をSランクカウンターではなく奥にある部屋に誘っていく。
ミラが扉を閉めると、終始その様子を見ていた幾人かの冒険者達はコソコソと話し始めた。
「おい。今のって・・・。」
「あぁ、ポーレット公爵の到着の事も考えると恐らくあれが・・・。」
「じゃあ、隣にいたデカいのがイルミ・・・。」
「やめとけ、気づいてないのもいる。
無駄に騒いでギルドやSランクに目を付けられるのも面倒だ。」
「そうだな。
・・・いや、本当に存在するんだな。」
ーーー王都にSランク冒険者が2人が到着した。
冒険者の中で、そんな話が誠しやかに囁かれた。
現在の王都には王太子と第二王子の結婚の話で盛り上がっている。
国中から貴族が集まり、街の中もいつも以上に騒がしさを見せていた。
その中を悪意ある者達が紛れ込むのも、また世の常である。
そして、そういう輩こそ情報には耳敏いものだ。
人々の視線は煌びやかな話題に眩み、暗闇で起こっている事に気づく事はない。
そして気づいた時には遅いなんて事も多い。
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