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1月5日
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なんだか今日は涼ちゃんの様子がおかしい。
普段から仲の良い女の子と歩いているところは見かけていた。
でも、膝の上に座らせている場面は初めてだった。そういう日もあるのかな?とは思ったけど……
ちさきちゃんにお弁当のおかずを差し出すだなんて、いつもは絶対に全部綺麗に食べてくれるのに……美味しくなかったわけじゃないみたいだし一体どうしたんだろう。
「凪沙。今日体育館裏に行ってたよね?告白?」
もしかして、私が告白をされていたから?
「う、うん。そう……でも、ちゃんと断ったからね?ちさきちゃんと亜紀ちゃんにも遠くから見ててもらったし、何もなかったよ?」
告白をされていたから、怒っているのかな?
呼び出される前に断っておくべきだったのかも……
隣を歩く涼ちゃんを見れば、眉間に皺を寄せて難しい顔をしている。
「涼ちゃんごめんね?次からは気をつけるから」
「……何が?」
「え?私が告白されてるの嫌だったんじゃないの?」
「あー。それもある……けど……」
涼ちゃんは眉をハの字にして困ったように苦笑した。
他にも私に対して不満があるということなんだろう。
私は女の子と付き合っても、長続きしないのか……男運がないと思っていたが、私は彼女とも上手くいかない、人とお付き合いする事に向いていない人間なのかもしれない。
涼ちゃんは私のことをすごく好きだと、態度でも行動でも視線でも感じていたけど、ただの自惚れだった。
内心では私に対して不満が募っていた。
思い当たる節は多々ある。年越しの電話や初詣だってそうだ。付き合ってから初めての年越しを私が風邪を引いたせいでできなかったし、連絡もちゃんと入れなかった。心配もたくさんかけてしまったし、彼女としては最低だと思う。
「え?あ、あれ?凪沙?立ち止まってどうしたの?」
「涼ちゃん……ごめんね……私、彼女として全然ダメだよね……」
「最高だけど!?凪沙が彼女になってくれてめちゃくちゃ幸せだけど!?」
「でも、不満あるんでしょ?だから、今日はいつもとなんだか違ったんだ」
「……ふ、不満?」
涼ちゃんは少し視線を泳がせた。
頭をポリポリとかいてまた苦笑する。
「不満って言えば、不満なのかもしれないけど……凪沙は全然悪くないんだよ?」
涼ちゃんは私の手を握って歩道の端に寄った。
数名の生徒や近所の人が通り過ぎていく。
ちょっと言いづらそうにしながら涼ちゃんは口を開いた。
「今日、結に私が重たいって言われたんだよね。確かに嫉妬とか結構しちゃうから……でも、私凪沙から嫉妬されたことないなぁって思って」
嫉妬が不満?
「私に嫉妬してほしかったの?」
「うん……嫉妬した?」
今日一日涼ちゃんが色んな女の子と距離が近かったけど、特に嫉妬らしい嫉妬はしなかったかもしれない。
「してないかな。さすがに膝の上に座らせてるのはちょっと嫌かも……とは思ったけど……嫉妬とは違うかな」
「嫌だったよね?ごめんね?嫌ってことは嫉妬?」
「私まだ膝に座らせてもらったことないなぁって」
「そっちか……」
涼ちゃんが肩を落として落胆している。
「でもね。結ちゃんに重たいって言われたかもしれないけど、私はそのくらい私の事好きなんだなぁって思うから嫉妬しないのかも」
「私重くない?」
「涼ちゃんが私の事好きすぎて戸惑ったことはあるけど、嫌じゃないよ?他の子と仲良くしてても私のこと好きなんだってわかるし」
「わかるって?」
不思議そうに私の事を見つめてくる。
これは自分ではわかっていないんだろうな。
「だって涼ちゃん、それまで仲良くしてる女の子に見せてる笑顔と、私と目が合った時に見せる笑顔が全然違うんだもん」
「え……」
私と目が合った時に周りに花が舞ったようなキラキラした笑顔を思い出してクスクスと笑った。
「そんなに違う?」
「全然違う。涼ちゃんの好意が大きいから嫉妬しなかったんだけど……不満があるって言われて、今まで涼ちゃんから受けてた好意は自意識過剰だったかなって反省した」
「いや、全然そこ反省しなくていいよ!!私の好意は本物だから!!」
「ううん。自惚れすぎないようにするね?」
私は涼ちゃんに近づいて耳元で囁いた。
「そしたら、涼ちゃんが他の女の子と仲良くしてたら嫉妬しちゃうから。他の子を膝に座らせるのはもうダメだよ?」
「凪沙の嫉妬可愛すぎる……好き……もう今後一切、私の膝には凪沙しか座らせない」
そうやって好意を出してくれるから嫉妬しないんだけどな。
でも、いつまでもこうやって自惚れていては、好意を見せてくれなくなった時、私はきっと他の子に嫉妬したりヤキモチを妬いたりしてしまうんだろう。
好意を見せてくれなくなった時………
涼ちゃんが私の事を好きじゃなくなった時?
