番なんて要らない

気になるあいつ

気になるあいつ。でも嫌い10

スマホで美味しいご飯のお店を検索し、（但し学生だから安くてボリュームある所だ。）候補を幾つか絞っていく。

ふっ。と、ミキちゃんの事を思い出した。俺はまだ発情期ヒートは、来ていない。世間一般的には、大体発情期ヒートが来るのは、早くても中学卒業間近か、高校1年でくるらしい。遅くても高校3年にくるとか。
そうなると、俺も近い将来に発情期ヒートになる可能性がある。
もし、拓人と2人だけの時にそんな展開になってしまったら‥。
アイツは我慢してくれるのか？
発情期ヒート中のΩを相手にして我慢出来るのはいないと聞く。その時はどうしたら良いのか。考えるだけでも頭が痛くなる案件だ。食事を一緒にした後、直ぐに別れれば良いが、もしかしたら一緒に遊ぶかも知れない。
Ωの発情を抑える抑制剤は、常に手元にある。常に手元に置く様になったのは、ある事故を見てしまったからだ。
それは、入学して間もない頃に、Ω性のクラスメイトが発情期に入った。その時、直ぐにミキちゃんが抑制剤を飲ませ、事なきを得たけれど、俺はトラウマの所為で、動けなくなっていた。

（またあの時みたいになりたくないな‥。）

突然の発情期に、クラスに何人α性が居たかは知らないが、β性であろう者達も併せて、目付きと雰囲気が変わった。そのΩ性の男子を襲おうとしているのが見てわかった。
その時、隣にいた拓人も顔を抑えて押し殺しているのが、見てわかった。只、怖かったのは、発情期に入ったΩ性の子ではなく、俺を欲情の目で見ていたのが、腑に落ちない。いや、ある意味俺という運命大好き過ぎる所は、ブレてないな。
久しぶりに蛇に睨まれたカエルの如く、動けなくなった原因だろう。

そんな事をつらつら考えながら検索していたら、超特大パフェのお店を見つけた、実は俺は大の甘党。パフェ大好きなのだ。