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五日目(五)
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なでなで…
「あ、あの…」
あれからどれくらいだったのでしょうか?…僕の感覚だと結構たったように感じます。
なでなで…
「あ、あの……」
この言葉を繰り返すのも何回目でしょうか…そろそろ頑張って大きい声を出した方が良い気がしてきました。
「……」
あ、やっぱり無理です。体が言うことを聞いてくれない…
『称号〖人見知り〗を獲得しました。』
…………ゑ…?
なんですかその不名誉な称号は…
称号〖人見知り〗
人と話す時に滑舌が悪くなり、またどうしようもない恥ずかしさを感じるようになる。心で思っていても体が動かない…大丈夫、きっと時間が解決してくれるはずさ…
…………うん。色々ツッコミたいけど一旦置いとこう……
とにかく体が動かない理由はわかったからよしとしよう…
いや、ほかが良くないんだけど…
その前に称号って詳細見れたんだ…他の称号も気になるし後で見てみよう。
なでなで…
「………」
まだ撫でられてる…いつになったら終わるんでしょうかね…
ガチャ…
「……え?なんですこの状況…」
あ、誰か来た……
「…っ!(ビクッ」
っ…え?なんでこんなに恥ずかしさが込み上げてくるんでしょ……あ、さっき取った称号のせいですか…
「ん?…お、おぉ、すまんすまんあまりにも髪の質感というかが良すぎてな…」
あ、おじさんが撫でるのをやめてくれました。…やっと解放される……
なでなで…
あ、まだ1人居ました。
「…おい、気持ちは分かるがそろそろやめろ、な?」
「…は!」
あ、撫でられるのに終わりがついに来ました。
良かった…
「す、すみません…あまりの心地良さについ夢中に」
「だ、大丈夫です…ですけどその、次から少し控えて貰えたら…う、嬉しいような…」
「うぐ…わ、わかりました。……あ、副隊長いたんですか」
「いたよ!?それに君と一緒にさっきまでシルの嬢ちゃんを撫でてたよね?」
「え?そうなんですか私気が付きませんでしたが…?」
「俺は空気かっ!?」
なんかいきなり始まってる……座りたいのですが…ずっと立ってて足が痛いです。
「うぅ…あのぉ…今の私のことを忘れてませんか?」
「「「あ」」」
そういえば……ご、ごめんなさい…だからそんなしょんぼりしないでください!!
「ご、ごめんなさい」
「す、すまんな…で、何しにここに来たんだ?」
「やっと言えます。」
「あ、ちょっと待ってください」
「言えませんでした…。」
あはは…
あれ?アシナさんがなんで僕のところに?
「シルちゃんこっちにおいで?」
そう言いながらアシナさんはソファがある方に誘導してくれた。
「ずっと立ってて疲れたでしょ?少しここで休んでて」
「えっと…ありがとうございます。」
「こっちこそシルちゃんを立たせたままでごめんなさいね」
やっとソファに座ることができ、僕は足を休める事が出来たのだった。
「さて、んじゃ報告をよろしく」
「よろしくね」
「あ、はい…コホン…では――――」
そこから僕は何も耳には入ってこなかった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「……んぅ…」
目が覚めると僕はシーツを羽織っていた。どうやら僕はあの後疲れていたみたいで直ぐに寝てしまったみたい…
「あれ…?」
部屋には僕1人だけ…少し部屋が広く感じた。
〈ん?あ、おはようシフィナ…よく眠れたかい?〉
「うん…眠れた…あの人たちは?」
〈報告を聞いたあと君に気づいたバッカスさんが君にシーツをかけて三人してこの部屋から出てったよ?多分起こさないようにするためだろうね〉
「そっか…」
外を見ると外は少し暗くなっていた。
「そろそろ宿に戻ろっか」
〈そうだね〉
僕はシーツを綺麗にたたみソファの上に置いた。
「よし…」
ソファを離れて扉の前に行く
ガチャ…
「………」
〈左右クリア、前進せよ…なんちゃって〉
神様…
「えっと…確かこの階段を降りれば良いんだよね」
〈そうだよ〉
「―――ん?お、シルの嬢ちゃん目、覚めたんだな」
「ぇと…シーツ…ぁりがと…ぃます…。」
「おう、シーツはどうした?」
「あ…す、すみません…ソファの上にたたんで…その…置いて来ちゃいました…」
「大丈夫だ。はは、なんならそのままでも良かったんだぞ?」
「そんな…」
「じゃ、行こうか」
そうバッカスさんが言い、私を持った。……え?持った!?
