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五
『ライデンが飛び出した。ヒューゴも一緒』
国王は「そうか」と呟いた。
『イナズマの元に向かうみたい』
「弟の所か…それはそうだな…本当の家族、だしな」
王の枕元に座る雷鳥は指に乗るサイズの小鳥だ。
それでも能力は他の雷鳥と変わらない。
肩に乗る程の弟の雷鳥の大きさに妬み羨む必要などなかった。
死の淵に立ってそれをようやく理解した。
ヒューゴの大鳥の守護獣を見た時の衝撃は、弟の雷鳥を知った時の比ではなかった。
喜びもつかの間、王妃の子は我が子でないと、弟の子だと知りヒューゴへの関心は一瞬で消えた。
憎くとも、あの守護鳥を手放す事は出来なかった。
側妃の子の誕生に今度こそと期待をしたのだが、側妃の子に、雷鳥は付かず見えてもいなかった。
それが意味することは、側妃の子に王家の血が流れていないという事。
国王の雷鳥イカヅチに自身の種がないことを聞いて納得した。
子を残すために、先代王は王妃と弟との間に子を作らせたのだと。
理解はできても感情はまた別だった。
側妃が王妃と王弟を罵る言葉に同調した。
王の心を代弁しているようで救われた。
側妃にとっては我が子を王位につかせたいだけの行為だったとしても。
まさか二人を手に掛けようとしているとイカヅチから聞き、脅すような形で側妃に気づかれぬよう国から追放した。
王族に手を出そうものなら雷鳥が黙っていない。
側妃を守るために、王妃と弟を国外に追いやった。
王は側妃の托卵については許した。
子ができぬ焦りから、国王と似た髪色と目の色を持つ旅芸人を選んだと知ったから。
王の子を欲しがった末の行動だったから許した。
王に似た色を持ち、側妃に似た顔立ちの子を王は可愛がった。
ただ、国王個人が許しても王位継承権を与える訳にはいかない。
王子と呼ばせることはできなかったが、我が子のように可愛がったつもりだ。
王位継承できない故、厳しい教育はさせなかった。
それ故多少わがままに育ったが、それでも可愛い息子だった。
息子の為に、国の安定を望み大鳥を守護獣に持つヒューゴを王太子に選んだが、側妃はそれを理解しなかった。
王族以外、見えぬ雷鳥の存在を説明しても納得できないのだろう。
ヒューゴが国を出たのならばもう、この国に守護獣の雷鳥は居なくなる。
脅威に晒されることもない平和だった国は、国王の死後混乱に見舞われるだろう。
「私は先に逝く。イカヅチよ。後は…」
それほど待たずとも、側妃と子には会えるだろう。
『うん。おつかれさま。おやすみ』
イカヅチの言葉を聞いて、国王は永い眠りについた。
国王は「そうか」と呟いた。
『イナズマの元に向かうみたい』
「弟の所か…それはそうだな…本当の家族、だしな」
王の枕元に座る雷鳥は指に乗るサイズの小鳥だ。
それでも能力は他の雷鳥と変わらない。
肩に乗る程の弟の雷鳥の大きさに妬み羨む必要などなかった。
死の淵に立ってそれをようやく理解した。
ヒューゴの大鳥の守護獣を見た時の衝撃は、弟の雷鳥を知った時の比ではなかった。
喜びもつかの間、王妃の子は我が子でないと、弟の子だと知りヒューゴへの関心は一瞬で消えた。
憎くとも、あの守護鳥を手放す事は出来なかった。
側妃の子の誕生に今度こそと期待をしたのだが、側妃の子に、雷鳥は付かず見えてもいなかった。
それが意味することは、側妃の子に王家の血が流れていないという事。
国王の雷鳥イカヅチに自身の種がないことを聞いて納得した。
子を残すために、先代王は王妃と弟との間に子を作らせたのだと。
理解はできても感情はまた別だった。
側妃が王妃と王弟を罵る言葉に同調した。
王の心を代弁しているようで救われた。
側妃にとっては我が子を王位につかせたいだけの行為だったとしても。
まさか二人を手に掛けようとしているとイカヅチから聞き、脅すような形で側妃に気づかれぬよう国から追放した。
王族に手を出そうものなら雷鳥が黙っていない。
側妃を守るために、王妃と弟を国外に追いやった。
王は側妃の托卵については許した。
子ができぬ焦りから、国王と似た髪色と目の色を持つ旅芸人を選んだと知ったから。
王の子を欲しがった末の行動だったから許した。
王に似た色を持ち、側妃に似た顔立ちの子を王は可愛がった。
ただ、国王個人が許しても王位継承権を与える訳にはいかない。
王子と呼ばせることはできなかったが、我が子のように可愛がったつもりだ。
王位継承できない故、厳しい教育はさせなかった。
それ故多少わがままに育ったが、それでも可愛い息子だった。
息子の為に、国の安定を望み大鳥を守護獣に持つヒューゴを王太子に選んだが、側妃はそれを理解しなかった。
王族以外、見えぬ雷鳥の存在を説明しても納得できないのだろう。
ヒューゴが国を出たのならばもう、この国に守護獣の雷鳥は居なくなる。
脅威に晒されることもない平和だった国は、国王の死後混乱に見舞われるだろう。
「私は先に逝く。イカヅチよ。後は…」
それほど待たずとも、側妃と子には会えるだろう。
『うん。おつかれさま。おやすみ』
イカヅチの言葉を聞いて、国王は永い眠りについた。
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