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2月11日 Side涼24
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「それ大丈夫なのか?」
私たちの様子をずっと黙って伺っていた高坂が森が帰った後、口を開いた。
「個数的には去年は森と同じくらいだったと思うけど」
「そうじゃなくってさ」
高坂は私と凪沙を交互に見て続けた。
「結構2人の事学校で広まってるじゃん。もしかしたら、悠木涼に渡す人って減るんじゃないか?」
「あ……」
私たちのことを付き合っているのではという噂が広がっている。
それにこの間の更衣室で他の人がいる中、堂々と付き合っていると宣言してしまっている。それを聞いた人が他の人に話したりしたら……あっという間に噂は真実へ姿を変えて広まっていくだろう。
「そんなに本命いっぱいもらってたの?」
凪沙が不安そうに私を見上げてきた。
「え、いや……もしかしたら友チョコかもしれないかなぁ……はは……」
ハートの形をしたチョコが大半を占めていたような気がしなくもない。その中には手紙が付いていたり、思いが綴られているようなものがあった。チョコを差し出しながら付き合ってくださいと直接言ってくる人もいたけど、好きな人がいるからとお断りした人もいた。
そういうチョコはきっと本命と呼ばれるバレンタインチョコに分類されて、凪沙と付き合っていると分かればその分のチョコが無くなるのは難くない。友チョコに変貌を遂げて渡してきたりとかはないだろう。
「去年は袋いっぱいにしてましたね?手紙もついてたし、ハートの形のチョコを美味しそうに食べてましたね?」
「し、東雲っ!!」
すぐ東雲は余計な事を…
「涼ちゃん……モテるんだね」
「いや、凪沙ほどじゃないと思うけど」
凪沙はファンクラブがあるほどだし、毎週のように呼び出されて告白されたりしてたんだから、私はそれよりは全然少ないと思う。
凪沙が複雑そうな表情を浮かべてプイッと視線を逸らした。
あ、あれ?何?今の……もしかして、嫉妬してくれてる?
「な、なぎs……」
凪沙の様子を伺おうとすると、高坂が口を挟んできた。
「負けたら、凪沙と別れるってことだよな?大丈夫なのかよ」
呆れ顔で高坂がため息をついて、凪沙が不安そうに高坂を見る。
あ、凪沙を不安な気持ちにさせてしまった。
「私が凪沙と別れるわけないでしょ。そんな危険な賭けは元から勝負する気なんてない」
「そうなの!?良かった」
安堵のため息をついて凪沙がようやく笑顔になった。
凪沙がそんなに私と別れたくないと思ってくれているんだと表情から読み取れて嬉しい気持ちが湧き上がってくる。
「じゃあ、何を賭けたんだよ」
「………修学旅行二日目の凪沙」
「え?」
「は?」
「………」
三者三様にそれぞれ反応を示した。
元々修学旅行は凪沙といられる時間なんてほぼ無いと思っていた。でも、二日目の自由行動の時間は毎年クラスも班も関係なく行動している人が大半だと森が言っていて、それなら是が非でも凪沙と一緒にいたかった。
その二日目を何故、森との勝負に賭けたか……いや、半分脅されたようなものか。
『私がブレスレット気づかなかったら、無くなってたかもしれないよ?更衣室のロッカーなんて色んな人が使っている場所に忘れるなんて、気づいて取りに戻った時にはもう無いだろうな?まぁ、別れるのは無理だとして修学旅行の二日目くらいなら、いいだろ?』
ホントは修学旅行の二日目を賭けるのもめちゃくちゃ嫌なんだけど、私が大事な凪沙とお揃いのブレスレットを忘れてしまって、それを届けてくれたことには感謝している。無くしたらそれこそ私は自分を恨むし凪沙に合わせる顔がなくなってしまう。
それに沖縄に森の親戚が住んでいて、その人が知っているという穴場の場所を教えてくれると言うのも魅力があった。凪沙と2人きりで沖縄の海………最高かよ
「涼ちゃん……」
「ん?」
「私の修学旅行二日目を賭けたの?」
「う、うん……」
「私の修学旅行二日目なのにっ!?」
私の頭に衝撃が走った。
そうだよ!なんで私勝手に凪沙のこと賭けてるの!?修学旅行二日目の自由行動とか凪沙だって自由にしたいはずじゃん!!
私の凪沙だって思い込みも甚だしい……
「そ、それは……ごめん。でも、絶対負けないから!」
「勝つって言っても私以外からチョコいっぱいもらうってことでしょ?」
「うっ……」
「それはそれで私……ちょっと複雑な気分だよ。涼ちゃんがモテるのはわかるけど、いっぱいチョコ貰ってる涼ちゃんを見るのは彼女としてあまり喜べないかな……」
「そうだよね……でも、負けたら凪沙の修学旅行二日目が森に……」
絶対負けられない戦いだけど、勝つためにチョコを貰えば貰うほど凪沙が悲しい気持ちになってしまう。でも、私は心を鬼にしてチョコをもらってなんとしても森との勝負に勝たなくてはいけない。
「これって涼ちゃんが勝ったら私は修学旅行二日目は自由にしていいってことだよね?」
「え?あぁ、そうだね」
勝ったら私と一緒に沖縄の海を満喫プランの予定だけれど、それは私が勝手に決めたプランなわけで、凪沙に断られてしまったら私は頷くしかない。
「分かった。今年のバレンタインは目を瞑って、私も涼ちゃんを応援する」
「な、凪沙……」
分かってくれたみたいでホッとする。色んな人からチョコをもらうことをダメだと言われてしまったら、どうしようかと思った。
「じゃあ、私は涼ちゃんとは学校で話すことも会うのもやめるね」
「えっ!?!?」
どうしてそうなるの!?!?