「ふぇ…え?…え?」
「ん?どうした…あぁ、ここはあまり明るくないし色々あるから足元危ないんだ」
なるほど
「えと、あ…ありがとうございます。」
「おう、じゃ宿まで行くぞ?」
「はい。……?」
あれ?宿まで?外までではなく?
〈外は暗くなってきてる。それに不審者とかいるかもだから安全性も兼ねて送ってくれるんだと思うよ?〉
あ、確かに…
そうして僕はバッカスさんにおんぶされながら宿に戻った。
━━━━━
「あ!シフィナちゃんおかえり!」
「…ただ今戻りました。」
「ん?シルじゃないのか?」
あ…
「何言ってるんですかバッカスさん、シフィナちゃんはシフィナちゃんですよ!帰りが遅かったので少し心配になっちゃったんですからね?」
「えっと…すみません…」
…よ〈よく動く口だよね…噛まないのかな?〉
…………( ° . ° )
「?どうしたのシフィナちゃん?」
「…いえ、なんでもないです。」
そっとバッカスさんに下ろしてもらいながら僕はそう言った。
「あ、ここまでありがとうございました。バッカスさん」
「いやお礼を言われるようなもんじゃないさ」
「えと…いえ、ほんとうにありがとうございます。」
「そうか、なぁ少し聞いていいか?」
「えと…なんでしょう?」
「なんで名前シルにしてんだ?」
えぇ…聞かれるって思ってたけど…
〈なんかド直球で言われたね〉
まぁ言いますけどね?あまり名前を隠しているのに意味はないですし
「それは…」
「あ、あの…」
あれからどれくらいだったのでしょうか?…僕の感覚だと結構たったように感じます。
なでなで…
「あ、あの……」
この言葉を繰り返すのも何回目でしょうか…そろそろ頑張って大きい声を出した方が良い気がしてきました。
「……」
あ、やっぱり無理です。体が言うことを聞いてくれない…
『称号〖人見知り〗を獲得しました。』
…………ゑ…?
なんですかその不名誉な称号は…
称号〖人見知り〗
人と話す時に滑舌が悪くなり、またどうしようもない恥ずかしさを感じるようになる。心で思っていても体が動かない…大丈夫、きっと時間が解決してくれるはずさ…
…………うん。色々ツッコミたいけど一旦置いとこう……
とにかく体が動かない理由はわかったからよしとしよう…
いや、ほかが良くないんだけど…
その前に称号って詳細見れたんだ…他の称号も気になるし後で見てみよう。
なでなで…
「………」
まだ撫でられてる…いつになったら終わるんでしょうかね…
ガチャ…
「……え?なんですこの状況…」
あ、誰か来た……
「…っ!(ビクッ」
っ…え?なんでこんなに恥ずかしさが込み上げてくるんでしょ……あ、さっき取った称号のせいですか…
「ん?…お、おぉ、すまんすまんあまりにも髪の質感というかが良すぎてな…」
あ、おじさんが撫でるのをやめてくれました。…やっと解放される……
なでなで…
あ、まだ1人居ました。
「…おい、気持ちは分かるがそろそろやめろ、な?」
「…は!」
あ、撫でられるのに終わりがついに来ました。
良かった…
「す、すみません…あまりの心地良さについ夢中に」
「だ、大丈夫です…ですけどその、次から少し控えて貰えたら…う、嬉しいような…」
「うぐ…わ、わかりました。……あ、副隊長いたんですか」
「いたよ!?それに君と一緒にさっきまでシルの嬢ちゃんを撫でてたよね?」
「え?そうなんですか私気が付きませんでしたが…?」
「俺は空気かっ!?」
なんかいきなり始まってる……座りたいのですが…ずっと立ってて足が痛いです。
「うぅ…あのぉ…今の私のことを忘れてませんか?」
「「「あ」」」
そういえば……ご、ごめんなさい…だからそんなしょんぼりしないでください!!
