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積み重ねられた嘘の瓦解
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「ヒッ!虎!」
いつのまにか主人の元に顕現していた白い虎は真っ直ぐにアバリシア・ルマンを見つめていた。
「この子は私の契約妖精だ。
時の魔法を使う。
クロス。
もう一度、あの時の様子を見せてくれるかい?」
ファヴィリエ・ルカに頭を撫でられたクロスは満足そうに「カフッ」と小さく息を吐くと、あの時と同じ様に霧のスクリーンに過去を映し出した。
「何?何なの・・・。」
初めこそ何が起こっているのか分からずにいたアバリシア・ルマンであったが、スクリーンに若き頃のステラ姫が映し出されるとハッと息を飲んだ。
あんなに憧れたステラ姫である。
肖像画だって大量に所有しているのだ。間違えるはずがない。
アバリシア・ルマンは絵画の中ではないステラ姫の微笑む姿に目が釘付けになった。
「アバリシアよ。
気づいたか。
あれは大叔母様だ。
そして、共にいるのが大叔母様の・・・ステラ姫の最初の婚約者であったピウス・プラント公爵子息だ。」
「・・・最初の婚約者?」
国王レイド・フロドゥールの言葉にアバリシア・ルマンは困惑した顔で振り返った。
「そうだ。
ステラ姫とピウス・ブラント公爵子息は実に仲睦まじかったそうだ。
大叔母上の日記にも記されていた。」
「日記。」
アバリシア・ルマンの知るステラ姫の人生にピウス・プラントなんて男がいたなど存在しなかった。
「刮目して見よ。
私達は知らなければならない。」
国王の言葉にビクリとしたアバリシア・ルマンは再び映像に目をやった。
そこにはピウス・ブラントが魔獣と戦う姿が映し出されていた。
「これは件のスタンピードの時だ。
ピウス・プラントも公爵子息として従事していたそうだ。」
スタンピードの事件はアバリシア・ルマンも勿論知っていた。
曽祖父であるトルン・ルマンが英雄として戦いに参加した話は有名である。
場面は一気に切り替わり、夕日を浴びながら話す2人の若者が映っていた。
「・・・お祖父様?」
アバリシア・ルマンが見間違えるはずがなかった。
大好きだった祖父の膝に乗り、彼の若き頃の肖像画を見ながら武勇伝を何度聞いた事か。
目の前で動く祖父に微笑みを浮かべたその時だった。
「えっ・・・。」
彼女は目撃した。
祖父がピウス・プラントを突き落とした瞬間を・・・。
勝ち誇った醜悪な笑みは何度見ても気持ちの良いものではなく、国王レイド・フロドゥールは思わず顔を逸らした。
祖父の所業が理解出来ないのか、アバリシア・ルマンは流れていく映像を呆然として見つめている。
帰還した後、悲観するステラ姫に対する態度を目にすると耐えられないとばかりに叫んだ。
「やめて!!
こんな出鱈目!」
烈火の如く怒る様は、先程までとは少し違い悲しみが帯びていた。
「祖父は、この国で宰相を務めた男よ。
それを、こんな形で侮辱するなんて・・・。」
信じらられないと国王に縋るように近づいたアバリシア・ルマンは、国王の有無を言わせない表情にビクッと体をこわばらせた。
「残念ながら事実だ。
大叔母様の日記とも一致する。
我ら王家の宝であったステラ姫の婚約者を殺したのは、お前の祖父レンク・ルマンである。」
アバリシア・ルマンにとって残酷な真実だった。
いつのまにか主人の元に顕現していた白い虎は真っ直ぐにアバリシア・ルマンを見つめていた。
「この子は私の契約妖精だ。
時の魔法を使う。
クロス。
もう一度、あの時の様子を見せてくれるかい?」
ファヴィリエ・ルカに頭を撫でられたクロスは満足そうに「カフッ」と小さく息を吐くと、あの時と同じ様に霧のスクリーンに過去を映し出した。
「何?何なの・・・。」
初めこそ何が起こっているのか分からずにいたアバリシア・ルマンであったが、スクリーンに若き頃のステラ姫が映し出されるとハッと息を飲んだ。
あんなに憧れたステラ姫である。
肖像画だって大量に所有しているのだ。間違えるはずがない。
アバリシア・ルマンは絵画の中ではないステラ姫の微笑む姿に目が釘付けになった。
「アバリシアよ。
気づいたか。
あれは大叔母様だ。
そして、共にいるのが大叔母様の・・・ステラ姫の最初の婚約者であったピウス・プラント公爵子息だ。」
「・・・最初の婚約者?」
国王レイド・フロドゥールの言葉にアバリシア・ルマンは困惑した顔で振り返った。
「そうだ。
ステラ姫とピウス・ブラント公爵子息は実に仲睦まじかったそうだ。
大叔母上の日記にも記されていた。」
「日記。」
アバリシア・ルマンの知るステラ姫の人生にピウス・プラントなんて男がいたなど存在しなかった。
「刮目して見よ。
私達は知らなければならない。」
国王の言葉にビクリとしたアバリシア・ルマンは再び映像に目をやった。
そこにはピウス・ブラントが魔獣と戦う姿が映し出されていた。
「これは件のスタンピードの時だ。
ピウス・プラントも公爵子息として従事していたそうだ。」
スタンピードの事件はアバリシア・ルマンも勿論知っていた。
曽祖父であるトルン・ルマンが英雄として戦いに参加した話は有名である。
場面は一気に切り替わり、夕日を浴びながら話す2人の若者が映っていた。
「・・・お祖父様?」
アバリシア・ルマンが見間違えるはずがなかった。
大好きだった祖父の膝に乗り、彼の若き頃の肖像画を見ながら武勇伝を何度聞いた事か。
目の前で動く祖父に微笑みを浮かべたその時だった。
「えっ・・・。」
彼女は目撃した。
祖父がピウス・プラントを突き落とした瞬間を・・・。
勝ち誇った醜悪な笑みは何度見ても気持ちの良いものではなく、国王レイド・フロドゥールは思わず顔を逸らした。
祖父の所業が理解出来ないのか、アバリシア・ルマンは流れていく映像を呆然として見つめている。
帰還した後、悲観するステラ姫に対する態度を目にすると耐えられないとばかりに叫んだ。
「やめて!!
こんな出鱈目!」
烈火の如く怒る様は、先程までとは少し違い悲しみが帯びていた。
「祖父は、この国で宰相を務めた男よ。
それを、こんな形で侮辱するなんて・・・。」
信じらられないと国王に縋るように近づいたアバリシア・ルマンは、国王の有無を言わせない表情にビクッと体をこわばらせた。
「残念ながら事実だ。
大叔母様の日記とも一致する。
我ら王家の宝であったステラ姫の婚約者を殺したのは、お前の祖父レンク・ルマンである。」
アバリシア・ルマンにとって残酷な真実だった。
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