番なんて要らない

気になるあいつ

気になるアイツとオレ3

修二は本来嘘を付くのが苦手だ。
だが、今回は友人の為に軽い嘘を付く事にした。
それは、友人の拓人とあおい達の事だ。2人が想いあっているのは、周りから見てもわかる。
今回どうしてだか、拓人の家が拓人の意思に反した行いをしようとしている。
それを初めに気付いたのは、ミキからの知らせだった。
ミキの家は、昔から不思議な家系だった。
何故か、昔から政治だけではなく、色んな所と付き合いをしている為か、幅広く情報が入ってくる。
その中の一つに、拓人の家の問題が出てきた。
拓人が、休んだ日から、拓人の家を監視するのに、何故かミキも休み出した。

「いや、なんで休む必要ある？」

「えーだっておもしろそうだから？駄目？」

自分の恋人が、分からなくなってしまった。だが、修二も拓人とあおいは、大切な友人だ。2人の中を引き裂く様な事は避けたい。
だからこそ、あおいに嘘の情報を流した。
それが、拓人の家柄だ。拓人の家は、α至上主義だった。だが、それは元々の話だ。今はそこまでではない。その考え方なのは、恐らく祖父と親戚であろう事は想像がつく。
それというのも、拓人の母がΩで、周囲から愛されているからだ。
Ωだからというよりも、拓人の母が愛らしい人で、皆が母に夢中になっている。
その母が、Ωの為の施設作りとかしてるから、拓人の家は、人種分け隔てない博愛主義として、最近では世間から見られている。
だから、本来ならば、拓人の恋を両親は応援している筈だ。それが、今回の出来事。何が起こっているのか、それを知る為にも、拓人と連絡を取らなければならない。
だから、あおいを餌にする事にした。