婚約破棄されました。気分上々!

桜 晴樹

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婚約破棄されました。

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王子レイトと婚約して、半年が過ぎた。
その日は、とても快晴で空を見るだけで、心が弾む様な気分になる日だった。
そんな日に、王家主催のパーティーが開かれていた。
初音は、レイトに伴われながら皆の前に行く予定だった。だが、部屋でいくら待ってもレイトが現れない。仕方なく、初音に付いている近衛騎士に聞いてみた。
「王子が来ないんですが、俺出席しなくても良いですか?」
元々パーティーに出たくなかった初音は、気分が上がってしまうのを隠しきれない。
(出なくていいよな!だって堅苦しいし詰まんないし、何より‥。)
男として性を受けた初音が、何故か王子レイトと婚約しているのだから。王子の婚約者として出席する苦痛は想像を絶する。
「確かに遅いですね。今確認させます。それと初音殿、残念ながら欠席は許されませんよ。」さらりと近衛騎士に釘を刺された。
「それならば、王子と一緒じゃ無くても別に良いと思いますけど。」
そう思うのには、理由があった。王子は、癇癪持ちだ。気に入らない事があると、どんな人でも当たり散らす。斯く言う初音も、先日王子に臍を曲げられて大変だった。
「王子の相手、俺以外でも良いですよね。」
「いやいや、貴方が婚約者殿なのだから、王子の面倒は見てくださいよ。」
本当は、誰も彼も王子の面倒を見るのが面倒だ。だから、丁度よく召喚された初音に白羽の矢がたった。
「あーーーっ!くっそなんで俺なんだよ!!」
当たり散らしたい、喚き散らしたい。
そんな欲求が沸々と湧き上がる。
レイトが来なければ良い。そうすれば初音は理由をでっち上げ逃げる。
そう初音は、半年間の間に逃げる為に試行錯誤していた。
それなのに、突然の展開がこの後起こった。
「初音!すまないが、俺と婚約破棄してくれ!」
レイトが部屋に漸く来たかと思いきや開口一番に初音にそういった。
「は?今なんて?」
我が耳を疑う初音は咄嗟に聞き返していた。
「俺は他に好きな奴が出来た!だから、お前は用無しだ。婚約破棄に同意しろ!」
些か言葉の端々に苛立ちを感じるが、初音は拳を振るわせた。
それを見た近衛騎士が声をかけようとするが、初音はその前に大きく叫んだ。
「はい!喜んでっ!!!」
初音が待ち望んでいた展開だ。
嫌がるはずが無い。
こうして、パーティーの日に婚約破棄がされた。
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