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二 エロ回

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「あ、いや、もうわかったから…」

リオレオは自分が罠を仕掛けたにもかかわらず、獲物が率先して罠にかかる様に思考が追いつかなかった。


シュナンゼがあっさり婚約破棄を認めるとは思わなかった。
男爵令嬢へのイジメ程度では破棄は無理だということはリオレオでもわかる。
だから、罪を用意した。

側近を使って、シュナンゼの不貞をでっち上げる。

これで、婚約破棄は可能だろう。

リオレオの計画では、シュナンゼは不貞を否定すると思った。当然だ。やってもいない罪を認めるはずがない。
シュナンゼは「証拠がない」と言って、逃げ切ると思った。

だから、証拠も用意した。
シュナンゼの使っている部屋から避妊具が見つかったこと。それは側近が仕込んだもの。
ガスティンと二人で密室に入っていった映像。
前後を切り取り、それらしくみせた映像。
一つ一つは大した証拠に見えずとも、この場で出すことで、シュナンゼに疑惑を持たせればうまく行くと思っていた。


キスをして証明してみろと言われ硬直しているガスティンを睨んだ。
それでは皆にバレるだろう!

ガスティンは散々迷った末、ようやく口付けた。

よし。それで良い。これで完璧だと、思った。



リオレオは未だに目の前ので繰り広げられる光景を信じられなかった。


ガスティンっ、

苦しそうに護衛の名を呼ぶシュナンゼは、サロンの長椅子に押し付けられ、足を大きく開かされていた。
シュナンゼの足の間には、信頼する護衛が収まり、己の起立を彼女に突き立てていた。

くぅぅ、ガスティンっ、ガスティンっ、キスしてっ

シュナンゼの望むまま口付けると、彼女の細い手足がガスティンに絡みつく。

ガスティン…くるし、もっと…おく、きて…

ぼろぼろと泣きながらガスティンを求めていた。

シュナ、シュナ

ぐちゅぐちゅと粘着音の響くサロンに誰も声を上げられない。

皆、愛し合う恋人たちに注目していた。


なんで、こうなった。

冷淡で、無表情な婚約者が。
それに辟易して婚約の破棄を望んだのに。

彼女は情熱的に感情的にガスティンを求めている。
品行方正な女がここまで乱れるとは。

ガスティンに自分をダブらせて、興奮した。
こちらをチラリと見たシュナンゼは、興奮した瞳で挑戦的に笑った。

その瞬間雷に打たれた。

彼女シュナンゼは…
私の婚約者だ。




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