番なんて要らない

桜 晴樹

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気になるあいつ

気になるアイツとオレ2

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その日は、散々だったと拓人は思った。
拓人の父と母は、運命で結ばれた2人だった。だが、すぐに出会った訳ではない。
拓人の父は、本来は婚約者がいた身だった。
その婚約者と、1年後に結婚の段階で、運命と出会ってしまった。
その家とは、縁が無かったと諦めてもらったが、だからといって彼方はずっと諦めきれなかったらしい。
今回、拓人の祖父が、何を思ったのか、拓人とその家の令嬢(α)との縁談を急遽、勧め出した。
拓人には、運命の番がいるというのにだ。
まだ、結ばれてはいないが、数年後には無理矢理にでも、番ってもらうつもりだったのに、拓人の考えが頓挫する様な事が起こってしまった。
その家の令嬢は、世界的に見てもかなりの家の資産家で、拓人の家よりも、ミキの家よりもかなりのハイクラスだった。
だからこそ、断るのに難儀している。
学校も、既に何日も休んでいるから、愛しい人にも会いに行けていない。
ストレスだけが溜まる。

(はあっ‥。どうしてこうも頭が痛くなる事が次から次へと‥。)

そんな時だ。初めは、修二からの連絡だった。その後、ミキからの連絡が来た。

お宅の大切な人を預かった。返して欲しければ‥。というメールと共に住所が書かれていた。
それと、写真も添付されていた。
それを見た時、居ても立っても居られず、拓人は部屋から飛び出した。

(どうして、あおいがそこにいるんだ!?)

いや、分かっている。2人からの連絡で、全ては分かってはいたが、納得できるものでは無かった。
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