気付いたら異世界でしたってそんな漫画みたいな（1話から修正中）

嵐の予感

魔族との攻防15

俺が魔王と相対し、魔法が解けた頃。

「ああっ！佑が私の加護から消えてしまったわー！！！」

ハクト様の加護から抜けた事で、ハクト様が気付いて叫んでいた。

「何？！では、タスクは今危険な状態ではないか！」

騎士団長のロードが焦り出した。

「すまない‥。俺がもう少し早くに手を掴んでいれば‥。」

ノイシュ王子が後悔をし出した。

「今、探知をしているので、もう少しお静かに。」

魔術師団長のクロノは、魔法で俺の探索をしていた。

そんな事態にも気付かずに、その時の俺は魔王と、のほほんと会話をしていた。

「あゝ、やはりあの時に守護をもう少し強めにしとくんだったわ‥。」

ハクト様は、うさぎの姿で嘆きながら丸くなってしまった。
その周りでは、まだ魔族が襲ってきている。それをノイシュとロード、それに他の騎士達が屠っていく。

「はいはい、俺が今探してますんで、もう少し待っていてください。」

クロノは、水晶に魔法を重ね掛けし、範囲を広げる。それは、今いる国だけでは無く、他国や他者が作った結界にまで及ぶ。広範囲な探索魔術だ。
その探索魔法を作ったのは、クロノではなく、魔王になってしまったルーカスだった。クロノは初めは、その魔法を使いこなす事が出来なかったが、ルーカスがいなくなり、使いやすい様に改良を重ねていき、何とか人を探す事が出来るまでになっている。

「‥。（練習しといて良かった‥。）」

だが、改良はしても、それには大量の魔力と、魔術師としての腕、そして何よりも体力がものをいう。
一気に魔力と体力を奪われ、流石のクロノも息を荒げていた。

「大丈夫か？私の魔力も使え。」

ノイシュが、クロノの肩に触れ魔力を流す。

「殿下、ありがとうございます。」

持ち直したクロノが、更に魔力を込めた時だった。

空全体に、光が溢れ出した。それと同時に魔族達が消え、現れたのはーーー‥。



「おりょ？みなさんお揃いで！」



俺、佑が皆の前に戻ってきた。