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フロドゥールの後始末
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しおりを挟むーーー本当に傲慢になったら止めてくれる優秀な宰相がいる。
皇帝自らに、そう言われた宰相フィリックス・ガルシアは胡乱な目を向けた。
「本当に面倒な主人なら俺はとうに逃げてる。」
2人のやり取りをフロドゥール国王レイド・フロドゥールは、ロンサンティエ帝国を支える若き皇帝と宰相を頼もしく見ていた。
「さて、フロドゥールは龍にどの様な罰を受けるのだろうか。
出来れば、その怒りの責は我ら王族の命で留めて頂きたいものだが・・・。」
覚悟を持ったレイド・フロドゥールにリリィはキョトンとした。
「命?そんなものいらないわよ。」
リリィは不機嫌そうに顔を歪めた。
「貴方、自分で決めたじゃない。
正しい歴史を国に伝えるのしょう?
それって、1年や2年で成し遂げるの難しいわよ。
寿命尽きるまでに終える事すら分からないじゃない。
それって相当な罰だわ。」
リリィの言っている事は、罰というには些か優しい。
何故なら、生きろと言っているのだから。
「しかし・・・それで良いのか?
我らは龍だけでなく、救世主の作り上げたロンサンティエ帝国を侮辱し続けたのだぞ?」
それにはファヴィリエ・ルカは困った様に笑った。
「それを言うなら、ロンサンティエ帝国こそ真っ先に滅ぶ必要があるでしょう。
龍の恩恵を享受しながら、その役目を放棄し自堕落に身を落とした張本人達です。」
そう聞けば、確かにそうだと困惑した顔のレイド・フロドゥールにリリィは笑った。
「そもそも、龍は最初からフロドゥール国に怒ってなどいないのよ。
本気で怒っていたら初代王妃フィリアが、ジョルジュの偽りの人生を口にした時に、とっくに滅ぼされているわ。
レンク・ルマンが野心を持った時だってフロドゥール国に龍は干渉しなかった。
人間の過ちに龍はいちいち口を出さないの。
人間が人間を苦しめ、また人間が手を取り合い愛を育むのよ。
龍は愚かな人間すら見守っているの。」
人間の罪の後始末を龍に押し付けるな。
リリィの言葉はレイド・フロドゥールに、そう聞こえた。
_____
「国王として、私にはまだまだやれる事があるのだな。」
リリィの厳しさの中にある優しさに触れたレイド・フロドゥールは困惑する貴族達を前に落ち着きを見せていた。
「フロドゥールは、まだ終わらない。
龍が・・・龍の姫巫女が、そう教えてくれた。
初代ジョルジュが不条理に抗った様に、我らも今一度、国を支える礎になろう。
それこそ、これまで偽りの歴史の上で民を謀ってきた王家や貴族が信頼を取り戻すきっかけとなるだろう。
我らはロンサンティエ帝国から龍を奪われたのではない。
既に龍より恩恵を得ていた。
そこから、知っていこう。」
国王の言葉に、貴族達は1人1人瞳に光を携えるでだった。
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