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そして混迷は次代へ
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「私のドレスがっ!
ちょっと、待ちなさい!
それは貴重な宝石で作られた首飾りなのですよ!
どこに持っていくのです!?」
どんなに騒いでも騎士達は関係なく、着々と高価な品や服を運び出して行く。
美しさを誇る離宮“芍薬の宮”は現在、武装した騎士達の思うままになっていた。
離宮の主人である第2側妃ハリエは己の命令を聞かない騎士達に苛立ちを見せ、近くにあったトレーを側を通った騎士に投げつけた。
バンっ!
大きな音を立てて転がるトレーを手に取ると、騎士は注意深く確認し、何を言うでもなく廊下に持ち去って行った。
「なっ!」
全くもって相手にされる事のないハリエ妃は唖然としながらも、無機質に行動する騎士達に恐怖が芽生え始めていた。
ジャンヴィエ・リーンが姿を見せたのは、そんな時だった。
「何故、彼がトレーを持ち出したのか分かりませんか?」
会えば挨拶を交わす程度の付き合いしかしていないジャンヴィエ・リーンの登場にハリエ妃は戸惑うばかりだ。
「あのトレーの細工には金や宝石が使われているのです。
トレー如きに贅沢な品です。
国の復興に役立たせて頂きますよ。」
「なんですって?
そんな事、陛下が許さないわ!」
「残念ながら、皇帝ハイゴール・ウィリ・ロンサンティエは退位されました。
これからは私が帝国の舵取りを担います。
私は父上の様には甘くない。」
驚愕な情報に瞠目するハリエ妃であったが、すぐに顔を歪めた。
「私はバルカン公国から国同士の取り決めのもとに嫁いで参ったのです。
国際問題にでもするおつもり?」
それに対してジャンヴィエ・リーンは鼻で笑った。
「帝国の金を湯水の如く使い、疲弊する帝国民を蔑ろになされてきた。
貴方こそが国際問題を引き起こした張本人ではありませんか。」
「それは陛下が私に送って下された物です!」
「帝国民は飢えに飢えているのです。
貴方の言い分を受け入れる事はないでしょう。
沙汰を下すまで、特別牢でお待ち下さい。」
自分は公国の姫であり、この国の皇帝の妻の1人だと叫ぶハリエ妃の言葉を聞くに耐えないと顔を顰めるとジャンヴィエ・リーンは部屋を出ながら振り向いた。
「因みに、貴方の息子マルト・ジョンは既に捉えられています。
貴方の行動如何によって、彼の処遇も変わるでしょう。」
その言葉を最後にハリエ妃は悔しそうに口を噤むのだった。
ハリエ妃と同じ立場であり、離宮“桔梗の宮”の主人である第3側妃カラの場合、もっと壮絶だった。
ハリエ妃と同じく騎士の行いに怒ったカラ妃は剣を取り出した。
同じく剣術を好む娘サツキ・ミーナと共に騎士に対して激しい抵抗を見せたのだ。
カラ妃は剣に長けたイースタン国という小国の出身であり、実に優秀な剣術家であった。
その母に教えを乞うサツキ・ミーナも騎士勝りの巧みな技術を持っていた。
“桔梗の宮”では他の場所と違い、多くの血が流れた。
「辱めを受けぬっ!」
ついにはカラ妃自ら、離宮に火を放った。
到着したジャンヴィエ・リーンは燃え上がる“桔梗の宮”を見上げ、大きな舌打ちをした。
「愚かな者は、最後まで愚かだ。
・・・行くぞ。
次は“桃華の宮”だ。」
騒ぎは終わりを見せる事なく時が過ぎていく。
ちょっと、待ちなさい!
それは貴重な宝石で作られた首飾りなのですよ!
どこに持っていくのです!?」
どんなに騒いでも騎士達は関係なく、着々と高価な品や服を運び出して行く。
美しさを誇る離宮“芍薬の宮”は現在、武装した騎士達の思うままになっていた。
離宮の主人である第2側妃ハリエは己の命令を聞かない騎士達に苛立ちを見せ、近くにあったトレーを側を通った騎士に投げつけた。
バンっ!
大きな音を立てて転がるトレーを手に取ると、騎士は注意深く確認し、何を言うでもなく廊下に持ち去って行った。
「なっ!」
全くもって相手にされる事のないハリエ妃は唖然としながらも、無機質に行動する騎士達に恐怖が芽生え始めていた。
ジャンヴィエ・リーンが姿を見せたのは、そんな時だった。
「何故、彼がトレーを持ち出したのか分かりませんか?」
会えば挨拶を交わす程度の付き合いしかしていないジャンヴィエ・リーンの登場にハリエ妃は戸惑うばかりだ。
「あのトレーの細工には金や宝石が使われているのです。
トレー如きに贅沢な品です。
国の復興に役立たせて頂きますよ。」
「なんですって?
そんな事、陛下が許さないわ!」
「残念ながら、皇帝ハイゴール・ウィリ・ロンサンティエは退位されました。
これからは私が帝国の舵取りを担います。
私は父上の様には甘くない。」
驚愕な情報に瞠目するハリエ妃であったが、すぐに顔を歪めた。
「私はバルカン公国から国同士の取り決めのもとに嫁いで参ったのです。
国際問題にでもするおつもり?」
それに対してジャンヴィエ・リーンは鼻で笑った。
「帝国の金を湯水の如く使い、疲弊する帝国民を蔑ろになされてきた。
貴方こそが国際問題を引き起こした張本人ではありませんか。」
「それは陛下が私に送って下された物です!」
「帝国民は飢えに飢えているのです。
貴方の言い分を受け入れる事はないでしょう。
沙汰を下すまで、特別牢でお待ち下さい。」
自分は公国の姫であり、この国の皇帝の妻の1人だと叫ぶハリエ妃の言葉を聞くに耐えないと顔を顰めるとジャンヴィエ・リーンは部屋を出ながら振り向いた。
「因みに、貴方の息子マルト・ジョンは既に捉えられています。
貴方の行動如何によって、彼の処遇も変わるでしょう。」
その言葉を最後にハリエ妃は悔しそうに口を噤むのだった。
ハリエ妃と同じ立場であり、離宮“桔梗の宮”の主人である第3側妃カラの場合、もっと壮絶だった。
ハリエ妃と同じく騎士の行いに怒ったカラ妃は剣を取り出した。
同じく剣術を好む娘サツキ・ミーナと共に騎士に対して激しい抵抗を見せたのだ。
カラ妃は剣に長けたイースタン国という小国の出身であり、実に優秀な剣術家であった。
その母に教えを乞うサツキ・ミーナも騎士勝りの巧みな技術を持っていた。
“桔梗の宮”では他の場所と違い、多くの血が流れた。
「辱めを受けぬっ!」
ついにはカラ妃自ら、離宮に火を放った。
到着したジャンヴィエ・リーンは燃え上がる“桔梗の宮”を見上げ、大きな舌打ちをした。
「愚かな者は、最後まで愚かだ。
・・・行くぞ。
次は“桃華の宮”だ。」
騒ぎは終わりを見せる事なく時が過ぎていく。
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