番なんて要らない

桜 晴樹

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気になるあいつ

気になるアイツとオレ6

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ミキちゃんが、拓人に挑発的な視線を送る。
その視線は、まるで女王様だった。
あれ?性格が優しく大人しめな感じがしてたのは、幻想だったのかな?
そして、控えている執事然とした修二さんは溜息を吐いていた。

「まあ、立ってるのもなんだから拓人も座って。」

「そうだな。何故、あおいが此処にいるのかも知りたいしな。」

そうして、俺の隣に座った拓人は、すごく俺を見つめ‥いや、凄く睨んでくる。此処にいるの俺のせいではないからね?!
言いたい事は俺だってあるのに、何故か言葉が出てこない。
何故かこんな所で、対人恐怖症みたいになってしまう。震えが止まらなく、見られていると顔が赤くなっていく。照れているとかではないぞ。そして、汗が凄く出てくる。
これはきっと、拓人が睨んで来るからかもしれない。

「うん、あおいが、君の実家に行ったって連絡がきたから、家に連れてきたんだ。」

事もなげにミキちゃんがサラッと説明し出した。

「俺の家に?あおいは、俺の家を知らない筈だが?」

「ああ。それは、俺が教えた。しかも直ぐに会いに行ったから、ミキに伝えておいたんだ。」

修二さんも事もなげに伝える。

「いや、何で‥。あなた達なら、俺の実家が今どんな状況か知っているでしょ。」

拓人は頭を抑える。そんなにやばい状況だったのか?

「だから、家に連れてきたんだよー。感謝してよね?」

ミキちゃんは、自分で入れた紅茶を飲みながら、拓人に目を向ける。

「だって、君自身も、中々連絡取れ無かったし、なんか凄いゴタゴタが続いてるみたいだからさー。」

友人としては気になるじゃん?と、ミキちゃんは云うが、こういってはなんだが、それは野次馬根性とか、新しいオモチャを見つけた。みたいな、顔を隠しもしなく云われても心に響かない。
拓人もそう思ったらしく、げんなりした顔をしていた。

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