番なんて要らない

桜 晴樹

文字の大きさ
13 / 47
気になるあいつ

気になるあいつ。でも嫌い8

しおりを挟む
睨み合いが続く。
ふっ。と、拓人が目を逸らした。

「わかったよ。今日の所は布団で寝るよ。」

内心本当に焦った。このままなし崩しにされるんじゃ無いかと。その位に拓人の瞳が真剣で、どろどろに思考を飛ばされそうになる。
これがΩの性…。きっとαに求められれば誰でも良いのかもしれない。
ようやく落ち着きを戻し、お互いの寝る所に収まっても落ち着かない。

「あおい。」

「‥何?」

布団に入って、そんなに時間も経っていないし、お互い意識して眠れないのもあるから、拓人が俺を呼んでも無視するわけにもいかない。

「ふふっ。俺達さ。出会った頃よりは仲良くなったよね。」

懐かしそうに目を細めながら俺を見つめる。

「ん。そうだな。」

あの時の拓人は、運命の番だ、なんだのと今よりも攻めて来ていて怖かったな。
少しずつ距離を、俺との接し方を変えて来てくれた。少しずつ、拓人が俺の中に大きく存在していき、今では友人ポジションだ。きっと、拓人にとっては足りないにしても俺はこの距離が凄く心地良い。

「あおい、好きだよ。」

不意に聞こえた告白。それはいつも聞くものと少し違う気がして、でも答えられる気がしない。

「俺は‥。」

少し震えて戸惑う声になってしまった。

「答えは無理しないで良いよ。俺が言いたかっただけだから。おやすみ。」

そう言って拓人は、身体ごと反対に向いて本格的に寝に入った。

「ごめん‥。おやすみ。」

少ししてから俺も意識を手離し、いつの間にか眠っていた。
一人で寝るよりも何故かよく寝れているような気がする。
夢を見た気もするし、何も見なかった気もする。
そうして夜は更けていった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうも。チートαの運命の番、やらせてもらってます。

Q矢(Q.➽)
BL
アラフォーおっさんΩの一人語りで話が進みます。 典型的、屑には天誅話。 突発的な手慰みショートショート。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 【たくさんの“いいね”ありがとうございます】 【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。

【本編完結】αに不倫されて離婚を突き付けられているけど別れたくない男Ωの話

雷尾
BL
本人が別れたくないって言うんなら仕方ないですよね。 一旦本編完結、気力があればその後か番外編を少しだけ書こうかと思ってます。

僕の番

結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが―― ※他サイトにも掲載

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 8/16番外編出しました!!!!! 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭 4/29 3000❤️ありがとうございます😭 8/13 4000❤️ありがとうございます😭 12/10 5000❤️ありがとうございます😭 わたし5は好きな数字です💕 お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話

降魔 鬼灯
BL
 ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。  両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。  しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。  コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。  

処理中です...