魅了によって堕ちる者と救われる者

基本二度寝

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「婚約、破棄ですか…?殿下だけではないのですか?…我々全員…?」

魅了が解けた面々は、遅れて姿を現した騎士団員と魔法師団員に囲まれ、怯え縮こまっている。
魅了中の記憶がない、と言うことはなかったらしい。

リリメは魅了封じを施され、隔離施設に連行された。
どんなに抵抗しても、魅了が出来なければただの小娘。
必死に王弟に向かってアピールしても鼻で笑われた。

「っ僕らは自分の婚約者を虐げてはいない!どうして!」

口々に自分は婚約者を甚振っていないと主張した。
たかが魅了如きで、と彼らはそう考えているのだろう。

王弟は長いため息を吐いた。

無言で俯く王太子は気づいているのか。

「…スラーシア嬢が抵抗もせずお前らの暴言に潜む魔法攻撃を受け続けた意味を理解していないのか?」

「…我々の能力が彼女より高かったからです」

「馬鹿か。どんな攻撃でも防壁張れば反射して返せるだろ。
お前らに傷を負わせたくなかったんだよ。うっかり怪我なんかして治療を受ければ、魅了の痕跡に気づかれるからな」

「…?それの…なにが不味いのでしょうか」

「何が不味いのか?わからんのか。教えてやれ」

黙ったままの王太子に王弟は話を投げた。
王太子は首を横に振る。
わからないのか、その事を口にするのを拒否したいのか。

国に関わる程の大事。

頭を抱え、仕方無しに王弟は何も理解してない糞ガキ共に説明してやった。

「王家の血統には魅了魔法に対する抵抗がある。
お前らの父親、重職の当主たちにも血筋を辿れば王家の血が薄くも流れているはずだ」

「…それは、つまり?」

彼らは本来かかるはずがない魅了魔法にかかってしまったということだった。

「それほど強大な魅了魔法をリリメは使っていたのか」

「違う。先程、小娘の魅了を封じたのは私だ。私にもつまらん技をかけようと必死だったが、魅了はされていない。
わかるだろう?もっと答えは単純明快だ」

わからないとばかりに目を見合わせる奴らに焦れて言い放った。

「ここにいるお前ら全員、当主の子ではないって事だよ」

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