私たちの様子をずっと黙って伺っていた高坂が森が帰った後、口を開いた。
「個数的には去年は森と同じくらいだったと思うけど」
「そうじゃなくってさ」
高坂は私と凪沙を交互に見て続けた。
「結構2人の事学校で広まってるじゃん。もしかしたら、悠木涼に渡す人って減るんじゃないか?」
「あ……」
私たちのことを付き合っているのではという噂が広がっている。
それにこの間の更衣室で他の人がいる中、堂々と付き合っていると宣言してしまっている。それを聞いた人が他の人に話したりしたら……あっという間に噂は真実へ姿を変えて広まっていくだろう。
「そんなに本命いっぱいもらってたの?」
凪沙が不安そうに私を見上げてきた。
「え、いや……もしかしたら友チョコかもしれないかなぁ……はは……」
ハートの形をしたチョコが大半を占めていたような気がしなくもない。その中には手紙が付いていたり、思いが綴られているようなものがあった。チョコを差し出しながら付き合ってくださいと直接言ってくる人もいたけど、好きな人がいるからとお断りした人もいた。
そういうチョコはきっと本命と呼ばれるバレンタインチョコに分類されて、凪沙と付き合っていると分かればその分のチョコが無くなるのは難くない。友チョコに変貌を遂げて渡してきたりとかはないだろう。
「去年は袋いっぱいにしてましたね?手紙もついてたし、ハートの形のチョコを美味しそうに食べてましたね?」
「し、東雲っ!!」
すぐ東雲は余計な事を…
「涼ちゃん……モテるんだね」
「いや、凪沙ほどじゃないと思うけど」
凪沙はファンクラブがあるほどだし、毎週のように呼び出されて告白されたりしてたんだから、私はそれよりは全然少ないと思う。
凪沙が複雑そうな表情を浮かべてプイッと視線を逸らした。
あ、あれ?何?今の……もしかして、嫉妬してくれてる?
「な、なぎs……」
凪沙の様子を伺おうとすると、高坂が口を挟んできた。
「負けたら、凪沙と別れるってことだよな?大丈夫なのかよ」
呆れ顔で高坂がため息をついて、凪沙が不安そうに高坂を見る。
あ、凪沙を不安な気持ちにさせてしまった。
「私が凪沙と別れるわけないでしょ。そんな危険な賭けは元から勝負する気なんてない」
「そうなの!?良かった」
安堵のため息をついて凪沙がようやく笑顔になった。
凪沙がそんなに私と別れたくないと思ってくれているんだと表情から読み取れて嬉しい気持ちが湧き上がってくる。
「じゃあ、何を賭けたんだよ」
「………修学旅行二日目の凪沙」
「え?」
「は?」
「………」
三者三様にそれぞれ反応を示した。
元々修学旅行は凪沙といられる時間なんてほぼ無いと思っていた。でも、二日目の自由行動の時間は毎年クラスも班も関係なく行動している人が大半だと森が言っていて、それなら是が非でも凪沙と一緒にいたかった。
その二日目を何故、森との勝負に賭けたか……いや、半分脅されたようなものか。
『私がブレスレット気づかなかったら、無くなってたかもしれないよ?更衣室のロッカーなんて色んな人が使っている場所に忘れるなんて、気づいて取りに戻った時にはもう無いだろうな?まぁ、別れるのは無理だとして修学旅行の二日目くらいなら、いいだろ?』
ホントは修学旅行の二日目を賭けるのもめちゃくちゃ嫌なんだけど、私が大事な凪沙とお揃いのブレスレットを忘れてしまって、それを届けてくれたことには感謝している。無くしたらそれこそ私は自分を恨むし凪沙に合わせる顔がなくなってしまう。
それに沖縄に森の親戚が住んでいて、その人が知っているという穴場の場所を教えてくれると言うのも魅力があった。凪沙と2人きりで沖縄の海………最高かよ
「涼ちゃん……」
「ん?」
「私の修学旅行二日目を賭けたの?」
「う、うん……」
「私の修学旅行二日目なのにっ!?」
私の頭に衝撃が走った。
そうだよ!なんで私勝手に凪沙のこと賭けてるの!?修学旅行二日目の自由行動とか凪沙だって自由にしたいはずじゃん!!
私の凪沙だって思い込みも甚だしい……
「そ、それは……ごめん。でも、絶対負けないから!」
「勝つって言っても私以外からチョコいっぱいもらうってことでしょ?」
「うっ……」
「それはそれで私……ちょっと複雑な気分だよ。涼ちゃんがモテるのはわかるけど、いっぱいチョコ貰ってる涼ちゃんを見るのは彼女としてあまり喜べないかな……」
「そうだよね……でも、負けたら凪沙の修学旅行二日目が森に……」
絶対負けられない戦いだけど、勝つためにチョコを貰えば貰うほど凪沙が悲しい気持ちになってしまう。でも、私は心を鬼にしてチョコをもらってなんとしても森との勝負に勝たなくてはいけない。
「これって涼ちゃんが勝ったら私は修学旅行二日目は自由にしていいってことだよね?」
「え?あぁ、そうだね」
勝ったら私と一緒に沖縄の海を満喫プランの予定だけれど、それは私が勝手に決めたプランなわけで、凪沙に断られてしまったら私は頷くしかない。
「分かった。今年のバレンタインは目を瞑って、私も涼ちゃんを応援する」
「な、凪沙……」
分かってくれたみたいでホッとする。色んな人からチョコをもらうことをダメだと言われてしまったら、どうしようかと思った。
「じゃあ、私は涼ちゃんとは学校で話すことも会うのもやめるね」
「えっ!?!?」
どうしてそうなるの!?!?
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