溜息だって吐きたくなるわっ!〜100賢人仕込みの龍姫は万年反抗期〜

ぽん

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災いは何でもない事から発覚する

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 フロドゥール国とドラゴニルスが繋がっている・・・。

 皇帝ファヴィリエ・ルカは今、明確な危機感を持っていた。

「フィリックス。
 皆にフロドゥールの昨今の動向を説明してくれ。」

「承知しました。」

 宰相フィリックス・ガルシアは近々に得た情報を一同に聞かせた。

 フロドゥールは近隣の小国を扇動し武装させようとしていると・・・。

 どうやらフロドゥールのきな臭さは有名らしく、驚く者はいなかった。

「そして、今回のドラゴニルスの動きです。
 明らかに我らに敵対ありと見るべきでしょう。
 さてさて、帝国としては毎度の如く警告を送りましょう。
 今までは、これで止むのですが、今回はそうはいかないでしょうね。」

 フィリックスの視線を受けたリリィが顔を歪める。

「・・・私が帝国に来たからね。」

「はい。
 彼らの執着が本物なら、リリィ様は狙われ続けます。」

 ハッキリと言ったフィリックスにリリィは頭を抱えた。

「面倒な事になるわね・・・。」

 リリィの苦心を慮ったファヴィリエ・ルカが優しく微笑む。

「私は未熟だけれど、彼の国のいい様にはさせないよ。」

 それを聞いたリリィは弱々しく微笑んだ。
 そんな中、婚約者を守ろうと決意するファヴィリエ・ルカの頭を小突く者がいた。

 それは顕現した緑龍・ジンの尻尾だった。

『小僧よ。リリィの溜息はそんな小さい事じゃない。』

「え?」

 いまいちピンときていないファヴィリエ・ルカの目の前に今度は白銀の龍・ルーチェがやって来た。

『国を崩壊させる事なんてリリィには朝飯前だよ。
 問題は龍だ。』

 ルーチェの言葉にファヴィリエ・ルカは眉間に皺を寄せた。
 すると、それまで静かに聞いていたディミトリオ・ハクヤまでもが頭を抱え始めた。

「やはりそうか!
 リリィが危険に巻き込まれようとしているのだ。
 龍達が黙っている訳がないと思っていた。
 龍1匹で国をいとも簡単壊す事ができるのだ。
 それが何匹も襲うとなれば・・・。」

「地獄ですね。」

 ディミトリオ・ハクヤの言葉を引き取ったラザロ・ウィットヴィルは何だかんだ楽しそうだ。

「え?えっ?」

 次第に事態を理解し始めたファヴィリエ・ルカの動きがおかしくなっていく。

「どうしよう。
 カシャの耳に入ったら、フロドゥールだっけ?その国は火の海よ。」

 赤龍・カシャの暴走を心配し、ウンザリしながら天井を見上げるリリィの隣ではディミトリオ・ハクヤが頭を掻き毟っている。

 緑龍・ジンは諌めるようにリリィの肩に乗り頬擦りをした。

『まあ、落ち着け。
 カシャとて無闇にやらかしはせんだろう。』

 すると白銀の龍・ルーチェがイタズラ顔で囁いた。

『でも案外、スイテン辺りが手が付けられなくなるかもよ。
 いつも静かな奴がキレるとヤバいんだよね。』

『脅すでない。見よ!
 ルカの思考が停止しているではないか。
 フィリックスよ。安心せよ。
 龍がリリィを無視して暴走する事はないのだから。』

 宥める緑龍・ジンであったが皇帝の執務室の騒然さが収まる様子がない。

「もう、面倒臭いからフロドゥールを龍に滅ぼしてもらったら良いじゃないですか。」

「私も同じ意見だね。
 事が早く済んで楽だ。」

 そんな中、ウィットヴィル兄弟の恐ろしい提案は皇帝・宰相・大公・龍の姫巫女によって却下されるのだった。
 

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