私はそんな未来を想像して胸がズキッと痛みを感じた。
普段から仲の良い女の子と歩いているところは見かけていた。
でも、膝の上に座らせている場面は初めてだった。そういう日もあるのかな?とは思ったけど……
ちさきちゃんにお弁当のおかずを差し出すだなんて、いつもは絶対に全部綺麗に食べてくれるのに……美味しくなかったわけじゃないみたいだし一体どうしたんだろう。
「凪沙。今日体育館裏に行ってたよね?告白?」
もしかして、私が告白をされていたから?
「う、うん。そう……でも、ちゃんと断ったからね?ちさきちゃんと亜紀ちゃんにも遠くから見ててもらったし、何もなかったよ?」
告白をされていたから、怒っているのかな?
呼び出される前に断っておくべきだったのかも……
隣を歩く涼ちゃんを見れば、眉間に皺を寄せて難しい顔をしている。
「涼ちゃんごめんね?次からは気をつけるから」
「……何が?」
「え?私が告白されてるの嫌だったんじゃないの?」
「あー。それもある……けど……」
涼ちゃんは眉をハの字にして困ったように苦笑した。
他にも私に対して不満があるということなんだろう。
私は女の子と付き合っても、長続きしないのか……男運がないと思っていたが、私は彼女とも上手くいかない、人とお付き合いする事に向いていない人間なのかもしれない。
涼ちゃんは私のことをすごく好きだと、態度でも行動でも視線でも感じていたけど、ただの自惚れだった。
内心では私に対して不満が募っていた。
思い当たる節は多々ある。年越しの電話や初詣だってそうだ。付き合ってから初めての年越しを私が風邪を引いたせいでできなかったし、連絡もちゃんと入れなかった。心配もたくさんかけてしまったし、彼女としては最低だと思う。
「え?あ、あれ?凪沙?立ち止まってどうしたの?」
「涼ちゃん……ごめんね……私、彼女として全然ダメだよね……」
「最高だけど!?凪沙が彼女になってくれてめちゃくちゃ幸せだけど!?」
「でも、不満あるんでしょ?だから、今日はいつもとなんだか違ったんだ」
「……ふ、不満?」
涼ちゃんは少し視線を泳がせた。
頭をポリポリとかいてまた苦笑する。
「不満って言えば、不満なのかもしれないけど……凪沙は全然悪くないんだよ?」
涼ちゃんは私の手を握って歩道の端に寄った。
数名の生徒や近所の人が通り過ぎていく。
ちょっと言いづらそうにしながら涼ちゃんは口を開いた。
「今日、結に私が重たいって言われたんだよね。確かに嫉妬とか結構しちゃうから……でも、私凪沙から嫉妬されたことないなぁって思って」
嫉妬が不満?
「私に嫉妬してほしかったの?」
「うん……嫉妬した?」
今日一日涼ちゃんが色んな女の子と距離が近かったけど、特に嫉妬らしい嫉妬はしなかったかもしれない。
「してないかな。さすがに膝の上に座らせてるのはちょっと嫌かも……とは思ったけど……嫉妬とは違うかな」
「嫌だったよね?ごめんね?嫌ってことは嫉妬?」
「私まだ膝に座らせてもらったことないなぁって」
「そっちか……」
涼ちゃんが肩を落として落胆している。
「でもね。結ちゃんに重たいって言われたかもしれないけど、私はそのくらい私の事好きなんだなぁって思うから嫉妬しないのかも」
「私重くない?」
「涼ちゃんが私の事好きすぎて戸惑ったことはあるけど、嫌じゃないよ?他の子と仲良くしてても私のこと好きなんだってわかるし」
「わかるって?」
不思議そうに私の事を見つめてくる。
これは自分ではわかっていないんだろうな。
「だって涼ちゃん、それまで仲良くしてる女の子に見せてる笑顔と、私と目が合った時に見せる笑顔が全然違うんだもん」
「え……」
私と目が合った時に周りに花が舞ったようなキラキラした笑顔を思い出してクスクスと笑った。
「そんなに違う?」
「全然違う。涼ちゃんの好意が大きいから嫉妬しなかったんだけど……不満があるって言われて、今まで涼ちゃんから受けてた好意は自意識過剰だったかなって反省した」
「いや、全然そこ反省しなくていいよ!!私の好意は本物だから!!」
「ううん。自惚れすぎないようにするね?」
私は涼ちゃんに近づいて耳元で囁いた。
「そしたら、涼ちゃんが他の女の子と仲良くしてたら嫉妬しちゃうから。他の子を膝に座らせるのはもうダメだよ?」
「凪沙の嫉妬可愛すぎる……好き……もう今後一切、私の膝には凪沙しか座らせない」
そうやって好意を出してくれるから嫉妬しないんだけどな。
でも、いつまでもこうやって自惚れていては、好意を見せてくれなくなった時、私はきっと他の子に嫉妬したりヤキモチを妬いたりしてしまうんだろう。
好意を見せてくれなくなった時………
涼ちゃんが私の事を好きじゃなくなった時?
私はそんな未来を想像して胸がズキッと痛みを感じた。
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