「ご、ごめんなさい」
「す、すまんな…で、何しにここに来たんだ?」
「やっと言えます。」
「あ、ちょっと待ってください」
「言えませんでした…。」
あはは…
あれ?アシナさんがなんで僕のところに?
「シルちゃんこっちにおいで?」
そう言いながらアシナさんはソファがある方に誘導してくれた。
「ずっと立ってて疲れたでしょ?少しここで休んでて」
「えっと…ありがとうございます。」
「こっちこそシルちゃんを立たせたままでごめんなさいね」
やっとソファに座ることができ、僕は足を休める事が出来たのだった。
「さて、んじゃ報告をよろしく」
「よろしくね」
「あ、はい…コホン…では――――」
そこから僕は何も耳には入ってこなかった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「……んぅ…」
目が覚めると僕はシーツを羽織っていた。どうやら僕はあの後疲れていたみたいで直ぐに寝てしまったみたい…
「あれ…?」
部屋には僕1人だけ…少し部屋が広く感じた。
〈ん?あ、おはようシフィナ…よく眠れたかい?〉
「うん…眠れた…あの人たちは?」
〈報告を聞いたあと君に気づいたバッカスさんが君にシーツをかけて三人してこの部屋から出てったよ?多分起こさないようにするためだろうね〉
「そっか…」
外を見ると外は少し暗くなっていた。
「そろそろ宿に戻ろっか」
〈そうだね〉
僕はシーツを綺麗にたたみソファの上に置いた。
「よし…」
ソファを離れて扉の前に行く
ガチャ…
「………」
〈左右クリア、前進せよ…なんちゃって〉
神様…
「えっと…確かこの階段を降りれば良いんだよね」
〈そうだよ〉
「―――ん?お、シルの嬢ちゃん目、覚めたんだな」
「ぇと…シーツ…ぁりがと…ぃます…。」
「おう、シーツはどうした?」
「あ…す、すみません…ソファの上にたたんで…その…置いて来ちゃいました…」
「大丈夫だ。はは、なんならそのままでも良かったんだぞ?」
「そんな…」
「じゃ、行こうか」
そうバッカスさんが言い、私を持った。……え?持った!?
「ふぇ…え?…え?」
「ん?どうした…あぁ、ここはあまり明るくないし色々あるから足元危ないんだ」
なるほど
「えと、あ…ありがとうございます。」
「おう、じゃ宿まで行くぞ?」
「はい。……?」
あれ?宿まで?外までではなく?
〈外は暗くなってきてる。それに不審者とかいるかもだから安全性も兼ねて送ってくれるんだと思うよ?〉
あ、確かに…
そうして僕はバッカスさんにおんぶされながら宿に戻った。
━━━━━
「あ!シフィナちゃんおかえり!」
「…ただ今戻りました。」
「ん?シルじゃないのか?」
あ…
「何言ってるんですかバッカスさん、シフィナちゃんはシフィナちゃんですよ!帰りが遅かったので少し心配になっちゃったんですからね?」
「えっと…すみません…」
…よ〈よく動く口だよね…噛まないのかな?〉
…………( ° . ° )
「?どうしたのシフィナちゃん?」
「…いえ、なんでもないです。」
そっとバッカスさんに下ろしてもらいながら僕はそう言った。
「あ、ここまでありがとうございました。バッカスさん」
「いやお礼を言われるようなもんじゃないさ」
「えと…いえ、ほんとうにありがとうございます。」
「そうか、なぁ少し聞いていいか?」
「えと…なんでしょう?」
「なんで名前シルにしてんだ?」
えぇ…聞かれるって思ってたけど…
〈なんかド直球で言われたね〉
まぁ言いますけどね?あまり名前を隠しているのに意味はないですし
「それは…」
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